【SEEGER】クロコヌメ革コンパクトウォレット HADES

■すべての革好きに捧ぐ、史上稀にみる「最高の革モノとの出逢い」
あらかじめ断っておきたい。これはきっと、生涯忘れがたい出逢いとなる。そう断言できるほどのコインケースと、藤巻百貨店は出逢ってしまった。この衝撃をすべての革好きに捧げよう。今回ご紹介するのは、クロコダイルのヌメ革と牛革のプエブロを組み合わせたコンパクトウォレット。そう、型押しではなく正真正銘、クロコダイルの革だ。もちろん型押しにも名品は数多くある。だが本物には本物の、クロコにしかない息吹が宿っている。流通しているクロコ革は9割以上がクローム鞣しと言われているが、こちらの革は特別に植物性タンニンで鞣したものだ。そんな超希少な素材を、プエブロのサビアが支えているこのコンパクトウォレットは、過去に類を見ない唯一無二の逸品であると言えよう。さあ、ここからはこのアイテムだけが持つ深遠なる世界の魅力をご紹介する。

■ドイツ生まれの幻の名ブランドを、どうしても蘇らせたかった
SEEGER （ゼーガー）は１８８９年、馬具職人だったカール・ゼーガーがドイツのオッフェンバッハにて創業したブランドだ。コンセプトは「紳士にふさわしい品格と存在感を放つもの」で、「ザ・ベストオブベスト＝God is in the details（神は細部に宿る）」を信条とする。そのこだわりと技術は高く評価され、数多くの受賞歴を誇り、世界有数のレザーブランドとして多くのセレブリティに愛されてきた。しかしこの物語には続きがある。時代の変化とともに、惜しくもSEEGERの名は少しずつ鳴りを潜めていった。日本で見かけることもほとんど無くなってしまった。そこでSEEGERのモノづくりの信条とプロダクトの輝きを蘇らせるべく立ち上がったのが、フォックス＆ヘッジホッグ社のよねつぎ ふみと氏だ。世界屈指のタンナーである藤豊工業所をはじめ、カール・ゼーガー氏がスタートさせたSEEGERの意志に恥じない最高の革モノづくりを可能にする企業とタッグを組み、ついに創業130周年である2019年、「新生SEEGER」を日本で立ち上げることを叶えた。時を超えて、ドイツの名ブランドが日本の職人たちの手で蘇ったのである。

■超希少なクロコヌメ革＆プエブロを、コンパクト財布に昇華
世にも珍しい「クロコのヌメ革」を、素材本来の圧倒的な気品と迫力を感じさせる最高のクオリティーで提供したのは、エキゾチックレザーを専門とする世界屈指のタンナー・藤豊工業所だ。クロコダイルの革はただ希少であるだけでなく、繊維の構造が非常に緻密で、簡単な代物ではない。現に、クロコダイルの革を扱えるのは、藤豊工業所を含め、世界でも20社ほどしか存在しない。 合わせの牛革は、1000年以上の歴史を有するバケッタ製法を現代に蘇らせたイタリア・フィレンツェの名門、バダラッシ・カルロ社による銘革プエブロ サビア。表面はわざと毛羽立たせるような加工がしてあり、独特の手触りが心地良く残る。どちらも時間と手間を惜しむことなく、時代に逆行するようなやり方で生まれる革だ。この組み合わせには、どんなレザーマニアも興奮を抑えられないだろう。今回のアイテムは、コンパクトウォレットだ。ジャバラ構造でたっぷり容量のコインルームを中心に、カードポケットが2つ。小銭とともによく利用するカードを入れておける。手に馴染む程良いサイズ感だが、マルチな才能を持たせてあるので、より毎日携帯したくなるアイテムに仕上がっている。

■職人技が光るタフな逸品で、これ以上ない経年変化を心ゆくまで
このコンパクトウォレットが持つ最大の魅力は、これ以上ないほどの味わいを生む経年変化にある。ヌメ革はもちろんのこと、プエブロも人の手の脂や水蒸気によって、他の革よりも素早く経年変化していくのが特徴的だ。時間が経つと革は寝ていき、新品の時の少しザラついた触感がツヤツヤになってゆく。言うまでもなく、色の変化も美しい。実はクロコのヌメ革は店舗に置くことができない。店頭にあるライトだけでも変化をしてしまうからだ。しかしそれは逆に、自分だけの色の変化を愉しんでいけるということでもある。通常よりもさらに時間をかけてオイルを染み込ませ、古典的なバケッタ製法によって仕上げられたプエブロは、オイルは抜けにくいままで、深く深く、味わいの海へ潜っていく。そしてこのアイテムは、SEEGER130年の歴史に恥じぬよう、100年続く老舗の日本国内の工場にて制作された、裏地を使わないフルレザー仕様。永く愛用できるタフさとスマートな仕上がりを実現している。手にした人がやるべきは、この革の成り行きを愉しむことに尽きる。バラ色ならぬ、アメ色の人生のはじまりだ。心ゆくまで楽しんでいただきたい。