【大峽製鞄】イブニングパース

■日本を代表する、皇室御用達の老舗鞄メーカー
鞄作りに携わること80年。手仕事による縫製を貫き、至高の品質を守り続け、長年にわたり“本物の鞄”を探求してきた大峽製鞄（おおばせいほう）。創業以来、数々のビジネスアイテムをはじめ、皇室の薬箱や有名小学校のランドセルなども手掛けてきた日本を代表する老舗鞄メーカーだ。「最も良い革を使う」「丁寧な仕事をする」「デザインは極力シンプル に」の3つのポリシーを守り、これまでに文部大臣賞７回、東京都知事賞11回、通産大臣賞、経済産業大臣賞と数々の賞を受賞。国内外の多くのファンを魅了し続けている。世界の一流メゾンがラブコールを送る欧州随一のタンナーの極上レザーに、海外の展示会などで注目を集める大峽の職人技。それに加えて、服飾評論家の故落合正勝氏をアドバイザーに迎えるなど、素材と技術の揺るぎない基盤の上に新たなテイストを加え、同社ならではの製品創りに取り組んでいる。

■ＮＹのパーティーで出会った新たな財布のカタチ
2015年で創業80年。「シンプルであるほど、革の良さと職人の腕が如実に現れます」（同社専務・大峽宏造氏）と、創業以来一貫してそのこだわりを製品に落とし込み表現してきた。そんな大峽製鞄から、2016年に発売する新たなデザインの長財布が「イブニングパース」だ。このアイテムの発端となったのは、ニューヨークのセレブたちが集うホテルで大峽氏が出会ったワンシーンだという。「夜のパーティーに参加していたときのことでした。ドレス姿の女性が、手に持っていたパーティーバッグ風の財布からiPhoneを取り出して電話をしたのです。その姿が率直にかっこよくて、こういうアイテムがあるのか！ と感銘を受けたところからアイデアが浮かびました」（同）。単にスマホを財布に入れたければ容量を大きくすればいいが、大峽氏は「必要十分なサイズ」を目指し、女性にも扱いやすいコンパクトなフォルムを実現。なんともエレガントな風格を漂わせている。

■その造りはもはや“鞄”。大峽の革小物へのこだわり
作るものが財布になっても、大峽製鞄のポリシーは変わらない。中でも“鞄と同じ仕立ての革小物”は昔から大峽製鞄の売りだという。通常の革小物では使わないような太い針に太い糸でこしらえ、ステッチワークもビシッとそろえる。「ミシン目には表情がある。それがなければ、大峽製鞄の製品とはいえない」と大峽氏が言うように、その完成度はエルメスなどヨーロッパの一流メゾンの製品を職人に見せて「糸目の大事さ」を徹底させた賜物。思わずため息が出るようなエレガントな表情は、一見それとわからないような小さなことの積み重ねで生まれているのだ。革は同社の十八番「ジャーマン・シュリンクレザー」を採用。抜群のしなやかさに加え、防傷、弾力性に優れており、長い間常用しても色落ちや日焼けの心配が少ない。入手が難しい良質な原皮を使えるのも、タンナーとの絆が深い同社だからこそ。美しいカラーとともに、革のよさ、造りのよさを堪能したいと思わせてくれる。

■控えめ、しかし上質。パーティーやランチに大活躍
iPhoneをはじめスマートフォンが入るため、この長財布ひとつで出歩くことができるのが「イブニングパース」の特徴だ。特に大峽氏が見たようなパーティーシーンでは、財布とポーチを兼ねることができるので重宝する。見ただけで上質とわかる革の風合いだが、主張しすぎることはなく、ドレスウェアとの相性がいい上、パーティーの雰囲気ともマッチしそうだ。また職場のランチで財布とスマホを持っていく際にもひとつにまとめられ、ストラップが付属するので手提げのように持ち歩ける。長方形の2辺にジップを配した「L字ファスナー」仕様だから、スピーディーに開けられてアクセスもしやすい。ユニセックスで使えるベーシックな形に、大峽製鞄ならではの格調の高さ、スリムなサイズ、スマホも入る機能性。どんなシーンで使おうかアイデアがどんどん膨らんでいく長財布だ。