
福島の伝統工芸「会津塗」がアウトドアにも使える!?デザインも機能性も抜群の一生使いたくなるカップ


■大人気の漆器「NODATE」の新モデル。これは名品の予感!

福島県の会津地方で育まれた伝統工芸「会津塗(会津漆器)」の技術や特性を、なんとアウトドアアイテムに活かして世に衝撃を与えた「NODATE mug」(ノダテマグ)。軽くて丈夫で壊れにくく、手にした時に伝わる“木のぬくもり”が魅力的な、「漆器」の現代的解釈である。今回新たに、木の取り方を変えデザインをチューニングした「NODATE yokoki」シリーズが到着!

NODATEならではの軽さと扱いやすさはそのままに、よりシンプルかつ洗練された造形美で「木の器」としての佇まいや使い心地の良さをフィーチャーする。これはウチ(自宅・職場)でもソト(アウトドア)でも大活躍間違いなし。しかも青の「インディゴ」は藤巻百貨店別注カラーだ!
■使い方は無限大! シンプルなカタチでどこでも使え、ギア欲をくすぐる


漆器といえば特別な日に使う高級品のイメージがあるが、色もカタチも使い方も非常にポップでカジュアルなのがNODATEシリーズの一大特徴だ。使うシーンは思うがまま。特にキャンプやアウトドア愛好者、登山、ウルトラライトバックパッキングなどの場面で重宝されているが、自宅のマイマグなど普段使いの器でも問題なく使えて、屋内外を問わず愛着の湧くプロダクトとしてとらえられている。

特筆したいのは、木目を残したこの風合い。漆を薄く塗り重ねることで、木目をそのまま活かし、木の器としての姿をとどめている。木という天然素材、そして世に二つとない一点ものの木目が自分専用の意味合いを深め、自然についたキズですら愛着のもととなる。それでいて抗菌などの漆器としての性能も十分発揮するので、見た目と機能の面では他に並ぶものがないほど優れていると言えよう。
■これぞ機能美! 優れたデザインで使い手を鼓舞する

NODATE yokokiはそのプレーンなカタチも魅力だ。やや上にすぼまった形状で、茶椀や湯呑みと同じような持ち心地。底は高台が付かず、やや丸みを帯びている。これは、アウトドアでは平らな置き場所があるとは限らないため、あえて丸くすることで着地性を高める工夫だ。テーブルに置いても揺れすぎることはないので安全。口縁は薄く仕上げており、飲み心地もグッドだ。ヘラジカ革のストラップが付属し、バックパックに吊り下げられるのもアウトドア的。
■実は漆器はめちゃくちゃすごい素材。アウトドアで使わなきゃもったいない!

そして漆器の特性も見逃せない。最も特徴的なのが、木の器なので熱い飲み物を入れても外側には熱さが伝わらないこと。金属のカップだと熱くて手で持てず、口を付けた時も縁の熱でアチチと火傷してしまうが、NODATEなら全然問題なし。また氷点下でも漆は凍結せず、肌や唇にくっつく危険がない点も金属より優れている。

NODATEとしては熱い液体の推奨は70〜80度だが、実際は100度以上の熱湯でも大丈夫(器が冷えている場合は温度差で木が割れることもあるので注意)。大腸菌、ブドウ球菌、サルモネラ菌などへの抗菌性も高いといわれ、塩酸や硫酸などにも強いのだそう。そして木だからとても軽く、NODATE tanagocoro yokokiでたったの約35gとチタンに並ぶレベル。陶器のように落として割れることもない。

NODATEシリーズがアウトドアに非常に向いている理由。もちろん古来より漆器はこの機能を持っていたわけだが、ここにアウトドアとの融和性を見出した人こそ、NODATEの生みの親、福島県会津若松市にある「関美工堂」代表の関昌邦さんである。なぜNODATEが誕生したのか?そこには、会津塗が抱えるある問題への意識があった。
■そもそもNODATE mugとは? 伝統的な会津塗、日常への復権

約400年前から盛んに作られ始め、江戸期には会津藩の産業として大きく発展を遂げた会津塗。その美しさは現代でも名高く、山中や越前などとともに漆器の名産地として知られている。しかし昭和の時代、安価に大量生産できるプラスチック製の器が広まるにつれて生産量が落ち、関わる職人も減っていった。また漆器は「高価で特別な日に使うもの」という意識から、日常からどんどん離れたものになってもいた。

会津塗の産地、会津若松市に拠点を置く関美工堂は、トロフィーやメダルなどの表彰記念品の企画・製造・販売を行う企業。創業は1946年。記念品でおなじみの「楯」は、創業者である関さんの祖父・勇記氏が世界で初めて考案、商品化したものだという。楯には漆が塗られ、会津塗の職人と協業することも多かった。が、こちらもガラスやアクリルに押されニーズが減る。そんな中、通信衛星や宇宙関連の仕事をしていた関さんが2003年に家業に戻るかたちで入社。2007年に代表に就任した。

漆器組合青年部に入り、産業振興のためのさまざまな施策を打ち出していたが、たまたま参加した野外音楽フェスで周囲の道具をふと目にすると、ほぼ化学繊維や樹脂などの素材がメインだった。おりしも第二次と呼ばれるアウトドアブームが起こっていた渦中。天然素材の漆器は、アウトドアシーンに存在価値が見出せるのでは? 関さんはそう考えた。また先に挙げた漆器の特性もあり「漆器は屋外用途に向いている」と確信する。

2010年、NODATE mugをリリース。会津若松で縁の深い茶道において外での茶会を意味する「野点」からとったネーミングや、これまで存在しなかったアウトドアと漆器という意外な組み合わせ、そして何より優れたデザイン性とコンセプトが評価され、大ヒットアイテムに。「漆器だと気づかずに購入してくれた方もいたそうです。漆器だからじゃなくて、デザインや機能で好きになってくれた。それが『漆の民主化』みたいに思えて、うれしかったですね」。高価で特別なだけではない、日常に寄り添う漆器の姿がNODATEとして蘇った——。
■会津伝統の木地「横木取り」でもうひとつのNODATEが完成!i

以後、大小のサイズ展開や、グラフィカルな蒔絵などNODATE mugの現代性と漆器らしさを両立したモデルを発表してきたが、2022年、木地そのものを変更したモデルを生み出す。それが今回の「NODATE yokoki」シリーズである。丸太の状態から木をどのように使うのかに違いがあり、従来のNODATE mugは「縦木取り」で、輪切りにした丸太から垂直方向に取る。


それに対して今回の「横木取り」は、丸太を縦に切った板から取る会津塗の伝統手法。割れや欠けに強く、生産量を増やせるから、庶民の器として発展してきた会津塗はこちらが主流だった。特に椀は横木取りが多い。だが、木は製品になっても膨張と収縮を繰り返す素材であり、横木取りは縦木取りと比較して、割れや欠けに強いが、歪みやすいのがデメリットとされている。関さんは横木取りでも歪まないように作ることを前提としつつも、歪みもまた味わいのひとつだと唱える。「歪みは人の作ったものの気配を感じ取れたり、製品になっても生きている木との対話や、経年変化の味を楽しめる」と関さん。これもまた一点ものの美点である。
■会津の職人たちがリレーする。伝統工芸の技術でホンモノの会津塗に

会津塗は、本体の器を作る木地師、そこに漆を塗る塗師、蒔絵などで装飾を施す蒔絵師の分業体制で作られている。横木取りと縦木取りでは使う道具が違い、それぞれに専門性があり、木地師も異なるのが普通だという。横木取りは明治時代に開発された会津伝統の「鈴木式轆轤(すり型轆轤)」を使用し、桂の木にカンナを当てて削って成形していく。それも歪みを抑えるための含水率を考慮し、挽いては休ませを繰り返して少しずつ進める。

漆塗りはさまざまな方法があるが、NODATEは「拭き漆」という手塗りの手法で行う。木目のはっきりと見える塗り方で、木そのものの味わいと、漆の美しさと機能をそれぞれ際立たせるためだ。塗って、磨いて、乾かしてを4回繰り返し、長期使用に耐えられる漆器となる。
■大きさが異なる3タイプ×3カラー。藤巻別注の「インディゴ」に注目!


今回登場するNODATE yokokiは3タイプ。「tanagocoro」は掌(たなごころ)=手のひらのことで、手に収まるほどの小さなカップ。容量は約105ml。「mug」はマグカップ相当の約240mlで最もスタンダードな使い方ができる。「one」はお椀の意味で、飲みものをはじめスープや味噌汁にも使える。容量は約500mlだ。それぞれ約52g、約115g、約150gと軽量だ。



関さんによれば、「tanagocoro」は日本酒のぐい呑みやエスプレッソ用のデミタスカップ、子ども用の器に。「mug」はマグカップのようにお茶やコーヒーを飲んだり、ワインを注いだりと万能に使える。大は小を兼ねる意味ではオールマイティな「one」。日本酒は盃のような感覚で飲めて、スープや豚汁、ご飯などの食事ものもOK。お茶も点てられる。カフェオレボウルにもいい。スタッキングして収納&持ち運びができ、サイズ違いで揃えるのもおすすめ!

カラーは、無色の漆を使用し、茶色味を帯びる「透き漆」、ベンガラ由来の赤い漆を使った「紅緋」と、藤巻百貨店別注カラーの「インディゴ」。使うごとに漆の透明感が増し、色が鮮やかに変わっていく経年変化が楽しみだ。インディゴはここでしか手に入らないカラーなので要チェック!

■いつでもそばに、マイNODATEを。人生に寄り添う相棒をいざ!


漆器だからといって日々の特別なメンテナンスは不要で、使ったら手洗い&自然乾燥でOK。普通の食器と同じ扱いで済むのは気が楽だ。より長持ちさせたいなら手洗い直後に水分を拭き取るといい。アウトドアでは、付属のヘラジカ革ストラップを木などに引っかければ口が下を向くように設計しているので水切れに便利。長いストラップを用意して首や肩からかけたりするのもアリだ。

アウトドアカップにステンレスやプラスチックでは味気ない。木、そして漆器の風合いを愛でつつ、長く付き合うほどに自分だけの逸品に仕上がっていく。アウトドアアイテム好きなら、そんなマイ道具を持ちたい気持ちがよくわかるのでは?また軽くて清潔なこの器を自宅でも職場でもシームレスに使える点もうれしい。アクティビティに限らず、花見やバーベキューなど身近な外飲みタイミングでも活躍しそう。このギアでぜひ新たなドリンク体験を。
カラーバリエーション
NODATEone yokoki
NODATE mug yokoki
NODATE tanagocoro yokoki
ディテール
使用イメージ
-
mug インディゴ
tanagocoro 透き漆 -
mug 透き漆
mug 紅緋 -
tanagocoro 透き漆
tanagocoro 紅緋
tanagocoro インディゴ -
one 透き漆
-
mug インディゴ
-
tanagocoro 透き漆
-
one 透き漆
アイテム詳細
素材: 桂・本漆(本体)、鹿皮(紐)
重量/容量:
Tanagocoro 約35g
Mug 約75g
One 約100g/400cc程度
製造国:日本
※手作業での成型のため個体差があります。
※直火や電子レンジ、オーブン、食器洗浄機でのご使用はできません。
※一般に市販されているスポンジのやわらかい方の面に、食器用中性洗剤を付けて洗っていただき、柔らかな乾いた布などでよく水気を拭き、十分乾燥させてください。
※タワシやクレンザーによる洗浄は、表面にキズがつき塗膜皮膜の劣化となりますので避けてください。
※日光にさらし続けたり、温度・湿度が高い状態で長時間放置すると変色、変形、カビ発生等の原因となりますのでご注意ください。
※長時間湯水に浸しておくと、劣化の原因となります。
アイテムサイズ
サイズ(高さ×直径) | 容量 | 重量 | |
---|---|---|---|
tanagocoro | 54mm x 63mm | 105cc程度 | 35g程度 |
mug | 75mm x 85mm | 240cc程度 | 75g程度 |
one | 78mm x 110mm | 400cc程度 | 100g程度 |