倉敷が生んだ帆布生地の名作「タイガー帆布」のトート
他とは一味違う、武骨なたたずまいを使いこなせ
■その強さに圧倒! タイガー帆布のトート
自衛隊のテントにも使われる、頑丈で撥水力の高いパラフィン加工を施した「タイガー帆布」が話題だ。船の帆やトラックの荷台、学生鞄などに採用されてきた強い生地である帆布は、使い続けることで風合いの変化が起き愛着が増していく素材。それをさらに強靭なものにしたタイガー帆布を使ったバッグは、ちょっとやそっとじゃヘタらず、長く付き合うことができる。藤巻百貨店ではリュック、ミニバッグと展開してきたが、満を持して登場するのがこのトート! 手掛けるのはやはり岡山の帆布の有力生地メーカー・TAKEYARI(タケヤリ)。帆布トートは各社から出ているが、タイガー帆布で仕立てたそれは他とはまったく異なる表情を宿し、外ポケットが豊富で収納も抜群だ。ぜひ生地の良さ&トートの使いやすさを実感していただきたい。
■その歴史は130年を超える。倉敷の帆布製造といえばココ
岡山県倉敷市の帆布製造「TAKEYARI」は1888年(明治21年)創業と歴史の古いメーカーで、帆布の原反である「生機(きばた)」を生産して商社に卸すことが主な仕事だ。いま皆さんの手元にある帆布製品が国内製造のものなら、もとをたどればタケヤリが作ったものである可能性が高い。なぜなら国産の帆布の7割は倉敷製であり、その中の半数以上がタケヤリの手によるものだから。革新織機も使うが、10番単糸という太い糸とギッチリとした密度の倉敷らしい帆布は、やはり旧式のシャトル織機で織り上げる。同社ではこの機械を40台も所有し、1~3号の極厚帆布を織ることができる国内唯一の工場なのだ。そんな帆布の魅力を生地メーカーから発信すべく、現会長の武鑓澄治氏(写真)が中心となってバッグそのものを作るようになったのは2000年代のこと。そして2018年からは、帆布の武骨さをそのまま生かしたメンズラインを発表している。
■撥水も! タイガー帆布が叶えた「固いのに柔らかい」
帆布の定義とは、一つは10番単糸を使うこと。タテ糸かヨコ糸に撚った糸を使うこと。そして平織りであることの3つだ。タテ糸とヨコ糸の本数を変えることで1号から11号までの厚さを織り分けている。しかしこれらは旧JIS規格と呼ばれる、現在では基準にしなくてもよい規格。だがタケヤリではいまでも同じ方法で、はるか昔から伝わるしっかりとした厚地の帆布を作ることを信念としている。今回は9号の厚さの帆布にパラフィンワックスを染み込ませた「タイガー帆布」使用。本来の9号帆布よりもガシッとした生地の固さがあり、リュックであれば自立するほど。しかしどこか柔らかな風合いも残しており、そんな相反する特長がとても新鮮だ。帆布はそもそも水に強い素材だが、パラフィンのおかげで撥水効果も持たせている。パラフィンを上から塗布するタイプもあるが、こちらはワックスそのものに浸けているため生地の中にまで染み込み、より効果が発揮できるとともに持続性も高い。使い続けることで少しずつ柔らかくなっていき、色も落ち着いてくる変化もまた帆布を使う醍醐味だ。デニムのような独特の「アタリ」や「チョークマーク」が出るエイジングもまたいい。
■コストパフォーマンス抜群。他とは違う見た目を楽しむ
ベーシックなトートといえば帆布で作られたものが定番。こちらは一般的なイメージをいい意味で裏切る帆布トートとなった。理由のひとつはタイガー帆布を使ったことで、普通の帆布よりもガッチリとした生地の硬さがあり、よりメンズっぽい印象になったこと。パラフィンの白い筋が入るのも、視覚的に一味違う生地であることがわかるポイントだ。ブラック、ネイビーのダークカラーも渋い。もうひとつは全体デザインで、いわゆる舟形トートのカタチだが、前面に3つ設けられたポケットが使いやすさを生んでいることだ。携帯やハンカチ、定期など、すぐに出せると便利なものをポンポン入れて自分流に使い方をカスタマイズする楽しみもある。Lサイズは大ぶりのトートとして、普段使いからジャケパンに合わせて仕事にも対応可能。Mサイズはミニトートよりもちょっと大きめといったサイズ感で、デジタルデバイスや本を持って、散歩やちょっとした用事に出かけるときに便利。コストパフォーマンスも高いので、ぜひ手に入れて使い倒してみて。
カラーバリエーション
【Mサイズ】
【Lサイズ】
ディテール
使用イメージ
アイテム詳細
仕様(M・L共通):内装/オープンポケット×3、外装/オープンポケット×3
素材:9号帆布 コットン100% 撥水加工
サイズ:Mサイズ/W44cm×H26cm(持ち手立ち上がり20cm)×D15cm、Lサイズ/ W51cm×H35cm(持ち手立ち上がり20cm)×D17cm
重量:Mサイズ/約510g、Lサイズ/約650g
日本製
【ご注意】
※パラフィン加工の特徴として、チョークマークと呼ばれる白い跡が製品に付いている場合があります。加工の特徴ですのであらかじめご了承ください。
(アイロンを当てることで軽減することが可能ですが、必ず当て布を使用してください。)
※お手入れの際は、乾いた布や毛先の柔らかいブラシなどで汚れを落としてください。汚れによっては白い消しゴムで軽くこすると落ちる場合もあります。
強くこすると色落ちの原因になりますのでご注意下さい。
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