悶絶級の張子! 伝統工芸の技で現代の「カワイイ」を表現した香川の張子虎
■立ち姿がめちゃキュート。伝統工芸「張子虎」のかわいさよ!
古くから日本で愛されてきた張子人形は、そのデフォルメされた姿が現代の目で見ると新鮮で、思わず「カワイイ!」と快哉を叫んでしまうアイテム。香川県の伝統的工芸品「張子虎」もそんな張子のひとつで、わずかな継承者である田井艶子さんの手で愛くるしい虎が生み出されている。この顔、この立ち姿が、超カワイイ!
■手のひらサイズの虎ちゃんの顔にときめく。髭は藤巻だけの別注!
今回登場する「豆虎」は、田井さんが作る張子虎の中でも最も小さい部類。顔は、太い緑色の眉、釣り上がった目、大きく開けた口が特徴で、小さくても威勢のよい表情に心がときめく。もちろん絵付けはすべて手描き。黄色以外の4色は、藤巻百貨店と意見交換しながら今回初めて製作したエクスクルーシブカラー。髭は通常ナイロン糸のところ、特別に馬の尻尾の毛を付けてもらったスペシャル仕様でお届けする!
■地域に根ざした、子どものための人形「張子虎」の継承者
明治初年創業、田井民芸の5代目である田井さんは約50年ものあいだ張子を作り続けている伝統工芸士だ。「田井民芸が作ってきた張子虎は勇ましい顔かたちをしていて、大きなものでは子どもが乗れるくらいのものもあります。ちょっと怖い顔つきですが、『白いから人の顔に似てるね』とも言われますよ」。香川県の「張子虎」は三豊市を中心とする西讃地方で江戸時代から作られてきた工芸品で、「子どもが強くたくましく育ってほしい」と願いを込め、端午の節句などの飾り物として使われてきた。だからこその勇ましさだ。
■カワイイ美意識を貫く田井民芸の感覚に、世界が追いついた!
今ではそんな風習をなぞる家庭も少なくなってしまい、作り手は田井民芸ともう一軒を残すのみに。しかし今度は田井さんの作る小さい豆虎が、三豊を超えて大きな広がりを見せている。伝統の張子虎と豆虎の表情の違いは大きく、同じ作り手とは思えないほどの振り幅。田井さんは、香川県がコラボしたポケモンの「ヤドン」の張子も手がけていて、こちらは入手するのに数ヶ月待ちの人気アイテムとなっている。カワイイ張子を作るのがめちゃくちゃ得意なのだ。
■貼って乾燥、塗って乾燥。時間をかけて張子に魂を入れていく
そんな張子だが、手作りゆえにやはり大変な手間がいる。まず、型師が作った木型に和紙を貼り付けていき、乾燥させて張子の地を作ることから始まる。その後、一部を割いて中の木型を取り外し、ニカワで接着。さらに、ニカワと胡粉を混ぜた白い液をまとわせて乾燥させる。大きなものはひとつの工程が大変。小さなものは数が多くて大変。いずれもとても時間のかかる仕事だ。
■フリーハンドの絵付けは、すべてが一点もの!
カワイイの肝となる絵付けは、「昔ながらの大きくて勇ましい張子虎と違って、小さいサイズは、かわいく、愛らしくと思いながら描いています」と田井さん。豆虎はアクリル絵の具を使い、パキッと鮮やかな色調が特徴。ベースの黄色や青、虎の体の模様、眉毛、目、口…等々、時にはっきりと、時に筆先のかすれを駆使しながら、フリーハンドで丁寧に虎を映し出していく。つまり、ひとつひとつの表情が微妙に異なり、すべてが一点ものの張子虎となるということだ。
■さらに首もフリフリするなんて……降参です!
このような工程を経て完成したのは5色の張子虎。田井民芸で定番の黄色をはじめ、インテリアや他の置物と調和するように、白、黒、赤、青のカラーを今回初めてラインナップした。柄は金の彩色で特別感もアリ。そして見ての通りの首振り仕様。おもりを仕込んで頭を浮かせていて、ちょんと触れれば首がフリフリする。その姿もまたカワイイこと! 別注の髭は馬毛ならではの高級感があり、張子虎をよりグッドな佇まいにしている。
■「縁起」と「いわれ」を込めたプレゼントに最適
この張子虎をどんなふうに使おうか? まずは本来的な香川の張子虎として子どもの健康を願って贈ったり、厄除けの意味を込めたり。また虎は「一日で千里行って千里帰る」といういわれから、旅好きへの安全祈願に。虎の金色の縞模様は金運の象徴として、寅の日は金運招来日ともいわれるから、商売繁盛のしるしにも。幸福の意味を込めてホワイトタイガー(白虎)になぞらえたり、紅白で並べたりと、色にも意味を持たせて複数飾るのもいい。
とにかくこのかわいさに癒されるべく、仕事のデスクに置いておくのもいいかも。小さくて場所を取らず、意味の込もった張子虎を、ちょっとしたプレゼントに選んでみるのはいかが?
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