モダンな越前漆器を発表する「土直漆器」より
月がゆらめく漆の酒器セットが登場!
■伝統工芸「越前漆器」の担い手として
福井県には伝統工芸が7つもある。すなわち、越前和紙、若狭めのう細工、若狭塗、越前打刃物、越前焼、越前箪笥、そして今回紹介する越前漆器だ。全国の漆工芸の中でも特に古くから存在し、なんと約1500年も前から産業としての歴史があるというのだから驚く。現在も福井県で50社ほどの企業がその技術を伝えており、旅館やホテルなど業務用の漆器のシェアは国内の80%を誇る。「土直漆器(つちなおしっき)」は現代表の土田直東氏のお父様が1980年に創業。以来、漆塗りのお椀などを主に作り続けてきた。土田氏は越前漆器に現代のデザイン感覚を取り入れ、iPhoneケースやこども用漆器など、漆器に「モダン」を感じさせるシリーズを次々に発表している。
■一貫した漆塗り工程にこだわる土直漆器
福井県鯖江市河和田を中心に作られている越前漆器は、その地域全体で分業体制が確立しており、下地、塗り、加飾、磨きなどの工程を高度に専門化することで質の高い漆器を生み出してきた。それに対して「土直漆器」はそれぞれの専門の職人を抱え、一連の工程を一貫して行える数少ないメーカー。社内で仕上がりを確認しながら、クオリティの高い漆器を安定供給できるメリットがあり、漆器のものづくりを最初から最後まで見届ける体制を整えている。そんな漆器のノウハウを知り尽くした「土直漆器」から今回登場するのは、片口と杯の酒器セット。漆の酒器といえば朱色や黒の格の高いものを想像してしまうが、こちらは赤茶色に塗り上げたモダンな表情でどこか親しみやすい。
■器をのぞき込めば、幻想的に佇む飴色の月が
「お月見酒器セット」の素地に使う木は木目が美しい「欅(ケヤキ)」を採用し、漆を塗っても木目を楽しめるように素材が透き通る「木地呂塗り」を施す。使えば使うほどに美しく透け、より赤茶色が増していき、漆の経年変化が堪能できるように作られている。また特徴的なのが見込み部分に銀で手描きされた「月」。二つの杯には満月と三日月を、片口には日本の伝統的デザインである家紋に用いられる「真向き月に星」をそれぞれ描き出す。日本酒を注ぎ、液体の動きによってゆらめく月を眺めながら飲むとは、なんとも風情のある酒器のセットだ。
■日本人になじみ深い月夜の晩酌のお供に
日本酒のおいしさが見つめ直されている昨今。土田氏は「ビールやワインなどに加えて、日本酒を楽しむ人が増えている印象があった」と、片口と杯をセットにした漆器のアイデアが浮かんだという。また、満月、上弦の月、十五夜、十三夜、おぼろ月、白月……等々、月の時期・形・様子を表す言葉には暇がないほど、日本人と月とのかかわりは深い。そんな風流な言葉とともに古来から伝わるのが、花見同様に月を見ながらお酒を飲む「月見酒」。女性的な片口の曲線美に、落ち着きのある赤茶色が静謐な佇まいを醸し出し、月見酒のシーンにそっと寄り添う。大切な人と過ごす静かな月夜の一献にはぜひ、月とお酒が惹かれあうようなこの酒器を。
デザイン
アイテム詳細
仕様:片口×1、杯×2のセットです。
素材:欅(ケヤキ)、漆
サイズ:片口/高さ7cm×口径10cm、杯/高さ2.9cm×口径7.5cm
梱包サイズ:高さ7.5cm×横10.5cm×奥行10.5cm本体総重量:135g製造国:日本
※お手入れ方法
・長時間湯水に浸しておくことは避けてください。使用後できるだけ早く洗い、柔らかい布で水気をぬぐい、乾いた布で拭いておきますと長持ちいたします。
・新しい漆器の匂いが気になる場合は、米びつの中に数日間いれておくか、薄めた酢で軽く拭くと効果的です。
・油のしみ出ているものや、指紋がついた場合には、柔らかい布や紙で丁寧に拭きとってください。
※使用上の注意
・ご使用の際は、お子様が誤った使い方をしないようにご注意ください。
・天然木、天然漆のため、ごくまれに変形、変色する恐れがありますので直射日光を避けて保管してください。
・たわし又はみがき粉の使用は避けてください。
・食器洗浄機・乾燥機等の使用はしないでください。
・直火、電子レンジ、オーブン等の使用はしないでください。
・体質により、漆等の塗料でかぶれることがあります。異常を感じたときは使用をお止めいただき専門医にご相談ください。
・割れ、ひびが入った場合は、使用を中止してください。