知られざる「香川漆器」の魅力満載のカップ。宵闇に浮かぶ富士と月が美しい!
■他とはぜんぜん違う! 香川漆器の魅力の伝え手
輪島、越前、会津など漆器の産地は数々あるが、香川も漆の産業が盛んな地域だ。香川の漆芸だけで現在2人の人間国宝がいて、故人を含めれば6人を数えると言えば、その凄さと深さが伝わるだろうか。香川の漆器の真価は彼らが先駆者から受け継いできた5つの技法にある。それらを使いこなしながら、漆器の可能性を考え抜き、最も我々の生活に近いアイテムを発表しているのが「さぬきうるし Sinra(しんら)」。確かな技法と使いやすいデザインの両方を追求し、漆をグッと身近な存在にしている。藤巻百貨店との出会いをきっかけに開発したこのカップは、Sinraのそんな姿勢を最も体現したモデルだ!
鮮やかな新色「月影 赤」が登場!
ダークネイビーの「月影 紺」に加え、夕焼けのような紅色が美しい「月影 赤」のカップが新登場。2色揃えてパートナーと晩酌やティータイムを楽しんではいかがだろうか。還暦祝い、結婚祝い、記念日などにプレゼントしても喜ばれること請け合いだ。
■夜の闇×富士山×月!? 伝統技法を凝縮したカップ、誕生!
ダークネイビーカラーの宵闇に浮き出るは、月明かりにぼんやりと照らされた白銀の富士山。「香川ならではの漆芸技法を使った藤巻百貨店らしいデザインのカップ」というオーダーに、Sinraの松本光太さんは香川漆器の魅力を凝縮させつつ、夜の富士の風景をドラマチックに描写した。「漆は扱いが難しいんでしょ?」と思うのは誤りで、手で洗って自然乾燥すればいいだけだから、この器は漆初心者のファースト漆器にもぴったり。ここ以外ではなかなか手に入らない特別感のあるモデルを片手に、現実の月でも見ながら今宵もお酒を楽しもうではないか。
■作家と職人の両A面。さぬきうるし Sinra
さぬきうるし Sinraの松本さんは香川に生まれ、高松工芸高校を卒業後、香川県漆芸研究所を経て、人間国宝の磯井正美氏に師事。その後漆芸作家として独立し、第53回日本伝統工芸展では日本工芸会奨励賞を受賞。32歳の受賞は当時の最年少記録であった。輝かしい実績を残しているが、独立当初は食べていくのが難しく、漆器の職人工房を手伝っていたことも。「漆器職人の作り方は新鮮で、作家としての技を仕込まれてきた自分にはこの経験が大きかった。これからの香川の漆器には、作家の目、職人の目、その両方が必要だと実感しました」
■香川漆器の技を、日用品に落とし込む
また、漆器が日常的に使うものから離れてしまっている危惧も感じていた。小さな頃から漆に親しんでこそ、大人になっても使い続けてくれるはず。そうした考えをもって2012年に仲間たちとSinraを設立。「毎日使いやすいものであること」「長く使い続けられる丈夫さがあること」「本物の素材を使うこと」の3つを柱に日用品をリリースする。伝統技法に根ざしつつも、傷を付きにくくしたり、軽やかなカラーで彩ることで、漆器への感覚的なハードルを下げ、より身近なものとして認知してもらうことが目標だ。作家の技と職人の技、そしてオリジネーターの視点で、香川の漆器の未来を切り拓く。
■香川漆器だけの5つの技法が器を彩る
国の伝統工芸に指定されている香川漆器は、江戸時代に高松藩主の松平家が茶道や書道に付随して漆塗を保護したことに端を発する。その後江戸後期に玉楮象谷(たまかじぞうこく)が中国の漆塗りの技法を研究して打ち立てた、蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)に加えて、その後民間から生まれた象谷塗、後藤塗の5つの技術を特徴とする。これらが連綿と受け継がれており、五技法を効果的に使うことで、Sinraの器は特色を打ち出している。
■Sinraオリジナル紋様&蒔絵の技で見事な富士を表現
今回のカップに使われたのは象谷塗。しかも、松本さんのオリジナルの技も加えている。伝統的な象谷塗は木地の段階で凹凸をつけ、真菰の粉を振り、凸の部分だけ研ぐことでツヤのありなしを生み出すが、松本さんは香川の高級石材「庵治石」(あじいし)をここに混ぜ、まだら模様を描いて年代もののような質感に仕上げる。さらに、富士山と月の一部分だけに錫粉をかけることで光に照らされた様子を表現。錫粉を入れた粉筒をトントンと指で叩いて落ちる量を微調整し、ぼんやりとした照りのグラデーションを見事に出現させた。
■この夜の色が絶妙。使いやすさも極めた「たたき仕上げ」
ネイビー部分は表情が豊かな「たたき塗り」という技法。ざらっとしているが上品な雰囲気で、丈夫で傷がつきにくいので日常で使いやすい。こちらにも庵治石を漆に混ぜて表面を叩いて仕上げている。ネイビーの色は普通に塗ると黒に近くなってしまうため、白を混ぜて青に近づけつつ、月明かりにぼうっと照らされた夜の闇を絶妙に表現した。
■熱くても冷たくてもOK。いつでも手元に、超万能フリーカップ
カップの内側は透き漆をかけ、素材のトチノキそのままの質感を生かしている。漆は乾くと酸にもアルカリにも強く、熱いものも冷たいものも入れても大丈夫という特質を持った驚きの天然素材。片手でつかめるちょうどいいサイズ感で、仕事の合間の熱いお茶やコーヒー、晩酌に氷を入れた焼酎やウィスキーのロックなど、飲み物を問わないフリーカップとして万能に使いこなしていただきたい。ちなみに富士山と月の部分は他よりも漆が厚く、温度を感じにくいので、ここに指を添えれば 熱々の飲み物も難なく持てるはず。器が好きな方は、特徴的なデザインの漆器のラインナップとしてコレクションしてみては。誕生日や父の日などお祝い事のプレゼントにするのもおすすめだ。
カラーバリエーション
使用イメージ
ディテール
<漆・本体の色味について>
漆の特性上、最初は茶褐色の色味が強く出ます。使用の過程で空気や光にふれる事により、次第に透明感が増し、綺麗な青みに育ちます。漆は年月を増すごとに硬化して透明になっていく性質を持つため、塗った直後よりも、何年も使用した後の方がより美しくなります。
アイテム詳細
素材:国産材(トチ)、漆、石粉、錫粉
サイズ:直径9㎝×高さ9㎝
重量:約90g
製造国:日本
・使用後は食器用中性洗剤でスポンジ等柔らかいものを使い洗ってください。洗ったあとはよくすすいで水切りをし、十分に乾燥させてください。
・食洗機使用不可。
このアイテムのレビュー
みんなのおすすめ度
- ★
- ★
- ★
- ★
- ★
(星 5.00)
0人の方が「参考になった」と言っています