真鍮の表情をこれでもかと引き出したクラフト時計
素材の個性を味わいを尽くす、ゴールドとブルーの美
■「四角い時計」の名手が、真鍮の個性を引き出す
作り手の想いが込められた独創的なフォルムに、手作りならではの温かみのある佇まい。既存の時計とは一線を画した個性溢れる雰囲気を持つクラフト時計が、新たなムーブメントとして、今注目を浴びている。気鋭の時計作家たちの世界観を写しこんだ、アーティスティックなクラフト腕時計を送り出す「ArtyArty」は、優しい雰囲気を感じさせるものづくりをテーマに個性的なアイテムを発信し続けるブランド。「机の上より、身につけた時により美しいこと」をデザインテーマに掲げる造形作家・K1こと齊藤桂一氏の新作は、代名詞である「スクエアフォルム」の腕時計をさらにブラッシュアップさせたもの。無垢な真鍮を磨かずに、金属そのものの美しさを生かしたたたずまい。またはバーナーの炎で化学変化を起こし、古色を帯びたブルーをまとった文字盤。味わい深いクラフト時計の神髄がここに宿る。
■造形作家のマインドで作り出すクラフト時計
K1氏はアパレルメーカーの宣伝部で新聞や雑誌の広告、ロゴなどの作成に携わった後、フリーのグラフィックデザイナーに転身。様々な仕事を請け負う中で、自身の作品の表現方法としてオブジェやアクセサリーの制作をはじめた。そうした中作り始めたのがクラフト時計だ。「その素材が持つ形を生かしたい。きれいなものをそのまま使うのが私の造形の特徴ですね」(K1氏)。アールデコ様式の食器や建築などにインスパイアされたという氏の作風と、手作りならではの温かみは時計の表情を優しくさせる。
■真鍮の隠れた魅力を、ゴールドとブルーに込める
藤巻百貨店ですでに展開している「キャラメルM」と同様、四角いケースの腕時計が「Cristallize gold/aurora」。四角というのはクラフト時計の中でも珍しい部類で、というのも裏蓋まで自作する必要があるためひとつを作り上げるまで非常に時間がかかる。しかしステンレスとは異なる温かみのある真鍮の風合いが裏蓋までトータルに表現されているのは、この時計ならでは。ひとつひとつ異なる個体差がまた「一点モノ」好きの心をくすぐる。「gold」の文字盤は、結晶化した真鍮をそのまま生かしたキラキラした表情を持ち、真鍮の金色がそのまま楽しめる。一方の「aurora」は、「gold」にバーナーの炎を当て、アンティークな風合いのブルーを主体とする色の酸化被膜を作り出した。星々がちりばめられた宇宙の銀河系を思わせる顔つきは、何度見ても見飽きることがない。
■青の装いにベストマッチ! 経年変化も見逃せない
真鍮のゴールド×酸化被膜のブルーは相性のいいカラーリングであり、そのままスタイリングにも応用するとすっきりと決まる。ブルー系のシャツやジャケットの腕にそっと「Cristallize」を忍ばせれば、ふとした瞬間にチラリと見えるゴールドのカラーがアクセントに。カジュアルアイテムに抜群に似合うものの、ビジネスファッションの外しとして身につければ周囲の目を引き、話のきっかけになる時計の役割も果たしそう。真鍮は使い続けることでくすみが増していき、味わいが深くなる経年変化が楽しめる素材。明るいブラウンのベルトも徐々に濃い色に変化していくので、どちらも使い続けていくことで唯一無二のアイテムとなる。ベルトの裏にはK1氏の手で高分子ポリマー樹脂を塗ってコーティングされており、汗や皮脂を染み込みにくくすることで長く使えるように工夫した。クラフト時計でしかたどり着けない独自の世界で、自身の腕を飾ってみては。
カラーバリエーション
アイテム詳細
素材:ケース、ベルト留め具、裏蓋/真鍮、ベルト/牛革、風防/ガラス
全長約:約245mm
ケース直径:約33mm
ケース厚さ:約11mm
重量:約36g
ムーブメント:日本製クオーツムーブメント(SEIKO社)