鹿児島の人々の心にいつも寄り添う桜島
その力強さや美しさを映した薩摩黒切子の「盃」
■鹿児島の象徴、「桜島」の躍動感を表現
100年余りの時を経て今もなお活発な火山活動を続けている桜島。「薩摩びーどろ工芸」が作り出す「桜島 盃」は、鹿児島県民にとっては家族のような存在でもある桜島をモチーフにした盃だ。薩摩切子特有の厚いガラスの生地に、大胆かつ繊細に刻まれた美しいグラデーションの「ぼかし」。その模様は錦江湾の水面に反射した太陽光の輝きを表現をしているという。さらに盃を伏せると、桜島のシルエットになるのがなんとも愛らしい。「2014かごしまの新特産品コンクール」で鹿児島県特産品協会理事長賞も受賞したというのも納得の、桜島と鹿児島への愛が詰まった逸品だ。カラーは深い漆黒から穏やかな光が射す黒と、まろやかで温かみのあるブラウンの2色展開。黒の柔らかな濃淡からは力強さが、ブラウンからは大地の躍動感が伝わってくる。
■高い技術力と郷土愛が雄大な故郷の山を形作る
江戸時代にかの篤姫の養父であった島津家28代当主・島津斉彬が、海外交易品として開発させた「薩摩切子」。彫りの深さを変えて切子に優美なグラデーションを生む「ぼかし」や、独特の鮮やかさがある紅色ガラスなど、どこか侘び寂びを感じる意匠は、当時諸外国でも珍重された。一時その道は途絶えたものの、100年後の1985年。斉彬の夢を引き継ぎ、かつて世界に賞賛された「薩摩切子」を復元させようと第一級の職人たちが集結し、見事現代に復元。薩摩びーどろ工芸の代表・加藤征男氏は、復元当時の吹き師職人の一人だ。飾らない素地の美しさに深く緩やかに施した彫りで浮かぶ「ぼかし」のその美しさは、削りもちろん吹きの技術も備えた同社ならでは。江戸時代のそれと変わらぬ桜島の雄大な風景を思い起こさせてくれる逸品だ。
■手元になじむ厚みと刻み
「薩摩切子」の製造は、ガラスの生地を作る吹き師と、模様を入れていく切子師の分業制が一般的だが、同社では両者が二人三脚で製造を行う。竿先へと伝える息吹と手に伝わる感覚で生地を作る吹き師と、目に見える以外のものに神経を研ぎ澄ませて模様を施す切子師。お互いの卓越した手技と絶妙なあうんの呼吸があったから、厚く濃い黒被せガラスに模様を刻むという業界初の商品開発を可能にした。薩摩切子の素材はクリスタルガラス。そのため小さくても重みがあるので持ちやすく、手にしっくりと馴染む。注いだ酒もそれを飲む人もおおらかに受け止める安定感は、どこか薩摩の人々の心にも通じるよう。薩摩切子の復元を支えたという自負と故郷鹿児島を愛する気持ちから生まれた、飲む人の心を優しくほどいていく酒好きのための逸品だ。
カラーバリエーション
アイテム詳細
素材:クリスタルガラス、木箱
商品本体サイズ:縦4.3cm、直径7.5cm、
木箱サイズ:縦7.4cm、横9.5cm、奥行9.5cm
本体重量:95g
木箱+商品本体重量:161g
製造国:日本(鹿児島県)
※全て職人による手作業で作るため、重さや厚み、色の濃さが一つ一つ微妙に異なります。あらかじめご了承ください。
※まれにガラスの中に泡などの混入物がありますが、品質上の問題はございません。
<使用上のご注意>
※薩摩切子は耐熱ガラスではありません。熱湯を注ぐと割れますのでご注意ください。
※クリスタルガラスは柔らかいガラスです。ガラス同士を当てないでください。
※食器洗浄機、電子レンジ等は使用しないでください。
<お手入れについて>
※食器用洗剤を溶かしたぬるま湯に浸し、スポンジか布で丁寧に洗ってください。
※カット面は時々柔らかいブラシで洗ってください。