伝統文様を宇宙に放つ。「星群」と「惑星」…銀河の彼方へと、眩いばかりの輝きが広がるグラス
逸品のモノ語り
- ①江戸切子に宇宙空間を閉じ込める
- ②伝統文様で魅せる星群に、宇宙を駆ける深いカット。
- ③江戸切子に自分の目指す姿を込めたかった
- ④王道ウィスキーを合わせたい
■鮮やかで高貴な新色「瑠璃」が登場
「瑠璃」とは深く鮮やかな青が目を惹く、「ラピスラズリ」とも呼ばれる宝石のこと。ハッとするほどの青に金色の粒がちりばめられた美しい石玉だ。その宝石を思わせる、青く高貴に輝く新色が仲間入りする。夜空に瞬く星々のようなきらめきに、思わず引き込まれそうな一客である。
①江戸切子に宇宙空間を閉じ込める
若手作家・山崎祥氏の最新作「スターダスト」は、宇宙空間に広がる星群を描いた。大胆に切子を覆う宇宙の世界観は、眩いほどの輝きを放つ作品に仕上がっている。
②伝統文様で魅せる星群に、宇宙を駆ける深いカット。
最大の特徴は、2種類の伝統文様を用いて表現した「星群」と「惑星」。無限に広がる「星群」は、飲み口にまで広がる菊繋ぎで描く。細かく何度も切り込みを入れ、グラス一面を照らしている。
菊繋ぎの周りには流れる様に深いカットが走り、星達が宇宙を駆け巡っているかのような躍動感を演出。しかし一方で、銀河と銀河がぶつかり、無数の星が誕生している姿にも見える。
惑星のゴツゴツした表面を描いているのは「八角籠目」。上部に刻まれた線が、宇宙空間を飛び回る惑星の疾走感を演出している。
山崎 祥氏の作品の魅力とは?
深いカットで作られる江戸切子は、一本一本に強い意思が感じられる。その時の「想い」や「経験」をストレートに江戸切子に託す作風は、まっすぐな輝きを放つ江戸切子を生み出している。
③江戸切子に自分の目指す姿を込めたかった
大場硝子加工所にて、日々技術の伝承に努めている若手作家、山崎祥氏。2019年には全国伝統的工芸品公募展で入選を果たした。 本作は、「輝く星のように私もいつの日か職人として光り輝けるよう想いを込めた」と話す。数ある作品の中で、際立って強い光を放つ本作は、真っ直ぐな想いが生んだ逸品である。
④王道ウィスキーを合わせたい
王道のオールドグラスだからこそ、何にでも合わせやすく使いやすいところがポイント。ただ宇宙空間を照らすなら、琥珀色のウィスキーはもちろん、ビールもお薦めしたい。贅沢な夜の瞬間に使いたい商品である。
山崎 祥 プロフィール
大場硝子加工所所属の切子職人
2017年 大場硝子加工所入社
2019年 全国伝統的工芸品公募展 入選
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