オシャレなコートと思いきや、実は「羽織」です
伝統着を現代にアップデートした快作!
■モンペの次は羽織! 日常で着るにはどうする?
それまで古臭いと思われていたモンペを新たな視点で眺め、魅力的なアイテムとして人々の目を一気に振り向かせたうなぎの寝床。リラックスパンツの次は、同じく日本の伝統着をアウターに仕立てたウェアの登場だ。その伝統着とは、羽織。羽織は、現代では和装の際に着物の上に着ることがほとんどで、羽織に近いものとして祝い事に着る法被やお祭りの半纏などがあるが、いずれも日常的に着るものとは言えない。
■羽織っただけで決まる。伝統着を垢抜けたコートに読み替えた
羽織が日々の暮らしにもっと近いものになって、多くの人が羽織を着ることを楽しめないか、ひいては衰退しつつある日本の織物産業の技術や伝統に光を当てられればーー。そんな思いで製作したうなぎの寝床の「HAORI」は、どうだろう、まるでジャケットやコートのように洗練され、街で来て歩いていても違和感がないどころか、自然なかっこよさが滲み出ている。しかし生地やベースとなる仕立てはまぎれもなく羽織のそれ。モンペと同様の「伝統着の読み替え」がここでもいかんなく発揮されている。
■MONPEがスマッシュヒット! 八女の文化発信地
「うなぎの寝床」は2012年7月に福岡県八女市に白水高広さんがオープンしたアンテナショップを起点にする企業で、九州筑後地方のモノ作りの継承を目的として「MONPE」ブランドをはじめ、様々な事業を展開している。白水さんはたまたま試着したことをきっかけに、モンペが持つ通気性の良さや着心地の良さ、ジーンズを連想するワークウェアの側面、伝統技術の集積などの魅力に気がつき、2011年に「もんぺ博覧会」を開催。久留米絣の良さを体感してもらおうと、今では毎年1500本を超えるもんぺの展示販売が行われる一大イベントだ。
■九州の地域文化を継承し、より広めていくために
そうした中で、自分たちでも現代風にアップデートした型紙を作って製作。新たなモンペは日本中で注目を浴びた。近年では、備後や遠州、グアテマラなど、ほかの絣の産地とコラボするなど、活動の幅は大きく広がりはじめている。モンペだけにとどまらず、九州地方の地域文化を掘り下げ、モノやツーリズムによって魅力を伝える「地域文化商社」としての姿があり、単にモノづくりをする企業ではないことを示す。アイテムはあくまで伝達手段。その中にある快適さや背景の物語で生活者とのコミュニケーションを図るのだ。
■羽織の形状を生かしつつ、袖や着丈を現代的にアップデート
制作にあたっては、古来からある着物仕立ての羽織をベースに肩や袖のシルエットや、着丈を現代の生活において着用してもフィットするスタイルにした。簡単で脱ぎ着できるコートをイメージしつつも、羽織であることは残したい。結果どちらにも寄りすぎないグレーゾーンな印象になり、独特の抜け感のあるアウターに到達した。生地はコットンとウールを混紡した播州織。兵庫県西脇市にある東播染工のテキスタイルデザイナー、小野圭耶さんが作り出した「1-5 変わり綾織」という特殊な生地だ。
■特殊な播州織で、ニットのようなふんわりタッチを生んだ
デニムに代表される綾織(ツイル)の生地は縦糸と横糸の割合を変えることで斜めの織り目がついていくのだが、2/1や3/1といった割合が一般的な中、縦糸が5本に横糸が1本とし、横糸を重ねるように織ることで、ほどよい伸縮と柔らかな質感が生まれた。そこからワッシャー加工をしてウールの目が詰まったことで、凹凸のある表情になった。着た時のふんわりとした肌触りや暖かさはまるでニットのようだ。
■4つの着方で印象をガラリと変える。ワンサイズへの工夫も
サイズはM〜L相当のワンサイズで、男女兼用。おおむね身長150〜180cm程度を想定している。「文字通りさっと羽織って、すぐにいい感じのシルエットになる羽織を目指しました。その中でもバリエーションを持たせ、紐の結び方で4つの着方ができるようにしています。女性の場合は背中で結んで細めのウェストにするのもおすすめです」とはHAORIの製作を担当した原博子さん。紐は前立てに2つ、左右の内側に2つついており、前立てのループや脇の通し口を使って結び方が選べ、印象を変えられる。袖口にスリットを設けてロールアップしやすくし、袖が長くても調節が簡単だ。
■男女で使えて共用もOK。秋冬の心強いニューフェイス
このHAORIは2020年から同型を展開しているが、実際に男女ともに人気があり、家族で共用する方もいるそうだ。ファンからは「サイズ選びに悩まなくてよい」「形が同じなのに体型によって見え方が違うのがユニーク」などの評判の声があがる。また、外国の方からは、コート感覚で楽しめるとの声も。日本の伝統着である羽織のニュアンスを活かした服が、国境や文化を飛び越えて受け入れられる、そんな面白さ・新しさも本アイテムの魅力といえよう。織物とニットのあいだをゆくようなフワッとした着心地や自然な肩の落ち感がとても新鮮で、軽くて動きやすく、ニットのようにちくちくしないのがうれしい。カラーはネイビーと濃いグレーが混ざったようなチャコールカラーで、合わせられる服の幅が広い。ジャケット/コートのように使える暖かな羽織は、少しずつ肌寒さを感じはじめてきた秋口から寒さの残る春まで、つい手にとってしまうアウターとして重宝しそうだ。
4つの着方・紐の結び方
-
前紐を結ばない着方
内側に紐止めのループがついています。このループに外側の紐を通すと、紐がぶらぶらせずすっきりと収まります。 -
前紐を結ぶ着方
シンプルに、左右の前立てについた紐を結んで着られます。 -
四つ結びの着方。作務衣風
まず、左内側の紐と、右前立についた紐を結びます。次に、右内側の紐を脇の紐通し口から外に出し、左前立てについた紐と結びます。作務衣のように着られます。 -
後ろで結ぶ着方
左右の脇にある紐通し口から内側についた紐を外に出して、後ろで結びます。全体的なシルエットがすっきりします。
使用イメージ
アイテムサイズ
着丈 | 身幅 | 肩幅 | 袖丈 | 裾幅 | |
---|---|---|---|---|---|
ONE SIZE | 94 | 73 | 73 | 48 | 73 |
(単位:cm)
アイテム詳細
素材:綿57%、ウール43%
生産国:日本
※ 生地の特性上、装飾性のあるアクセサリー等、先の尖ったものの引っ掛けによる生地の引きつれにご注意ください。
※天然繊維のため、洗濯すると多少縮む場合がございます。
※濃色のものは初め若干色落ちすることがありますので、単独洗いをして下さい。
※漂白剤の使用はお避け下さい。
※タンブラー乾燥はお避け下さい。
※洗濯の際はクリーニングネットをご使用下さい。
このアイテムのレビュー
みんなのおすすめ度
- ★
- ★
- ★
- ★
- ☆
(星 4.83)
0人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています
0人の方が「参考になった」と言っています