漆黒のグラスに宿した“光が生まれる瞬間”
シンプルなのに新しい、センス迸るオールドグラス「輝」
■稀代の若手切子作家の新たな世界。まさに威風堂々!
数ある江戸切子作品の中でも、伝統工芸士による作品は特別な意味を持つ。片手に納まるような、本来は日常の道具でしかないはずのグラスであっても、カット一つに、色の残し方ひとつに、歴然たる職人技の妙が自然と表れるのだ。これからお見せする「輝」という作品は、江戸切子ブランド「彩鳳」で知られる「ミツワ硝子工芸」きっての切子作家であり、才能迸る伝統工芸士・細小路 圭氏の最新作にあたる。漆黒の黒から透きが螺旋状に絡んだ意匠が光る佇まいは、シンプルそのものと言えるかもしれないが、「一体どうなっているのか?」と、簡単に目を離すことのできない“輝き”が見てとれるだろう。そうして細部を見ていくと、そこに隠された硝子と作家の精緻なやりとりが浮き彫りになってくるのだ。稀代の切子作家が挑んだ「シンプルなのに新しい」テーマに刮目いただきたい。
■斬新な表現で心を掴む伝統工芸士 細小路圭
埼玉県草加市に工房を構える「ミツワ硝子工芸」。昭和46年の創業以来、伝統を受け継ぎつつも常に新取果敢な姿勢を貫く。現在も10名ほどの職人を擁し、20~30代の若手作家が切磋琢磨する活気あふれる工房だ。細小路 圭氏は、工房の職人たちを牽引するリーダー的存在である。氏が「日本の伝統工芸士」に認定されたのは2019年のことだが、その実力は折り紙付きで、江戸切子新作展で並み居る名匠たちに並んで、数多くの受賞歴を誇るほど。まさに凄腕の若手作家の一人である。目覚ましい活躍を見せる中、2021年は「シンプルなデザインでも細かな技術を中に加え、新しい楽しみ方を見せていきたい」と話す。「切子でしかなし得ない、それでいて新しい表現」による意匠は、見る人、使う人の目を惹き付けるには十分すぎるほどの輝きを放つ。
■光が生まれる瞬間を宿す、格子と玉の連なり
テーマは「光が生まれる瞬間」。江戸切子にとって「光」は、その作品の魅力を最大限に引き出すうえで欠かせない。本作は、江戸切子を通じて、その光の輪郭を捉えてみせた。素材は上質な田島硝子のソーダ硝子で、漆黒の素地に玉文様と格子文様が細やかに刻まれている。螺旋状になった漆黒の縦のラインは文字通り「光のステージ」のような役割を担い、きらきらと光る玉の文様が際立つ仕上がりにまとめた。「漆黒から輝く光までを1つのグラスにまとめたかったんです。玉文様を細かな格子の中に入れることで、更に光が拡がるようにしています」と、この繊細な意匠を生み出した若き伝統工芸士、細小路氏は話す。小さな粒を生み出すひとつひとつのカットが、光を呼び込みながら乱反射する光景は見事。そもそもが光を吸収してしまう黒の素地から、光が誕生する瞬間を表す。元来が道具であるグラスでこれだけの芸術性を味わえるのは、江戸切子の醍醐味のひとつとも言えよう。
■最高の酒時間をつくる、とっておきの酒器
細小路圭氏によるオールドグラス「輝」。容量は約300mlで、ロック飲みはもちろん、ビールなどの泡モノにも適しており、使い方の幅は実に広いサイズ感になっている。ウィスキーなどの琥珀色を入れるのはもちろん、焼酎など透明なドリンクを注いで、光の広がりと酒をじっくりと楽しむのもオススメだ。酒器一つで晩酌の心地良さは大きく変わるもの。豊かな酒時間をつくるのは、最高の酒だけではなく、お気に入りの酒器も欠かせない。たった一つと言わず、気に入ったものをいろいろとコレクションして、気分に合わせて楽しんでいる方々も少なくないはず。今宵はひとつ、稀代の伝統工芸士による秀作を選択肢に。光を肴にしっぽり味わう。そんな時間も一興ではないだろうか。
細小路 圭 プロフィール
(株)ミツワ硝子工芸所属の切子職人
職人歴14年
2009年 第21回江戸切子新作展 佳作
2011年 第23回江戸切子新作展 組合理事長賞
2014年 第26回江戸切子新作展 東京都知事賞
2018年 第30回江戸切子新作展 経済産業省 製造産業局長賞
2019年 日本の伝統工芸士に認定される
アイテム詳細
素材:ソーダガラス
サイズ:φ86×H96/300ml(個体差有)
重さ:250g(個体差有)
製造国:日本
桐箱に入れてのお届け
※食洗機・電子レンジ不可
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