「ポンピン堂」の守袋

江戸の粋人たちが好んだシャレのきいた縁起柄をモチーフにした守袋(まもりぶくろ)。日本に古くから伝わる技法や素材を日常の中で気軽に取り入れてもらいたい。そんな理想を追い求めて邁進する「ポンピン堂」に話を聞いた。

ポンピン堂の守袋の大野耕作氏

十二支すべてラインナップ!
「干支の守袋」で福を招く

発売以来、ファンを増やし続けている「ポンピン堂」の守袋(まもりぶくろ)。生産数の関係で取り扱いに限りがあるなか、なんとこのたび藤巻百貨店では“十二支すべて”ラインナップできることに! 干支にはそれぞれ異なる意味があるため、ちょっとした占い気分で、干支の謂れと自分や家族、友人などを照らし合わせてみると楽しい。また生まれ年の干支やその年の干支のアイテムを身につけるのは縁起が良いとされることから、新年の縁担ぎにはうってつけのアイテムだ。来る2018年の「戌」は安産子育ての守り神とされる干支。美しいヒワ色に愛くるしい表情の「戌」が描かれている。もちろん生まれ年の干支にこだわらず、気に入った柄や由来から選ぶのも◎。来年の幸福を祈って、十二支のなかからピンとくるものを探してみて。

メイドインジャパンの魅力を再発見する瞬間「ポンピン堂の守袋」

江戸通人が好んだ
縁起柄を持ち歩く

「千鳥=千取り」でより多くのものを手に入れる、「瓢箪が六つ=六瓢(むびょう)」で無病息災の意味など、江戸の人々が好んだのが“語呂かけの縁起柄”。そんな粋な江戸文化を現代でも楽しめるのが「ポンピン堂」の守袋なのだ。素材には素朴な風合いと丈夫さが特徴の「会津木綿」を採用し、着物の染色法として受け継がれてきた「江戸型染め」をアレンジした技法で染めている。「紋様にはひとつひとつ異なる意味があり、それらを日本に古くから伝わる技法や素材にこだわり仕上げています」と語るのは「ポンピン堂」代表・大野耕作氏。ポンピン堂では大野氏と妻、義母の家族3人で製品の企画・デザイン、製造から検品出荷まで全工程を行っている。しかもその大部分が手仕事で必然的に作れる数には限りがあるため、守袋は稀少な存在となっている。

用途は様々。お菓子に印鑑、アクセサリー入れにも

メイドインジャパンの
魅力を再発見する瞬間

以前は家具の設計に携わっていたという大野氏が、型染めの世界に飛び込んだのは結婚がきっかけだったとか。「妻の実家は江戸時代末期から代々続く染屋を営んでいます。その型紙を見て、こんなに素晴らしいものがあるのかという驚きと、それが世の中に知られていないもどかしさを感じ、結婚後すぐ妻と一緒にポンピン堂を立ち上げたんです」(大野氏)。日本には300年もの歴史の中で、さまざまなフィルタリングに堪え、今に残ってきたデザインがたくさんある。海外のデザインも素晴らしいけれど、それに負けないくらい素晴らしいデザインが日本にもあることを多くの人に知ってほしいのだと言う。この小さな守袋には、そんな大野氏の想いが込められている。

大切な人への贈り物としても重宝されている「ポンピン堂の守袋」

用途は様々。お菓子に印鑑、 
アクセサリー入れにも

ポンピン堂に守袋が登場したのは、ちょうど13年くらい前のこと。タバコがギリギリ入らないくらいの小さな袋は、もともとは江戸時代に「お守りを入れ、懐中にしのばせておく袋」として流行したが、現代ではどのような使い方があるのだろう。「例えば、お菓子、印鑑、お薬、スマートフォンなどの充電器などを入れるという声もありました。また最近では、もともとの使い方である『お守り入れ』としてお買い求めいただく方も増えています」と大野氏が語る通り様々なモノを入れられる。口の部分が両縛りになっているので、アクセサリーなど細かいものを持ち歩くのにも向いているだろう。自分に合った用途を見つけるのも楽しい。

守袋は想いの受け皿。“依り代”のようなもの

守袋は想いの受け皿。
“依り代”のようなもの

縁起柄の守袋は、大切な人への贈り物としても重宝されている。例えば、体調を崩した友人に「早く良くなってほしい」という祈りを込めて「六瓢」の守袋を贈る。あるいは早春に新芽を出すワラビになぞらえた健康祈願のモチーフである「早蕨(さわらび)」など、相手へのメッセージを縁起柄に込めることができる。「守袋は単なる巾着ではなく、想いの受け皿。ある種の“依り代”のようなものなのかもしれません」(大野氏)。紋様ひとつひとつの由来を知り、相手に届けたい最もしっくりくるメッセージを選び抜く……そんな奥ゆかしい方法で伝える“思い”は、ときに言葉よりも強く相手の心に届くだろう。贈る人と受け取る人の気持ちを繋ぎ、優しく寄り添ってくれる頼もしい存在がこの守袋なのだ。

守袋/干支柄
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