酒の楽しさ、切子の味わい。最高のハーモニーへ導く
①酒を最高に楽しむための江戸切子、誕生!
酒の香り、味わい、色をチェックする場合、ワイングラスのように膨らんだ無色透明グラスが最適とされている。現代の酒好きが求めるグラスの形に寄り添いながら、江戸切子らしさを表現するには? 石原圭悟氏がおくる「酒楽」が、その問いに答えてくれた。
②無地に写り込む無限の反射
ボトムの肉厚部分を除いてガラスカットがほとんどないのは、酒の色がよく見えるように。無色の透きガラスを選んだのも同じ理由だが、透きだとカットがない部分にもカット面が激しく写り込むので、江戸切子らしい華美な雰囲気もある。
下部は丸いカットで周囲を覆う。ここから見ると側面や底が乱反射し、万華鏡を覗いたような心地に。ちなみにそれほど大きくないサイズで、女性や手が小さい方でも扱いやすい。
凹んだ底には菊のカット。見込みから覗くと、カットが少ない切子とは思えないほどのゴージャスさ。下部に深いカットを入れているからこその輝きだ。
石原圭悟氏の作品の魅力とは?
石原氏は硝子工芸の街・蒲田の「東亜硝子工芸」に所属。「江戸切子に一目惚れしこの世界に飛び込んだ」と語る職人だ。江戸切子界では若手ながら、2021年の全国伝統的工芸品公募展で若手奨励賞を、2022年は北近江サケグラス公募展に入選、江戸切子新作展 東急プラザ賞など数々の受賞歴を誇る腕前を持つ。
③「グラスではなく酒が主役の江戸切子を」
先に挙げた賞ではいずれも縦の線をびっしりと刻んだデザインを特徴としていた。しかし今作では打って変わって最小限のカット。「カットを多く入れるとグラスに意識が向いてしまう。お酒そのものを楽しむための江戸切子をテーマに作ってみようと思いました」。カットではなく、光の屈折と写り込みで絢爛な様子を活写した。
④形もカラーも、すべては酒のために
グラスの形にもこだわった。ワイングラスのようにボウル部分があり、上に行くほどすぼまる形は、香りをためてから鼻に向けて集中させる効果をもたらす。薄い口縁で味もわかりやすい。酒の香り、味わい、色を分析するように楽しめ、江戸切子を使う喜びにも満ちている、「酒楽」の名にぴったりのグラスだ。
石原 圭悟 プロフィール
東亜硝子工芸(株)所属 切子職人
職人歴4年
2018年 東亜硝子工芸(株)入社
2021年 全国伝統的工芸品公募展 若手奨励賞
2022年 江戸切子新作展 東急プラザ賞
2022年 伊丹国際クラフト展 入選
2022年 北近江サケグラス公募展 入選
アイテム詳細
素材:クリスタル硝子
サイズ(最大直径×高さ):Φ65×92mm
容量:約250ml
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