花見の席での一献にいかが?
江戸切子の技に酔う、桜のぐい呑み
■ひらりさらさら、軽やかに。春を思わせる江戸切子
「春の小川はさらさら行くよ」という歌や、桜がひらひらと舞い落ちる姿などを連想するように、春にはどうやら軽やかな形容詞が似合うようだ。今回、藤巻百貨店5周年を記念して但野硝子加工所より届いた江戸切子は桜をモチーフにした、まさにそんな「ふわりと軽やか」な春のイメージが伝わる特別な逸品。「金赤」と呼ばれるピンクの色被せ硝子を、得意のぼかしによってうっすらとグラデーションをつけながら削っていき、透け感にうっとりとさせられる5弁の桜の花びらを表現。桜の下で飲んでいたら、散った花びらが酒器の中に…、なんてオツなシチュエーションもありそうだ。このぐいのみはもう、お花見で使うしかない。
■建築家出身、気鋭の作家但野英芳氏
「グラスの切り出しよりもデザイン案を考えるほうがより時間がかかりますね」と但野氏は語るが、但野氏の現代的なデザインと細やかな手仕事には、ルーツがあった。「父が江戸切子作家で、幼少時代から江戸切子は身近な存在でしたが、じつは全く興味がありませんでした」(但野氏)。建築の道にすすみ、設計事務所に就職。建築物のデザインをひく毎日を送っていたある時、父がコンクール用に作った江戸切子の輝きを目の当たりにする。同じものがふたつとない、ものづくりの素晴らしさを知り、会社を辞めて父のもとへ弟子入りした。しかし、ただ「伝統工芸を継ぐ」という意思はなかった。伝えるだけでは新しいものはできない。但野氏は自分が表現したいものを形作る方法として、切子を選んだ。
■複雑な菊籠目と、桜の花びらの細部に注目
今回のぐい呑みで顕著なのは、ボディの複雑なカットだ。これは江戸切子の伝統文様である2つの技法、菊のようなカットの「菊繋ぎ」と、表面のガラスをを六角または八角に残す「籠目」を組み合わせた「菊籠目」と呼ばれる文様で、数あるパターンのなかでも最も難しいもの。ピンク色のつぶつぶとした小さな突起が整然と並ぶ姿は圧巻だ。そして底の花びらにも一工夫が。色被せ硝子は底になるほど色がたまって濃くなりやすいという特徴があるため、ただ花びら模様を作るだけでは重たい印象になってしまう。但野氏は中央部にむかうにつれてうっすらとぼかし、おしべを彫った。よって、しっかりと桜色の花びらを感じさせつつも、グラデーションを作ることで軽やかな印象に仕上がった。
■飾るもよし、桜に思いを寄せるもよし
手に持ってみると、クリスタルガラスらしい量感のある重さがあり、つぶつぶが手に新鮮な感覚をもたらしてくれる。飲み口の部分は無色だが、その下には少しだけピンク色を残した帯があり、このグラデーションもまた見どころ。ひたすらに複雑なカットを施し、残すところはパキっと残すという但野氏のダイナミックな造形が存分に感じられるぐい呑みだ。前述のように花見の宴席で、本物の桜を見ながら日本酒をクイッと飲んだり、または晩酌の時間にまだ見ぬ桜に思いを馳せてみたり、使い方はあなた次第。数量限定なので、このアイテムの所有感にひたれる人はごくわずか。迷っている暇はない。
ディティール
アイテム詳細
製造国: 日本
素材: クリスタル
サイズ:口径6cm、高さ 5cm
※職人による手作りのため、商品によってサイズは若干の誤差がございます。あらかじめご了承ください。
※表示画像と実際の商品の色味は、お客様のモニターの状態や環境光等によって違って見える場合があります。
※素材の特性上、温度差にとても弱い商品です。割れてしまうおそれがあるため、熱いお湯(40℃以上)は注がないでください。
※電子レンジや食器洗浄機・乾燥機はご使用いただけません。
※使用後はこまめに柔らかい布などで乾拭きし、汚れやほこりを落としてください。
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