上昇する縁起モチーフ。赤い情熱を秘めた鯉
①今年の動物モチーフは、なんと「鯉の滝のぼり」
中国の故事に由来し、出世や吉祥の象徴として知られる「鯉の滝のぼり」。このめでたいモチーフで江戸切子を作ったのが清水秀高氏だ。よく見ると鯉の身体や滝の表現に細かな工夫がなされており、清水氏の創造性が発揮されている。
②線だけで鯉と水を表現した技術に脱帽
まず目を引くのは鯉のカット。まるで彫刻刀で彫り出すように自在にカッターを操り、泳ぐ鯉の姿を見事にとらえている。反対側のカットを写り込ませることで鱗の模様を表現しているのも技アリだ。
滝は菊繋ぎと八角籠目のカーブで流れる様を表現。何も削っていないように見える赤い部分にも実はうっすらと波紋を彫り込み、水の様子を映している。
鯉をイメージして、カラーは金アンバー地に金赤を被せている。色が溜まる底の部分は濃く発色する。カットによって赤みが強かったり、オレンジ~金色に見えたりするのがユニークだ。
清水秀高氏の作品の魅力とは?
清水氏は2010年に伝統工芸士に認定。2020年の江戸切子新作展で江東区議会議長賞を、2021年同テーブルウェア部門2位、2022年同WEB投票部門賞を受賞するなど、確かな技とそれを伝えるモチーフを選ぶ感性で、玄人からも一般ユーザーからも支持されている職人だ。
③フクロウの次は鯉! 動物の線と格闘する作家
近年は特に「動物」のモチーフにトライしており、昨年のフクロウに続いて今年は鯉。写実的なグラヴィールに頼らず、回転するカッターのみで動物を表現するには、特徴をデフォルメして抽出するイマジネーションと、線を蛇行させるカッティング技術が不可欠だ。
④【3点限定】おめでたい門出の一杯にふさわしい
それらの想像力とカット技術で、今まさに滝をのぼらんとする鯉の姿が浮かび上がった。起業や転職など、人生において新たな地平へ歩み出すタイミングに、未来の自分に向けてぜひこのグラスで一杯を捧げてほしい。門出を祝うときや、おめでたいシーンにぴったりの柄だ。
清水 秀高 プロフィール
キヨヒデガラス工房代表
経済産業大臣指定江戸切子伝統工芸士
職人歴30年
1992年 高校卒業後師匠に弟子入りし、江戸切子の道に入る
2007年 清秀硝子工房設立
2008年 清秀硝子工房自身の工場を構える
2010年 経済産業大臣指定伝統的工芸品伝統工芸士の認定を受ける
2013年 (有)清水商店と統合(屋号清秀硝子工房は継続)
2020年 江戸切子新作展江東区議会議長賞受賞
2020年 キヨヒデガラス工房設立
2021年 江戸切子新作展 テーブルウェアー部門2位
2022年 江戸切子新作展 テーブルウェアー部門WEB投票部門賞
アイテム詳細
素材:クリスタル硝子
サイズ(最大直径×高さ):Φ80×100mm