「日本のデザイン×手仕事」にこだわるブランドが開発
時代を見据えて開発した“床座のための椅子”
逸品のモノ語り
- ① 「知っていましたか?」腰椎の正しい形
- ② “123名”の声を開発に反映!最適な【高さ・固さ・大きさ】を形に
- ③革そのものの良さを残す、KAKURA独自のレザー加工!
- ④【特許取得!】強度を高める独自の縫製”あみだ模様”
- ⑤インテリアに馴染む高いデザイン性
「在宅で仕事するようになって腰痛が気になる」「でもおしゃれな座椅子ってなかなかない……」そんなお悩みを持っている人は多いのではないだろうか?身体にいい姿勢を保ちつつ、部屋にオシャレになじんでくれる画期的な座椅子が、この「床座-椅子」だ。
特許取得のレザークッションを手がける、プロダクトブランドKAKURAが、空白ゾーンを探り当てる、独自の開発スタイルで“床座-椅子(ゆかざいす)”(以下 床座-椅子)に取り組んだ。“切実なニーズ”だから徹底的にこだわるものづくりの姿勢が、高いインテリア性を保ちつつこれまでになかった構造にたどり着いた。
■「7つのポイント」で生まれた床座専用椅子
①“インテリア性×日常の健康”を熟考した「床座-椅子」を開発!
座布団でもなく、座椅子でもない。これまでなかった“インテリア性もしっかり考えた床座の姿勢を助けるツール”が「床座-椅子」だ。
②「腰椎が後弯していませんか?」正しい形は前弯
意外と知られていない「腰椎の働き」。構造医学の視点で治療を行う専門家が商品開発の構造アドバイザーになっている。
③体型・体格の違い、足腰の柔らかさの違いのある約60名で検証!最適なサイズを突き詰めた
(左/床座-椅子 右/ちょこっと床座-椅子)
中材の厚さ、革カバーサイズ、座面サイズ、高さなど、何度も検証し調整を重ねている。
④「安定した固さと密度」の国産ウレタンチップクッション材を使用
ごみや埃がほぼ入らない、国内工場で集められたスポンジ端材を、国内で圧縮断裁した材料。床座に最適な固さ・厚さのものを選択している。
⑤123名に独自のニーズ調査!「テレワークによる腰痛」が半数超え!
今回は、商品開発にあたって、そもそも腰痛を持っている人、悩んでいる人はどれぐらいいるのかという調査を実施した。
●調査対象・属性
その結果、腰痛がある人の割合の高さが想定を大きく越えた。(2022年実施 自社調べ)
● 腰痛に悩まされる人は驚きの半数以上に
驚くことに半数もの人が「腰痛がある」と回答。また発症時期は20代~30代と、長期間腰痛に悩まされている人が多いことがわかる。
腰痛に悩まされる原因として最も多かったのが“長時間のデスクワーク”。最近の傾向として、リモートでの悪姿勢のデスクワークから引き起こされることも推測される。
●生活スタイルの変化で床座でのテレワーク民が増加!そんな床座生活で感じていること
近年コロナの影響で、ライフスタイルそのものを見直す動きがある。全体の25%にのぼる人が椅子中心の生活から「ロースタイル」な生活にすでに切り替えていたり、または移行を希望していたりしているという状況を踏まえ、商品開発に踏み切った。
床座での生活は部屋を広々と使え、自由に体勢が変えられるところが利点ではある。しかし、約82%もの人が足腰にかかる負担について“辛い”と回答。床座への移行を希望している中でも、まさに開発者が感じていた結果がはっきりとあらわれた。
その他の意見
- ・姿勢が悪くなる
- ・どの座位もキツイ
- ・足やお尻がしびれる
- ・肩が凝る
- ・お腹がキツイ
- ・からだが歪みそう
- ・座椅子からずり落ちる
- ・立ち上がる時が辛い
- ・尾骶骨が痛くなる
- ・床に当たる部位の変色が気になる
●床座生活での補助グッズは欲しいけれど…
すでに17%の人が何らかの補助グッズを使用していることがわかった。しかし多くの方は、自分に合うものが見つからない、何が良いのかわからない、また自宅のインテリアに合わないという意見もあった。 どんなものが合うのか分からない”という声も多く、半数の人は生活スタイルにあった補助グッズが欲しいと回答している。
⑥天然の優しさがインテリアを引き締める、KAKURA指定のアンティークカラー
薬品臭はほとんどせず、使いこむほどに艶やかに育っていく。
⑦【特許取得!】独自の縫製“あみだ模様”・特殊な通気孔
様々な製品を取る隙間の革から、長方形の革を手作業で切り出し縫い繋いでいく。この構造が一枚革で仕上げるよりも面としての強度を高めていく。そしてふたつとない表情の一点ものが完成する。
また、空気を通す通気孔を対角2箇所に設けている。必要な量の空気を吸い込み吐き出す。呼吸させることで独特のフィット感を実現している。
※「ちょこっと床座-椅子」にはありません。
■専門家のお墨付き!
2-1 構造アドバイザー 橋本整骨院 橋本静児院長
「慢性の腰痛の方に共通の形=腰椎が後弯(後方に凸)をご存知でしょうか。本来腰椎は、横から見ると前弯(前方に凸)が正常です。」
「仕掛けは中材の形状にあります。まず『床座-椅子』にあぐらで座り、少しだけ腰椎の前弯を意識します。骨盤が立ち、腰椎前弯へとスムーズに移行することが実感できるはずです。」
「腰椎の後弯で腰椎や椎間板に不自然な力が加わり、圧迫骨折や椎間板ヘルニアなど、脊柱機構を破壊する危険性が高くなります。そのため“いかに腰椎の前弯を保つか”が重要になってきます。」
(両方とも/床座-椅子)
【構造アドバイザー 橋本整骨院 橋本静児院長 プロフィール】
構造医学と出会い、医療の本質を学ぶ。整体潤滑や生理冷却の概念を基に日々の臨床に臨み医療に頼らず日々の生活でできる予防の指導も行なっている。
2-2 ヨガインストラクター 中村真紀子先生のお話
「腰への負担をかけない座り方は正座ですが、長時間座ると足への負担で痺れてきます。逆にあぐらは足は楽でも腰への負担が大きい座り方。個人差はありますが、お尻を少し高くすると骨盤が立ちやすく良い姿勢が保てます。」
「姿勢を整えると実年齢より若く見られたり、肩こりや膝痛の改善にもつながります。足腰への負担を減らし姿勢を保つことで、基礎代謝や心肺機能も高まり、消費カロリーが増え、腸内環境が改善するなど沢山のメリットがあります。」
【ヨガインストラクター 中村真紀子先生 プロフィール】
ジャズダンス、健康体操、ピラティス、エアロビクスなどの指導を経て、現在は姿勢を整え、身体と心のバランスを重視したヨガを実践。20代から80代と幅広い世代の指導にあたっている。
■開発にあたってのこだわり
株式会社KAKURAの代表・デザイナーの石原ゆかり氏は、今回の商品について下記のように語る。
「ものづくりに選ぶアイテムは『ありそうでなかなか見つからないもの』『切実な声のあるもの』『デザイン性も兼ね備えているもの』です。今回の『床座-椅子』は多くの人と自分の“困っている”を救うアイテムとして、徹底的にこだわり開発いたしました。人と環境に優しい、使うと心もほっと温かくなるものとして、ぜひ興味を持っていただけましたら幸いです。」
また、「KAKURA」ブランドについてこう話す。
「1998年に、日本の暮らしに合う文具を作ろうと、デザイナー一人で紙と陶器を素材にブランドを作りました。その後、海外からの安い革製品で困っていた、大阪の皮革製造のある会社から革も素材に加えてほしいと相談を受けます。KAKURAの製品に合う色に染めるという条件でした。現在革小物は独自の手縫いで、床座-椅子やクッション、一部のバッグはミシンスタッフが仕上げています。いずれも過剰な装飾はせず、機能そのものがデザインとなるものづくりです。革製品そのものの既成概念にも縛られず、ニーズに対してどう形にするか、をいつも考えるのです。」
革を繋ぐことの意味は、
1)革を繋いだ部分が骨組みとなり、一枚革よりも長く張りを保たせることができる
2)違った表情の革それぞれの経年美化が愉しめる
3)手帳などの大きな製品と違い、小さめの面積の革を有効利用できる
4)個性はありながら、インテリアの和・洋は問わないデザイン
の4点にある。
さらに、同ブランドの特徴はとにかく試す!試作と検証を何度も繰り返す商品開発にある。
「もともと1日の中で日本人の座っている時間は平均7時間※と言われています。PCやスマホが一気に普及し、『座る姿勢』そのものが悪化する中、ただ座るためというだけでは、作る意味がありません。そこで中材はどうするか、さまざまな素材をまずは取り寄せ試してみます。工房スタッフ5名と内職スタッフ6名、工房のお客様、リモートを行っている人、書の先生など、床座で仕事をする方々にも使っていただきました。どんな商品開発にも時間をかけます。今回は体に直接関わる製品だけにさらにかなりの時間をかけて開発しました。」
※参考:https://www.businessinsider.jp/post-106010
■「床座-椅子」のこだわり機能・特徴
●正しい背骨の姿勢
実は、腰椎・仙骨・尾骨はとても重要。背中が曲がり、尾骨が前を向いて床に当たっていると、「仙骨」が動くことで脳の脊髄液を循環させるポンプの役割を止めてしまう。そして、それが様々な不調を引き起こす一因と考えられている。
腰椎が後弯した状態で固定されてしまっているのが、いわゆる腰が曲がった状態。こうなると腰椎の周りの筋肉や靭帯などが伸びてしまったままになり、少しのきっかけで痛めてしまう。
●意識するかしないか、それが大きな差に
自分の背骨の具体的な形をイメージすると、無意識の悪姿勢に気づくようになる。そのためには、座位で日常的に使うものこそ重要だ。
●こだわりの素材できちんと作る
中材は高密度ウレタンチップクッション。海外製のものはビニール片や異物の混入などが多く、砂やチリなども混入している。さまざまな素材を試し、安心して使える素材に辿りついた。
<国産ウレタンチップクッション材の特性>
・圧縮してあるので普通のウレタンに比べ、ヘタリに強い!
・断熱性、電気絶縁性が大きく耐水性もあるすぐれた性質
・クッション材として繰り返し使用しても永久歪が小さい
株式会社KAKURAによると「以前工房に併設していた弊社のカフェの座布団に10年間使い続け、19年目の現在も工房の椅子で使っていますが、ほぼヘタりはなくその役割を果たし続けてくれています。それがこの素材を採用した理由です。」とのこと。
●上質なナチュラル仕上げの牛革
革本来の表情を生かした張りのある、ナチュラル仕上げのエコレザーを使用。 兵庫県たつの市で鞣し、KAKURAの指定色を職人の手技で染め上げている。
●インテリア性も重視したデザイン
(左/床座-椅子 右/ちょこっと床座-椅子)
椅子と床との両方での暮らしが多い日本。ライフスタイルの変化にも対応できるよう、装飾はせず、年齢・性別・色の好みなどに左右されないデザインを目指した。木のような気配のアンティークブラウンは、畳、フローリング、カーペットと床材を選ばず使える。これはKAKURAのデザインの基本。「“いつまでも永く使えるもの”がブランドコンセプトだからです。そして使い込むほどに味わいが増し、愛着が生まれ、大切に扱いたくなる、そんなものづくりを行っています。」
●レザーだと滑りやすそう?
こだわりの縫製で滑りづらい仕様に
※ ちょこっと床座-椅子には付いていません。
●KAKURAの環境への取り組みと効果
今回開発した「床座-椅子」も、KAKURAのものづくりの基本である、環境への配慮をしっかり行っている。
・エコ基準をクリアした革を使用→薬品臭ほとんどなし
・革を生かすプロジェクトとして革を繋ぐ取り組み→強度UP
・純国産のリサイクル素材ウレタンチップクッション材を使用→座り心地UP
・使い捨てではない愛着が湧き長く使えること→心の豊かさUP
・梱包材にエアクッションは使わず、環境に配慮した紙を採用→プラスチックごみ削減
●利用シーン
リモートワークで(写真:床座-椅子)
床座生活に(写真:床座-椅子)
小さいサイズは、ソファなどのパソコンワークに(写真:ちょこっと床座-椅子)
沈みすぎる椅子の背もたれに、また椅子での姿勢を整えたい時に(写真:ちょこっと床座-椅子)
横座りや正座の補助座布団として(写真:ちょこっと床座-椅子)
●座り方
目印の革を前にし、あぐらをかき、少し腰を反るように骨盤を意識して座る。
胡座だと足へ負担がなく、かつ床座-椅子が腰の負担を軽減させ、楽でいてきれいな姿勢で床座生活を実現できる。
※ちょこっと床座-椅子は厚さが薄めのため、中材は傾きません。
※ちょこっと床座-椅子には目印が付いていません。
(写真/床座–椅子)
■床座-椅子の製造スタッフ 清水美和氏より
「長年KAKURAの製品の製造に携わり、上質な革を生かすことの大切さをいつも感じています。革を繋ぐ構造の『床座-椅子』はまさにその思いを形にしたもの。大きな面積の製品が取れない革を一点一点見定め、長方形にカットする時、それぞれの色や風合の違いに命を感じます。だから完成した時の喜びもひとしおなのです。」
そうして誕生した座り心地、ぜひお試しいただきたい。
カラーバリエーション
ディテール
アイテム詳細
本体素材:牛革(エコレザー)
中材:国産ウレタンチップクッション
サイズ:
「床座-椅子」H470mm×W360mm×H(厚み)95mm
「ちょこっと床座-椅子」H370mm×W280mm×H(厚み)70mm
重量:
「床座-椅子」1.3kg
「ちょこっと床座-椅子」0.53kg
製造国:日本
※「ちょこっと床座-椅子」は厚さが薄めのため中材は傾きません。
※濡れた場合は乾いた柔らかい布で素早く拭き取り、陰干ししてください。
※表面に擦り傷などがついた場合は、革用のワックスなどでお手入れしてください。