眩く輝くクリスタルガラスに凛と刻まれた縦のカットが酒をより美味くする
ひとり酔いしれたい夜に寄り添う「薩摩切子」のタンブラー
■薩摩切子の歴史に新風を吹き込む斬新なカット
鹿児島県の伝統的工芸品の一つで、藤巻百貨店でも特別な贈り物や自分へのご褒美にと購入する方も多い「薩摩切子」。中でも「美の匠 ガラス工房 弟子丸」の薩摩切子は、その独特の模様やカッティングに定評がある。それもそのはず、同工房の代表を務める弟子丸努氏は切子職人。伝統を踏襲ながらも現代のライフスタイルに馴染む薩摩切子作りを得意としている。この「薩摩切子タンブラー」も従来の素材や技法に捉われない、新たな薩摩切子の魅力が詰まったアイテムだ。伝統的な切子模様である籠目と、どこかモダンな雰囲気を醸す深いストレートのライン。弟子丸氏ならではの発想で刻まれたシンプルな縦ライン×細やかな模様の組み合わせは、注いだ酒に美しい余韻を残す。
■薩摩切子を伝統的工芸品にまで高めた職人の一人
ときに薩摩切子とは――。かの篤姫の養父だった島津家28代藩主・島津斉彬が、海外交易品として発展させた幕末の美術工芸品だ。斉彬の没後、完全に衰退していたその美と技に再び息を吹き込み、見事復元を遂げたのは今から30年前。贅沢なほどに厚い色被せのクリスタルガラスと、そこに刻まれた緻密かつ大胆な切子模様の美しさは瞬く間に話題となり、今や鹿児島の伝統的工芸品にまで成長した。実は、弟子丸氏は30年前の復元に携わった職人の一人。薩摩切子の新たな美を追求しつつも伝統をきちんと重んじているのはそれゆえだ。現在は独立し、故郷である霧島市内に自身の工房を構えている。藤巻百貨店ではクリアなクリスタルガラスを使うことでより切子模様が映える「霧島切子」も人気を得ている。
■強く輝くクリスタルだから生み出せる色と光のコントラスト
弟子丸氏の信条は「炉火純青」。炉の火炎が純青になると温度も最高に達するように、技芸が最高の域に達することを表すという。新商品を考案する際も図案に頼るのではなく、試作を繰り返し、手指に伝わる微細な感覚を探りながら理想のラインへと精度を高めていく。30余年に渡る職人としての技や知識に驕ることなく、ただ実直に最高を求め続けるからこそ、新たな美をまとったカッティングを描き出せるのだろう。今回のタンブラーのポイントもやはりカッティング。「厚みのある色被せのクリスタルガラスを削ることで生じるグラデーションは薩摩切子の特長です。そこにあえて色がなくなるほど深い縦のラインを刻むことで、今までにない表情を生み出せたのではないかと思っています」(弟子丸氏)
■堂々たる縦のラインが酒をより美しく美味く引き立てる
実は自身もお酒好きだという弟子丸氏。となればこのタンブラーも酒好きのツボを押さえたアイデアに溢れているのは当然。前述のとおり色被せの部分をほとんど削り取ることでクリアに刻まれた縦のラインは、注いだ酒の色をはっきりと見せ、またグラスを傾けると「ぼかし」と呼ばれる色被せのグラデーションと溶け合いうっとりとした美しい表情を見せる。また、持った時のしっくりと手に収まる感覚も心地よい。色は伝統的な金赤、緑、黄の3色。特に黄は東西の切子の中でも類を見ないレモンイエローのようなフレッシュな輝きが目を惹く。この艶やかな黄色こそ薩摩切子の真骨頂だ。酒好きによる酒好きのためのタンブラー。時には一人静かにグラスを傾けたい夜もある。そんな時にこのグラスがあればより豊かで満たされた時間を約束してくれる。
カラーバリエーション
ディティール
アイテム詳細
素材:クリスタルガラス
本体サイズ:口径7.3cm、底径5.9cm、高さ9.0cm
化粧箱サイズ:横11.3cm、奥行11.3cm、高さ12.8cm
本体重量:約350g
化粧箱+本体重量:約550g
製造国:日本
※食器用洗剤を溶かしたぬるま湯に浸した柔らかいスポンジか布で丁寧に洗って下さい。カット面は柔らかいブラシで軽く洗って下さい。
※ガラスのくもりを防ぐため、洗った後ぬるめのお湯で充分にすすぎ水滴を良く拭き取って下さい。
※ガラスは、傷がつきやすい性質ですのでガラス同士を直接あてないようにして下さい。
※ガラスは耐熱・強化ガラスではありませんので急激な温度差に弱く熱湯を注ぐと破損する恐れがあります。また氷を入れる際も先に水から入れて下さい。