藤巻百貨店初登場の「鉄瓶」
■国内外から高評価を受ける、伝統美とモダンさ
日本の代表的な伝統工芸品として揺るぎない地位とブランドを築いてきた南部鉄器。その産地・岩手県で江戸時代末期の1852年より、鉄器を製造してきたの が「OIGEN」だ。「飾り物や伝統工芸品にとどまらず、時代ごとのライフスタイルに合う道具作りにこだわっています」と話すのは五代目社長・及川久仁子氏。鉄器としての優れた機能性はそのままに、伝統的な南部鉄器のイメージを革新させるデザインで次々と斬新な製品を展開。その日本の伝統美学的なフォルムと美しい鋳肌が高い評価を得て、国内外でもの作りに関する賞を数多く受賞している。
■職人技と最新技術が共存し、900年の歴史を伝える
OIGENが社を構える奥州市水沢区における南部鉄器の歴史は、奥州藤原氏が平泉に栄えた平安時代後期となる1090年頃にまでさかのぼる。奥州藤原氏の祖として知られる藤原清衡が近江国から鋳物職人を呼び寄せ、鋳造業を根付かせたとが始まりと言われている。900年もの間その技術を脈々と継承する同社は、伝統的な職人技に加え、早くから最新技術を導入。デジタル化することでより精度が高く、鋳肌の美しさが際立つ商品の製造を可能とした。伝統を守りつつも最新技術を研究し続けるその姿勢からは、製品をさらに使いやすく、現代の暮らしの中で活躍させたいという情熱、南部鉄器への深い愛情、伝統を背負う誇りが伺える。
■これぞ南部鉄器の風合い。鉄瓶初登場
今回登場する「鉄瓶」は、そんなOIGENの原点的なアイテムで「THE・南部鉄器」ともいえる逸品。内側にホーローを引いていない南部鉄器は、藤巻百貨店では初の取り扱いとなる。表面の細かな“アラレ模様”は、南部鉄器独自の模様として知られているもの。伝統的でシンプルながらも、素材の美しさを際立たせ、現在も多くの人々に愛されている模様だ。また全体の造形美も見逃せない。これぞ鉄瓶といったフォルムやむっくりとした注ぎ口はセクシーな印象すらあり、はるか昔から作られているとは思えないほどにモダン。陶器や磁器と比べて丈夫であるのはもちろん、鋳物独特の質感と美しさ、風合いから生まれる温かみがある。そして、正しく丁寧に扱えば次の世代に引き継ぎ、100年使える比類ない耐久性・堅牢性を誇る“一生モノ”の道具になることも魅力だ。
■使い、手入れする。そんな時間を愉しむ方に
「お湯を作る」。ケトルとして使う鉄瓶でお湯を沸かすことをOIGENではそう表現しているのだという。おいしいお茶を淹れるためにはおいしいお湯が欠かせない。南部鉄器で沸かすことで水道水のカルキが抜けてまろやかな味わいのお湯になり、おいしいお茶のもとになるというわけだ。蓄熱性に優れ、温度が下がりにくく、鉄分が取れるいといった長所が挙げられる反面、重く、錆びる性質があるため、決して万人受けするものではない。しかし、お茶や料理の味、仕上がり具合の感動に加え、鉄器を愛用する人々にとっては、手入れをしながら大切に使うことも得がたい味わいのひとつだという。手間暇も含めた愛おしい“自分だけの道具”として格別なものとなるに違いない。「愉しむをたのしむ」というOIGENのモットーは、この鉄瓶に最もふさわしい。
ディティール
鉄瓶の使い方
【鉄瓶の使い方】
●加熱時は蓋をずらして、または蓋を外してから沸かしてください。沸騰したお湯が口から飛び出すのを防ぎます。
【新品鉄瓶の使い始め】
●新品の鉄瓶は下記の手順で「鉄瓶ならし」をしてから使用してください。
①温水で中を軽くすすぐ。※鉄瓶の中は手で触らないでください。
②お湯を沸かしては捨て、沸かしては捨て、これを3回繰り返してください。※お湯を捨てるときはずれないように蓋を押さえてください。
【使用後は】
①お湯を空け鉄瓶を空にします。お湯を空けるときはずれないように蓋を押さえてください。
②鉄瓶に水気が残っていたら30秒程空焚きします。乾いていくのが見えるので乾くまで見守ってください。蓋もさかさまにしておくと乾きが早くなります。
【鉄瓶内部が赤いとき/赤茶色のお湯が出るとき】
●赤茶色のお湯が出るときは内部も赤くなりサビがでている状態です。内部が赤くても出るお湯が赤くなければ①は不要です。②から始めてください。
①亀の子タワシで内部をこすり、すすぐ。※お湯が赤くなければこの工程は不要です。
②出がらしの煎茶葉をダシパックにつめて鉄瓶に入れ、お湯を沸かす。20分程煮出して火を止める。そのまま一晩放置する。
③翌朝、黒くなった水を捨てる。※煎茶のタンニンと鉄器からの鉄分が反応し水が黒くなります。②③の工程を2回繰り返す。合計:3回(3晩)。ダシパックの茶ガラは同じものを使っても構いません。
④お湯の色が透明になったら、沸かしたお湯をお飲みいただけます。
お手入れ方法
鉄瓶がまだ温かいうちに、煎茶をひたして絞った布巾を使って鉄瓶本体にパンパンとパッティングします。こうすることで鋳鉄がしっとりとした風合いになり、自分だけの経年変化(エイジング)楽しむことができます。
アイテム詳細
本体:鋳鉄、ツル:鋼材
容量:1.0L
本体サイズ:H19.5cm×W18.8cm×D15.6cm
本体重量:1800g
生産国:日本
※鋳造の性質上、サイズ・重量に多少の個体差があります。
※落とすと割れる場合がございます。