【本田星陶所】ブルーシルエット「静寂」 ぐい呑みと片口

「静寂」をテーマにした本田星陶所の代表作！
屈指の人気を誇るブルーシルエットの片口とぐい呑みが、日本酒を未体験ゾーンに誘う

■青い器で屈指の人気！ 本田星陶所のやちむん酒器

シグネイチャーであるブルーを用いたコーヒーカップやシーサーで、沖縄のやちむんの新たな姿を描いてきたのが、陶芸作家・本田伸明さんによる本田星陶所。

何よりもこの深い青が心を打つ。見る者を一瞬で虜にしてしまう不思議な魅力があり、多くのファンを生んできた。

今回の酒器は、そんな青のやちむんを作るルーツとなったアイテムだ。ぐい呑みと片口に宿る“静寂”の気配が、旨い日本酒とじっくりと向き合う時間を作り出してくれるだろう。

この酒器で、新しい飲み方の扉が開く！

■沖縄に、最高にカッコいい「青の器」を生み出すつくり手がいる

最高にカッコいい青の器で、コーヒーやお酒を楽しめたら……。それを実現しているのが、沖縄本島那覇市のノスタルジックなアーケード街「太平通り」の端に工房を構える「本田星陶所」。

陶芸作家・本田伸明さんが作るやちむんは、見る人を引き込む青が特徴的だ。

一般的には素朴な肌合いが持ち味なやちむんの中にあって、この青は非常に特殊。色と線から生まれる緊張感も独特で、姿勢を正したくなるほどに洗練されている。

これが、「これで最高の一杯が飲めたら」という願いを叶えてくれるのだ。

テーマは「静寂」。名付けて「ブルーシルエット」。これまでに扱ったカップやシーサーは、入荷待ちが絶えないほどの人気を誇っている！

■静謐で敬虔な空気を、やちむんでどうしても表現したかった

「ブルーシルエット」を生み出したのは、本田さんが29歳頃のこと。「最初にイメージしたのは、空間に緊張感を生む『花生け』。置くだけで静けさが漂い、お寺や教会の中に入った時の背筋が伸びるような空間ができる。そんな器を作ろうと思いました」。

また同時期に実感していたのが、学んでいた先生たちとの酒席の静謐な雰囲気。仲間とワイワイやるのとはまた違った充実感があり、この場に合う酒器を作りたいと考えた。

しかし、凜とした静寂を器でどうやって表現するか。

「考えてみると、自分の体験では静けさの中に青い瞬間があったことに思い至って。沖縄の海はエメラルドグリーンのイメージが強いですけど、海の底はまた別世界。素潜りしていると青色がどんどん濃くなっていって、シーンとしていくあの感じ。あるいは、夜にバイクで走っていて、明け方近くの闇が青く色づいていく様子。体感的に青色に出会った気がして、それらを念頭にこういう色合いの青にしたのです」。

■セットで使うと個性が活きる！ 本田印の片口＆ぐい呑み

そうして完成した最初期の酒器をブラッシュアップし続け、人気モデルとなっているのが、このぐい呑みと片口だ。

ぐい呑みは、手に、指に、しっくりとなじんで持ちやすい。片口も非常に安定感がある持ち心地で、注いだ際のキレがとてもいい。

片口のキレが良いことで、注ぎ終わりが残りにくく、お酒が垂れることもないので、晩酌の余韻を邪魔しないのだ。

このキレの良さを備えた片口は、そう多く出会えるものではない。

数ミリの差でキレや使い心地が左右されるため、積み重ねた経験値によってその出来が左右される。

こんなエピソードがある。
江戸切子の伝統工芸士がこの片口のキレの良さを実際に体験し、その完成度に思わず「素晴らしい」と声を漏らしたという。

外はコバルト系の釉薬の青。内側は金属的な質感を得るラスター釉の一種を用い、ブロンズ色に輝いている。このブルーとブロンズの色の調和がうっとりと眺めたくなるほど美しい。

「静寂の青と、しっとりとゴージャスなブロンズの対比もまた緊張感を生む理由です」と本田さん。

ろくろで成形したのち、約800度の素焼きの後、1230〜1250度の本焼き一発でこの色を出す。ここにたどり着くまでにどれほどの時間を重ねたのだろうと、研鑽に思いを馳せる。

■晩酌に青い静寂が訪れる。唯一無二の酒体験

晩酌に青の火が灯り、夜をいっそう静かなものにしていく。そんな風に場の空気を一変させるのがこの二つの酒器だ。テーブルにピンとした雰囲気を作り出しつつも、そこは居心地がよく、清々しい気分で日本酒と向き合える。

ひと口飲むと、これまで感じたことがなかった酒の味が広がった。変わったのは自分でもお酒でもなく、酒器と空気感。それは酒の味を変えるのに十分な力を持つ。

ボリュームのある曲線の美しさを強調したデザインが呼応しており、一対の酒器として揃えて使うと美しい。酒器としても、体験としても、格別のブルーシルエットをぜひ日常に迎え入れていただきたい。もちろんプレゼントに選んでも最高だ。