ジャスパー・モリソン氏とコラボレートしてできた
普遍美が宿る南部鉄器のケトル
■南部鉄器と世界的デザイナーの出会い
南部鉄器が日本の代表的な伝統工芸品として昔から親しまれてきた理由の一つは、食材に熱を均一に伝えるという調理器具としての優れた能力にある。加えて、愛情を持って手入れしながら使えば一世紀という長い年月の使用にも耐え得る「息の長さ」も魅力だ。繊細な鋳肌と質感から生まれる温かみは、フランスをはじめ、海外でも人気が高い。この南部鉄器と、世界的なデザイナー、ジャスパー・モリソン氏がコラボレーションしてできたのが、この「Palma」だ。彼のデザインコンセプトは、毎日使う道具のスタンダードスタイルを突き詰め、道具自身が収まるべき場所を知った上で、最終的には道具が培ってきた歴史さえもがそのデザインに凝縮することにある。その"普遍性"の中に見出されたシンプルかつソリッドなデザインにより、新しい南部鉄器のケトルが誕生した。
■創業162年の老舗が挑む新しい挑戦
モリソン氏に“本物の道具”と言わしめ、この美しいケトルを作り出したのは、南部鉄器の産地・岩手県の「OIGEN」だ。江戸時代末期の1852年より鉄器を製造する同社は、伝統として守るべきところは守りつつ、新しい試みにも常にトライし続けてきた。「飾り物や伝統工芸品にとどまらず、時代ごとのライフスタイルに合う道具作りにこだわっています」と五代目社長の及川久仁子さんは話す。同社は伝統的な職人技に加え、早くから最新技術を導入。職人の勘頼りだった作業にも科学的な分析を取り入れ、数値化して管理している。こうした姿勢から精度の高い商品を数多く世に送り出し、国内外で高い評価を受けている。
■伝統の技で描く完全無比なシルエット
「Palma」という名がつけられたシリーズのこのケトルは、名前の由来にもなっているヤシの木のシルエットの取手がデザインのシンボルだ。鋳肌に刻まれた幾重もの水平なラインは、鋳物ならではの質感をより際立たせている。鉄器に新たな可能性を開いた氏が提案したのは、円形のシルエット。既存の製法では実現不可能だったため、幾度もの試行錯誤の末に編み出された新しい製法によって生まれた。一方OIGENから氏へは「プロの料理人が使える道具を」というリクエストがあったという。プロのが使う道具ということは、デザインはもちろん、高い機能性をも備えているということ。160年余りにわたって誠実なモノ作りに徹してきた同社の思いと、実用的かつモダンで独創的なデザインで世界的に知られるモリソン氏の精神とが、ここに結実した。
■鉄器ケトルで丁寧に湯を沸かす上質な毎日
光を吸い込むような鋳肌の黒にシンプルなデザインのケトルが、置いておくだけで空間を洗練する。カーブを描くキュートな取っ手は使うことが楽しくなるだけでなく、つかみやすいのもポイントだ。ホーロー仕立てのものも多い急須とは違って、こちらは直火でお湯を沸かすことが可能。IH調理器で使うこともできる。鉄瓶で沸かしたお湯は味がまろやかになり、塩素分も除去されるという。溶け出した鉄分をゆるやかに摂取できるので、毎朝白湯にして飲めば鉄分補給に一役買いそうだ。鉄器ゆえ手入れが必要ではあるが、その分長く使うことができるので、結婚や転居など、門出を迎えた方へのプレゼントにもおすすめ。朝、上質な南部鉄器で湯を沸かし一日を始め、夜は美味しいお茶を淹れて一日を締めくくる…。技とデザインを極めたこんなケトルなら、ちょっと上質な毎日を過ごせそうだ。
■ ジャスパー・モリソンJasper Morrison
1959年、イギリス・ロンドン生まれ。一貫した謙虚な姿勢で、新しいデモクラティック・デザインを探求している。素材や製造過程にこだわった実用的かつ独創的なデザインは、インテリアの著名ブランドからの信頼が厚く、ヴィトラ、アリアス、アレッシィ、フロス等から製品を発表している。近年は、時計のラドーや、靴のカンペールからも展開し、幅広い分野に於いて活躍している。
アイテム詳細
本体:鋳鉄、ツル:鋼材
容量:1.85L本体サイズ:縦18.4cm横22.3cm奥行18cm
化粧箱サイズ:縦21.5cm横23cm奥行11cm
本体重量:2270g
化粧箱+商品本体重量:2600g
製造国:日本
●ご使用にあたって
1.吹きこぼれないように80%以上の水は入れないようにしてください。蓋を少しずらし、吹きこぼれを防止してください。
2.ケトル本体とツルは熱くなります。手の保護のために布やポットホルダーをご使用ください。
3.使った後、ケトルはしっかり乾燥させてください。乾燥が十分でないと錆びる可能性があります。ケトルの中の水を捨て、数分火にかけて完全に乾かしてください。
※ケトルはお湯をわかすためにだけ使ってください。
※ケトルは鉄鋳物です。そのため、使った後は絶対に水を中に残さないようにしてください。
※茶葉を直接入れるのは避けましょう。
※洗剤やブラシで中を洗わないでください。※急激に熱を加えるとゆがみなどの原因になります。必ず弱火から中火で徐々に熱を加えてください。
※熱いケトルを台に置くときは、耐熱性の布などを敷いたください。
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