【azzuni】BOKUSUI

■本当に特別なものは、さりげなく持つのが良い
ハンドバッグ―。いつの世も、女心をくすぐる特別なこの響き。上質で気品あふれるハンドバッグは、持つだけで自分のステータスを引き上げてくれるような気がする。なかには、「いつか欲しい！」と憧れる特定のブランドがある人もいるだろう。海外のハイブランドを持ち歩くのも悪くないが、それらのバッグに勝るとも劣らないオーラを纏ったハンドバッグがここにある。思わず吸い込まれそうになるミッドナイトブルーのレザーは、馬革に藍染めを施したもの。すっきりとした台形フォルムは凛とした印象で、そこへ黒竹のハンドルがほんのりと和を添える。シンプルなデザインながら、全体から匂い立つような高貴なオーラは、一目見ただけでそれが“特別なもの”であるとわかる。「これみよがしなブランド品はもう卒業」「本当に良いものをさりげなく持ちたい」、そんな目の肥えた女性たちに贈りたい、ジャパンメイドの逸品である。

■半世紀の歴史を経て、今立ち返る老舗の原点
東京スカイツリーの“ふもと”、墨田区吾妻橋に工房を構える「清川商店」。1960年の創業当時から国内生産にこだわり、全工程を「手仕事」によって作り上げてきた職人気質なバッグメーカーだ。二代目の松村由美（よしみ）氏が「生活に寄り添い永く愛用してもらえるような、普遍的なモノを作り続けたい」と語る通り、同社のオリジナルブランド「azzuni（アッズーニ）」では日常使いの良質なバッグを提案してきた。そんな中、これまでとは少し趣きの異なるフォーマルライン「BOKUSUI」が新たに登場。企画を担当したのは、由美氏の娘さんの美咲さんだ。「弊社は元々、レディースのフォーマルバッグメーカーとして創業しました。職人の高齢化や後継者不足が叫ばれる中、これまで培ってきた技術を残していきたいと考え、過去のアーカイブを倉庫から掘り起こし、新しい素材やデザインと掛け合わせて生まれたのが本作です」（美咲さん）。清川商店の次世代を担う彼女が手がける渾身の一作は、実は清川商店の原点に回帰したものだったのである。

■藍染革と黒竹の自然な色彩が「この世に一つ」を作り出す
大学在学中からバッグのスクールへ通い、革製品の本場・イタリアでデザインや製作を学んだ経歴も持つ美咲さん。本作は「手仕事を感じるバッグ」をコンセプトに創り上げた。バッグのボディには軽くて丈夫な馬革をふんだんに使用。深いブルーは、徳島の藍染職人が一枚一枚手作業で丁寧に染めあげたもので、自然光で見たときの“ムラ感”が実に美しい。「手仕事だからこそ扱える天然の素材」にこだわり、ハンドルには土佐の黒竹を採用。こちらは染色を施さず、竹そのものの色を生かしている。「色、太さ、柄…ハンドルに適した状態のパーツは3ｍある１本の竹から2～3個ほどしか取れません。どの部分をどの向きで使用するかは熟練の竹職人さんに目利きしていただいています」と美咲さん。竹の加工は地元・墨田で70年以上続く老舗「竹春竹材」が担当。オリジナルの真鍮金具も墨田の職人が製作したものだ。“墨田の粋”から「BOKUSUI」と命名された本作。その言葉通り、バッグのすみずみにまで墨田の職人技が生きている。

■ハレとケ、どちらにも。人生をスペシャルにするバッグ
一切の無駄がないミニマルなデザインが特徴的なハンドバッグ。内側には、墨田区が国内シェア9割を誇るピッグスキンが張られ、ボルドーカラーが醸すレトロシックな雰囲気がたまらない。二つ折り財布や文庫本が収まる「Sサイズ」は、肩にかけても手に持ってもバランスよくコーデがきまるミニ感が魅力。長財布やA５ノート、iPadなどがすっぽり収まる「Mサイズ」は、革や黒竹のインパクトをより楽しみたい人にオススメだ。「日常の中にはお洒落をしたい日だってあります。そんな日のためのスペシャルなバッグを、という思いを込めました」と美咲さん。ショルダーストラップをつけてジーンズにさらりと合わせれば、大人だからこそのカッコイイ着こなしを楽しめそう。モノトーンコーデに差し色として取り入れてみるのも良い。もちろん、モダンなワンピースやパーティードレス、和装に合わせてクラス感を存分に味わうのも◎。自分へのご褒美に、大切な人へのプレゼントに、一段上のセンスが光る墨田生まれの逸品を選んでみてほしい。