今年も登場。即完売したイタリア名門タンナーの「合切袋」
革とバッグをこだわり尽くした男のスペシャルアイテム
■別注合切袋を探したらたどり着いた意外な人物
きっかけは、自分で使おうと思って探したことだった。和装を着る趣味のある「HIS-FACTORY」中野克彦氏は和装に合うバッグ=合切袋だろうと伝統的なものから現代風のアイテムまで方々見て回ったが、どうもしっくりこない。「やっぱり、普段自分のバッグに使っているような革が好きなんだよね。だから今回も『自分で作るか』って思ったの。HIS-FACTORYのアイテムはだいたいそうやって始まるんだけどさ」と中野氏は笑顔で完成した合切袋を見せてくれた。頑丈なトートやブリーフを得意とするHIS-FACTORYが合切袋を作っていたとは意外だったが、実は数年前からひっそりとオーダーを受け付けていたそう。しかし、そもそも合切袋は他ブランドを含めて通なアイテムということもあり、HIS-FACTORYの中でも知る人ぞ知る逸品だった。折しも、藤巻百貨店ではこういったバッグメーカーが合切袋を作ったらどうなるのか見てみたいと考え、別注プロジェクトが立ち上がったタイミング。運命が2社を引き合わせたのか? 中野さん、藤巻百貨店の合切袋を作ってください!
■バダラッシー・カルロのエイジングが第一のキモ
中野氏が自分で作る上で最もこだわったのは、アイテムの素材だ。暖かみを感じるシボと、オイル感のあるタッチがたまらないミネルバボックスにするか。それともトートや革小物のメイン素材として多用する、表面に傷をつけて独特な風合いを生んだ「プエブロ」にするか。他のアイテムで頻繁に選ぶそれらの革を抑え、悩んだ末に出した答えは「ナッパ」。先述の2つの革と同じく、イタリアの名門タンナーであるバダラッシー・カルロ社が手掛けるベジタブルタンニングレザーである。「合切袋は俺がいつも作っているバッグみたいにガチっとした頑丈さよりも、しなやかさが大事なんじゃないかな。であればナッパはちょうどいい厚さで求める風合いにピッタリだし、ミネルバボックスとほぼ同様のエイジングが起こる。作った瞬間に『これしかない』って思った。このブルーもここの革でしか出せない色なんだ」(中野氏)。約30年に渡りバッグ作りに携わってきた中野氏がこだわるイタリアンレザーと、ものとしての作りの良さ。その眼と手で完成した合切袋は、日本では中野氏しか実現できないと言える。
■合切袋といえばの「あの」部品を、真鍮で型からオーダー!?
なぜそこまで断言できるのかというと、レザーのほかにもう一つ、こだわりがあるから。合切袋には紐と本体をつなげる特殊な部品があり、通常はプラスチック素材が使われている。中野氏は「バタラッシー・カルロの美しいエイジングに合うのは、やはり経年変化が魅力の金属である真鍮」と部材屋を探したものの、世に存在しないことが判明する。それなら自分で作ってしまえと、同じ墨田区の鋳造メーカー「東日本金属」の小林亮太氏の力を借りることに。初めて見る真鍮金具作りは、中野氏にとって驚きの連続だったという。このためだけに本体の型を作り、それをもとに砂型を起こし、凹みに液状の金属を流し込んでいく。ひとつひとつ人海戦術で行われる工程に、まさかここまで手作りかと衝撃を受けた。「ここは本当に昔ながらのやり方で真鍮部品を鋳造していて、自分もこれに見合うアイテムを作らなくてはと襟を正された」(中野氏)。
■紐まで革! イタリア革と真鍮の競演をその名に込めて
連結している部品をひとつひとつ外し、バリを取り、磨き上げる。革ひもの滑りが悪くならないように穴の中も丁寧に削り込む。こうして、黄銅色に輝く合切袋専用金具がようやく完成する。その後、中野氏がハンマーでカツンと真鍮釘を打ち付けながら、一個一個取り付けていく。金具の穴に合わせて、縫製できるギリギリまで細くした革紐も見ものだ。同革で革紐をこしらえるのは、他の合切袋では考えられないポイント。紐も本体も使い続けることでナッパレザーの明るいブルーがどんどん落ち着いていき、ツヤがさらに増していく。真鍮金具も同様に、徐々にくすみが増し渋好みの風合いに変化する。中野氏は、こういったものにどうしても惹かれてしまうのだ。中野氏の熱い思いと東日本金属の伝統技術の賜物は、今回の合切袋の特徴の一つという意味を込め、アイテムに「ottone」(イタリア語で真鍮の意味)の名を選んだ。
■大ヒット、レザー合切袋に待望の新色「ネイビー」登場!
藤巻百貨店のユーザーの多くも、エイジングされたレザーや真鍮はきっと大好物なはず。和装をきっかけに作ったものだから、初詣やお祭りで和装をする際には大活躍するし、ご祝儀が入る大きさなので和装で結婚式に出る際もOK。他にはない重厚さが、高級な和服にも負けない存在感を発揮するはずだ。お稽古ごとの師匠への贈りものにもふさわしい。そして今回、大ヒットしたこの逸品についに待望の「ネイビー」が新色として登場する!ネイビーはファッションの中でも特に取り入れやすい色合い。普段着やビジネスにもぜひ取り入れてほしい。財布・携帯・名刺入れ・B6の手帳などがしっかり収納できるので、重宝することだろう。世を席巻中の「ミニバッグ」のバリエーションの一つとして、小粋に手に提げていただきたい。
カラーバリエーション
ディテール
経年変化
真鍮金具製作シーン
使用イメージ
アイテム詳細
仕様:内部にオープンポケット×2
素材:牛革(バタラッシー・カルロ社製ナッパレザー)、真鍮
サイズ:H25cm×W18cm×D5cm(底マチ)
日本製
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