
墨文様の美的感覚は、ペルシャに通ず

江戸切子界で初めて“親子で伝統工芸士に認定された篠崎清一氏と篠崎英明氏が率いる「篠崎硝子工芸所」。2014年にこの世界に飛び込んだ三代目・翔太氏は「祖父や父の意志を継ぎながらも、祖父や父とはまた違った切り口でデザインに挑みたい」と日々研鑽を積む。本作はペルシャ絨毯の文様の絢爛さから着想を得て、切子の伝統文様と曲線で表現した意欲作。カガミクリスタル特有の墨流し色の宙吹き大鉢に、菊繋ぎ、菊籠目、六角籠目、魚子、蜘蛛の巣などなるべく多くの江戸切子の伝統文様を刻んだ。それなのに、曲線の強弱を駆使することで中東を思わせるデザインになっているのがユニークだ。上から覗きこんだ際に綺麗に見えるように気を遣ったカットも見どころ。

プロフィール

篠﨑 翔太
- 2014年 篠﨑硝子工芸所 入社
- 2021年 第33回江戸切子新作展 東京都産業労働局長賞
- 同年 全国伝統的工芸品公募展 入選
- 2022年 第34回江戸切子新作展 江東区議会議長賞
- 同年 全国伝統的工芸品公募展 若手奨励賞
アイテム詳細
作品のカテゴリ:鉢
サイズ(最大Ф×Hmm):255×152
素材:クリスタル