伝統工芸品・九谷焼の技術を守り、継承しながらも、世界中の人々に幅広く知ってもらい使ってもらえるように…。そんな想いから誕生した「九谷和グラス」。磁器と硝子の異素材を融合させた極上のロックグラスは、至福のひとときに彩りをそえる。
伝統工芸を用いたグラスが
現代に馴染む新たな食器を提案
加賀百万石文化の豪放華麗な美意識に強い影響を受け、その後、多彩な画風を取り込んできた石川県の伝統工芸品・九谷焼。“九谷五彩(赤、黄、緑、紫、紺青)”とよばれる独特の鮮やかな色合い、金箔を焼き付けて文様を表した“金欄手”、重厚な絵画調の上絵が特徴の色絵磁器だ。古来よりそれぞれの工程を分業で作陶し、窯元が素地を作成。その素地へ絵付職人が加飾(絵付け)を行うことで、一つの作品が完成する。その九谷焼の伝統を守ると同時に、現代のライフスタイルに馴染む食器の提案や開発に励んでいるのが、石川県能美市で「九谷和グラス」を手がける「清峰堂」だ。清峰堂が発信する磁器と硝子を融合させた「九谷和グラス」には、様々なこだわりと技術が凝縮されている。
柔軟な発想により生まれた
美しい絵柄と極上の使い心地を実現
清峰堂の2代目社長・清水則徳氏いわく「伝統工芸だからといって和食器だけを手がける時代ではなくなりました。九谷焼のよさを一層引き立てる新たな食器として開発したのが、この『九谷和グラス』です。磁器と硝子を融合させるうえで九谷焼の美しい絵柄と、グラスとしての使い心地を追求し、商品化に至るまでに約3年間の試行錯誤を繰り返しました」。清水氏の柔軟な発想から生まれたこのグラスには、独自に開発した特殊な接合技術を採用。2006年、この特殊技術が、主に医療関係や先端技術に対して与えられるグッドデザイン賞「新領域デザイン部門」の受賞により、九谷和グラスの知名度は一気に上昇したのだ。
日常の道具の域を越えた
五感で愛でる九谷和グラス
九谷焼を現代のライフスタイルに合った親しみやすい商品へと導いた「九谷和グラス」の「ロックグラス」。通常、磁器と硝子という異素材を接着させると、透明感のある美しい響きを損なう可能性がある。しかし、このロックグラスは、独自開発の特殊な接合技術と特注で作られたファインクリスタルを用いることで、グラスの持つ澄み切った音の響きを実現。グラスは熟練職人の手吹きにより、通常の硝子製のロックグラスの底より薄く、小ぶりで持ちやすいサイズに仕上げている。また、硝子の側面に底面の磁器の色と絵柄が映りこみ、見る角度によって様々な表情が楽しめる。まるで芸術品のような美しさを持つグラスといえるだろう。
ラグジュアリーなひとときを
共に過ごす優美なロックグラス
「海外でも“ジャパンクタニ”として人気を誇る九谷焼に今までにないデザインを追求し、使っていただいた時の“かっこよさ”を実感していただきたいです。ロックグラスを覗き込むと底面に絵柄がはっきりと写り、ファインクリスタルならではの光沢感と透明感を実感していただけると思います」(清水氏)。グラスと磁器の接合部分にはくびれができるため、手にとった際にちょうど薬指がはまり、持ちやすさへのこだわりも追求されている。日常の中で、グラスと共にラグジュアリーな時間を楽しむことができるロックグラスといえるだろう。その日の気分や飲み物の種類に合わせて、絵柄を選んで楽しんでいただきたい。普段使いはもちろん、自分への“ご褒美”や、木箱がセットになっているので大切な人への贈り物にも喜ばれるはずだ。
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