ロックグラスに「蝶」が舞う
キラキラ感が漂う新作を先行発売
■先行発売、山田硝子の新作切子
職人の街・墨田区で三代に渡り江戸切子を作り続けている「山田硝子」の新作が、どこよりも早く藤巻百貨店に登場する。今回の江戸切子は「Butterfly(バタフライ)」と名付けられ、まるで蝶が舞っているかのような華麗な柄をそのボディに刻んだロックグラス。動植物の図案を得意とする山田硝子の面目躍如といえるこの逸品は、まだ山田真照氏が直接販売するケースのみでしか手に入れることができないというレアな江戸切子で、藤巻百貨店5周年を記念して特別に展開させてもらったアイテム。一見、伝統文様の組み合わせに見えるが、実は蝶の部分はすべて山田氏のオリジナルデザイン。黒とブルーという対照的なカラーで、どちらもそばに置いておきたいと思わせるニクいグラスだ。
■その職人技で一躍人気アイテムに
山田硝子は世界的なクリスタルガラスブランドを支える存在として、数々の名品を世に送り出してきた江戸切子工房で、現在は三代目の山田真照氏が工房を切り盛りしている。山田氏は短期間に多くの製品を彫ってきた経験から、どれだけ力をいれれば、どの程度の深さまで彫れるかを自らの手が覚えているという。その感覚はかなりの薄さのガラスを彫ることも可能にし、精密機械のような職人の手から生み出された江戸切子はまさに芸術。伝統的な幾何学模様や、植物や動物を彫る花切子のオリジナル商品、異なる素材とコラボレーションした商品を生み出すなど、積極的に新たな試みを続けている。藤巻百貨店でも「焔」や「縁繋ぎ」、「水玉万華鏡」などのグラスがプレゼント用に大人気だ。
■切子に羽ばたく「クリスタルの蝶」
まずはグラスに十字を刻むアイデアがあり、そこから手を動かしていくことで次第に蝶の表現にたどり着いたという山田氏。蝶の羽たる楕円のカットに注目してみると、カットの角度や深さを微妙に変えているのがわかる。こうすることにより、正面から見るとゆがんだような目の錯覚を起こし、それもまた蝶がキラキラとまたたいているように思えてくる。また、見る方向によって色の反射の具合も違いがあり、見ていて飽きることがない江戸切子に仕立てているのも魅力的だ。蝶と蝶との間にはあえてカットをせずに色を残した、その鋭角な表情にも引きつけられる。内側から模様を見てみると、表面とは違って今度はフラットに見えるので、そんなところもまたおもしろい。そして底にのみ、伝統文様である菊繋ぎ文を非常に細かなカットで施し、江戸切子を主張させている。
■黒とブルー、その印象の違いとは?
「Butterfly」は色によってイメージが異なるのもユニークなポイントだ。黒は落ち着きがあり、どっしりと構えたクリスタルガラスならではの重厚な印象を感じる。家族が寝静まったあとにやや照明を落とし、一人でゆっくりとウィスキーを嗜む。そんな時間にしっくりとくるロックグラスだ。一方、ブルーは江戸切子にしてはやや珍しいスカイブルーで、その抜群の透明感に目が離せなくなる逸品。ホワイトリキュールなど無色のお酒を注いで、その鮮やかなカラーを存分に堪能してみたい。ボディの中央付近にはぐるりと一周したカットが入り、手が引っかかるので持ちやすさにもつながっている。デザインと使いやすさがどちらも備わっている本アイテム。豊かなドリンクタイムを過ごしたいあなたに、山田氏が描きだす花鳥風月をすすめたい。