動く歯車と光を透かした姿に心奪われるアートピース
世界にひとつだけ、造形作家の手作り懐中時計
■いまこの時代だからこそ、時計の美しさを見直したい
時間を見るという行為はいまやスマホがあれば十分で、腕時計すら身に付けないという層もいる。しかし、街で見かけるダンディな紳士や、昔の映画の登場人物が、時計という道具をかっこよく使いこなす様子は、現代もなお心惹かれる仕草のひとつとして記憶に残るシーンではないだろうか。そして腕時計を持たないいまだからこそ、懐中時計というレトロなアイテムを「わざわざ持つ」ことに粋を感じる方もいる。藤巻百貨店の年末年始特別アイテムのひとつとして登場するこちらは、日常道具としては絶滅寸前の懐中時計をほぼすべて自らの手で作り出した、クラフト感とたたずまいにそそられる極上の逸品だ。作ったのは時計作家であり、造形作家でもあるK1こと齊藤桂一氏。カチカチと機械で駆動する時計らしい動きや、シースルーバックから光を透かしたときの美しい様に、時計の所有欲がむくむくと湧き上がってくる。
■造形作家のマインドで作り出すクラフト時計
K1氏はアパレルメーカーの宣伝部で新聞や雑誌の広告、ロゴなどの作成に携わった後、フリーのグラフィックデザイナーに転身。様々な仕事を請け負う中で、自身の作品の表現方法としてオブジェやアクセサリーの制作をはじめた。そうした中作り始めたのがクラフト時計だ。「その素材が持つ形を生かしたい。きれいなものをそのまま使うのが私の造形の特徴ですね」(K1氏)。アールデコ様式の食器や建築などにインスパイアされたという氏の作風と、手作りならではの温かみは時計の表情を優しくさせる。時計以外にも、ヤジロベー作品を発表しており、そのゆらゆらした動きはまるで吊るして飾るアートピース「モビール」を思わせる。実際、作風にはモビールの創始者アレクサンダー・カルダーの造形に影響を受けているそうだ。「そういうわけで、実用性よりも、見た目の美しさ、かたちの美しさをどうしても追及してしまうのです」(K1氏)。
■外装やガラスもすべて手作り! 動く姿がユニーク
今回のアイテムは、K1氏がその造形センスをいかんなく発揮した特別な時計だ。通常、懐中時計といえば丸いケースが思い浮かぶ。しかしこちらは見ての通りの四角い形。そもそも、四角というのはクラフト時計の中でも珍しい部類で、というのも裏蓋まで自作する必要があるためひとつを作り上げるまで非常に時間がかかるから。こちらは銅の板を曲げて外枠を作ったのち、自らガラスを溶かして2mmの厚さのガラス面をこしらえる。あえて周囲にゆがみを作ることでクラフト感を増幅させた。中はには手巻きでパワーチャージする機械仕掛けのムーブメントがのぞく。その後、ピッタリのサイズの真鍮の板を切り出して裏蓋とした。ここにも窓を設けており、裏からもムーブメントの動きが見て取れるのがユニークでかわいらいくもある。
■レトロな見た目の芸術作品を所有する愉悦
「カチカチと動く手巻きのムーブメントが面白いと思って作り始めたら、腕時計よりも大きくなってしまったんです。それで懐中時計にしようと。ちょこんとした置き時計としても使ってもらるように底に足もつけました」(K1氏)。自宅で本を読んだり、仕事をしている際中、ふと顔を上げて窓を見れば、内部に光が差し込んでキラキラとしたガラスの透過が美しい、小さな時計の姿が。K1氏の話を聞いていると、ふとそんなシーンが頭をよぎった。チェーン付きなので首に掛けてもいいし、家で置いているだけでもいい。小さなアートピースのようなその造形は、置くだけでその周囲の雰囲気をレトロに変えてくれ、テンプが動き続ける姿はずっと見つめていても飽きることがない。巻き上げにために触れ続けることで銅や真鍮が経年変化を遂げ、古いドアノブのような味わい深い金属に生まれ変わっていく。とんでもなく手がかかったこの時計はもちろん世界にひとつの一点もの。20世紀への憧憬がこもったレア時計のオーナーに立候補してみては。
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アイテム詳細
素材:真鍮、銅、銀、ガラス
ムーブメント:中国製
アイテムサイズ:H55mm×W35mm×D16mm、チェーンの長さ77.5cm
日本製
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