
ゆらめき、煌めく、青き意志のかたち

埼玉県草加市に工房を構える「ミツワ硝子工芸」は、昭和46年の創業以来、伝統を受け継ぎつつも新しい表現方法を追求し続ける工房。渡部聖也氏は職人歴13年目で、数多くの受賞歴を誇る注目の職人だ。本作は10年前に初めて新作展に出した作品と同じテーマで制作した。「自分の中の重く深い情熱を吐き出した作品。20歳の時と、30歳になった今の自分の、一つの区切りがつけられた」と思いを込める。ブルーの色被せや、どろりと流れる抽象表現は、江戸切子への純粋な思いとは裏腹に常に葛藤を抱える不安定な心情の表れ。青のグラデーションや埋め尽くした菊籠目で、透明と不透明を行き来する怒りにも似た渡部氏ならではの“情熱”のかたちを活写している。

プロフィール

渡部 聖也
- (株)ミツワ硝子工芸所属 切子職人
- 職人歴:13年
- 2015年 第27回江戸切子新作展 組合理事長賞
- 2016年 第28回江戸切子新作展 東京都産業労働局長賞
- 2021年 第33回江戸切子新作展 経済産業省製造産業局長賞
- 2022年 第34回江戸切子新作展 東京都産業労働局長賞
- 2022年 第70回記念埼玉県美術展覧会 工芸部 入選
- 2023年 第35回江戸切子新作展 経済産業省製造産業局長賞
- その他受賞歴あり
アイテム詳細
作品のカテゴリ:鉢
サイズ(最大Ф×Hmm):300×105
素材:クリスタルガラス