無数の線、シャープな表情でささやかな特別感を。現代のテーブルにも、おもてなしの場にも使えるスタイリッシュな江戸切子
■現代のテーブルにぴったり! スタイリッシュ系江戸切子の筆頭
日本伝統の意匠をまとい、豪華できらびやかなカット表現で見る者を魅了する江戸切子。一方で、スタイリッシュでカッコいい表現も可能で、その方面の魅力を存分に引き出しているのが青山弥生氏が手がけた丸ロックグラス「透」(とおる)である。普段の食卓に使えば器や料理を彩り、お酒時間のお供にも似合う上質な雰囲気も持ちあわせる。日常のシーンにスッと寄り添いながら、少しだけ特別な気持ちに格上げしてくれる逸品だ。初回数量は各色3点ずつ、次回入荷はいつになるかわからないので、この機会にぜひ!
■創業100年超の老舗工房に所属。数々の受賞歴を誇る伝統工芸士
青山弥生氏は、創業100年を迎えた老舗江戸切子工房「清水硝子」に所属する江戸切子職人。東京スカイツリー(R)や東京駅の江戸切子装飾を手掛けるなど、伝統的な江戸切子を高いレベルで生み出す職人集団として知られるこの工房で腕を磨き、2023年には日本の伝統工芸士に認定された。江戸切子新作展でも幾度も入賞を重ねていて、直近では2023年、2024年と連続で東急プラザ銀座賞を受賞。若手の中でも指折りの職人として名乗りを上げている。
■美大出身、「感性の江戸切子」で違いを見せつける
身の回りの事象を独自の視点で江戸切子にアダプテーションした表現が特徴。美大出身の審美眼を生かし、伝統的なカットの美しさを見せるというよりも、ガラスを加工した際に表情の面白さがどう出現するのか? という観点で作品を製作する。今回の意匠は10年ほど前に考案したもので、スタンダードな手法と表現に根差し、カットによる輝きと映り込みを意識しつつも、日常で使いやすいデザインに落とし込んだ江戸切子だ。かつて製作した「かき氷」や「ソーダの泡」を元にしたデザインと同様に、見る者の感性をくすぐる表現が白眉。思わず「わあ」と感嘆の声が漏れる。
■スタイリッシュな見た目と、意外性のある内側の調和が見事!
「水のように、当たり前に日常にあるグラスがコンセプト。細かく入った千筋で、透き通った水のような明るさ・繊細さを表現しました」と青山氏。周囲に非常に細かいカットを入れ、わずかに色を残すことでクリアで軽やかな透明感を獲得している。カット後の磨き工程は、外側とは別に溝の中を一本一本磨き込む念の入れよう。こうした仕上げの丁寧さ・きれいさは他の職人にも一目置かれている。
眺めるだけではなく、日々使ってほしいからという理由で、クリスタルガラスよりも丈夫で軽いソーダガラスを採用。自らの手で磨いてフィニッシュさせ、繊細な形と色表現に最後まで目を光らせる。「はかま」と呼ばれるボトム部分は3段階に分けて磨き、繊細でシャープなカットを引き立てる。ここがグリップにもなり、小さな手でも持ちやすい。
このはかまが映り込みの要。底に向かって約120度の角度をつけたことで、内側を覗き込んだ際に底の紋様がサイドに反射し、花が開くように7つの菊が出現する。外見からは想像できない江戸切子ならではの仕掛けが憎い!
■日常がちょっと特別になる。テーブルに小粋な江戸切子
カットの主張は控えめで日常に溶け込みやすいデザイン。でも切子らしい反射の面白さや、ガラスのキラキラ感をしっかりと表現し、ただならぬ特別感も備えている。派手ではないが、そこにめちゃくちゃ「粋」を感じる通好みの江戸切子だ。3つの色は、カットした際により淡く見える薄いものを選んだとのこと。この色の淡さが他の食卓の要素やインテリアを邪魔しない理由。
オールドよりもやや小ぶりな形は普段使いしやすく、開花するようなデザインに意味を込めてプレゼントにもおすすめ。非常にスタイリッシュなテーブルウェアとして、日々愛でながら使いたい逸品だ。
数量限定入荷なのでお早めに!
プロフィール
青山 弥生
(株)清水硝子所属 切子職人
1983年 栃木県生まれ
2007年 東京造形大学造形学部デザイン科卒業
2008年 葛飾区伝統工芸職人弟子入り支援事業 一期生として(株)清水硝子入社
2015年 一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会 全国伝統的工芸品公募展 特別賞
2018年 一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会 全国伝統的工芸品公募展 中小企業庁長官賞
2019年 第31回江戸切子新作展 江戸切子親善大使 坂崎賞
2020年 第32回江戸切子新作展グラスウェアータイムス社 奨励賞
2020年 第3回北近江サケグラス公募展 山路酒造賞
2022年 一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会 全国伝統的工芸品公募展 若手奨励賞
2023年 日本の伝統工芸士認定
2023年 第35回江戸切子新作展 東急プラザ銀座賞
2024年 第36回江戸切子新作展 東急プラザ銀座賞