ブライドルレザーの常識を変える時が来た。
「新たな革人生」を切り拓くなら、このトートと
■革のプロが惚れる革。WILDSWANSの“名盤”が生まれ変わった!
“イングリッシュブライドルレザー”。「我こそは真の革好き」と豪語する人でも、その名を知る人はあまり多くはないだろう。まさに知る人ぞ知るといったこの革は、創業150余年を誇る北米最古のタンナー・ウィケット&クレイグ社によるもの。実は、数あるブライドルレザーの中でも「唯一無二」と言われる存在なのだ。昔ながらのピット鞣しで作られたフルグレインの革は、肉厚でしなやか。国内ではほぼ流通していないこの革に惚れ込んだのが、世の好事家から一目置かれる「WILDSWANS(ワイルドスワンズ)」である。タンナーと直接やりとりすることで、入手困難な革をブランドの定番素材として使用することに成功。かくして誕生したのが、10年以上のロングヒットを誇るトート「DRUCKER」のイングリッシュブライドルモデルだ。当店でも根強い人気の“名盤”が希少レザーを纏って生まれ変わるとなれば、これは見逃す手はない。これまであらゆる銘革を育ててきた猛者たちよ、次に出会うべきはこの革だ!
■とにかく丈夫であること。根底にあるのは職人としての矜持
かつて表参道の某トップメゾン最上階にあった会員制高級サロンをご存知だろうか。そこで唯一扱われていた日本のレザーブランドとして知られるのがWILDSWANSである。ブランドの創業者である鴻野三兄弟が革製品の製作を始めたのは1994年のこと。OEMを請け負いながら独学で技術を身につけ、4年後にブランドを起ち上げた。素材もデザインも、全ては“丈夫であること”が第一条件。新作となれば試作と改良を何度も繰り返し、時には数年の歳月をかけて強度を徹底的に吟味する。革小物の縫製は、昔ながらの足踏みミシンを使って一つ一つ行うのがこだわりだ。コバの磨きひとつとっても、ここまで念入りに仕上げるブランドは他ではなかなか見かけない。「エイジングを愉しむのが革製品の醍醐味。長く使い続けられなくては意味がない」と語るのは社長の鴻野弘好氏。そんな鴻野氏が「サドルプルアップやシェルコードバンに続き、これは凄い!と久々に惚れ込んだ革」と明言するのが、今回のイングリッシュブライドルなのである。
■これまでの常識は棄てよ。未踏のエイジング世界へようこそ
ブライドルレザーと言えばイギリスが本場だが、イングリッシュブライドルが作られているのはアメリカ・ペンシルバニア州。1867年創業のウィケット&クレイグ社は、伝統的なピット鞣しを行う世界でも数少ないタンナーのひとつだ。お気づきだろうか。この革、ブライドルではお馴染みのブルーム(白い粉)が全くナイのである。その理由は、ロウを染み込ませた後に熱を加え、革の内部にしっかりと閉じ込めているから。そのぶん耐久性が増すといい、この独特の表情を楽しめるのは世界でもこの革だけだ。また、一般的なブライドルはロウを浸透させる際に銀面を削るが、同社では銀面を削らない独自の手法を確立。そのため肉厚で耐久性の高い革に仕上がるのである。さらに、従来に比べソフトで滑らかな手触りであることにも触れておきたい。使い込めば込むほど“コシが育ってくる”のが特徴で、このコシこそ「いい革である証」と鴻野氏は語る。マットな風合いからなまめかしいツヤを纏った姿へ……ここまで大胆なエイジングを味わえるブライドルは、この革をおいて他にあまりない。
■石が丸くなってゆくように。堅牢性を追求した一生ものフォルム
シンプルながらも丸みのあるフォルムが印象的なDRUCKER。「上流の石が下流に行くほど角が削られて丸くなるように、世の中で最も破損しにくい形は球体と言われています。末長くお使いいただくため、劣化を未然に防ぐデザインを製品に組み込んでいます」(WILDSWANS山田豊氏)。特に同社の革小物は肉厚なフォルムと丸みのあるコバが特徴的。ファンの間では「WILDSWANS=丸みフォルム」というイメージが強く根付いており、「本作でもそのイメージを踏襲し、全体的なフォルムや革パーツなどに曲線美を取り入れました」と山田氏。糸が深く革に食い込むよう、職人がゆっくり丁寧に縫製したバッグは、糸切れやほつれが起こりにくいのも特徴。ハンドルの付け根パーツは革を4枚重ねて縫い上げており、これは限られた職人のみができる技だ。「肉盛り」という技法によって立体感を出したサイドのベルトも艶っぽい。WILDSWANSの製品がここまで頑丈なのは、革の上質さに加え、細部にまで職人技が生かされているからなのだ。
■まさにコーデの舵取り役。「結局サマになってしまう」スゴさ
変わったのは革だけではない。リニューアルに際し、前作では1室のみだった内ポケットを、ファンの声に応えてさらに2室追加。ざっくりとしたトートの良さはそのままに、使い心地も向上した。口元のホックはミルスペック仕様で粘りが強く外れにくいものを使用。内装も厚手で丈夫なオリジナル生地を使っている。重厚な作りながらかっちりすぎないデザインは、ジャケパンはもちろん、スーツやカジュアルスタイルにも◎。その日のテイストに応じて、カジュアルアップもドレスダウンもさらりと叶えてくれる。上質な革と仕立てゆえ、始めはやや“かしこまって”使ってしまいそうだが「使えば使うほど味が出るので、できればガンガン使い回してほしい」と山田氏。カラーは全3色。特にネイビーはウィケット&クレイグ社に特注したWILDSWANSだけの別注カラーだ。エイジングを見越しやや明るめに仕立てている。堅牢な革×丈夫な作りのトートは10年後、20年後にその真価を発揮する。貴方らしく育った姿を、ぜひその目で見届けてほしい。
ピット鞣しとは
濃度の違うタンニンが入ったピットという槽に順番に漬け込みながら鞣す伝統的な製法。皮の深層部までタンニンをじっくりと含ませるため、ストレスをかけずに耐久性の高い革を作ることができる。
非常に手間と時間がかかるため、ピット槽を保有するタンナーは世界的にもごくわずか。革の本場イタリアでも1、2社ほどしか残っていないという。
フルグレインレザーとは
皮革の表面(銀面)をそのまま残した天然皮革のこと。本革の中でも一番贅沢な革で、耐久性と通気性に優れているのが特徴だ。
カラーバリエーション
ディテール
使用イメージ
アイテム詳細
素材:牛革(イングリッシュブライドル)
サイズ:H 32(ハンドル含む場合はH 54)x W 50 x D 15.5cm
重量:約1150g
製造国:日本
※自然の風合いを生かしたタンニン鞣しの革ですのでトラや血筋、小キズ(押しキズや擦れギズ)は避けられません。ご了承ください。