職人の手で磨き抜き、他にはない江戸切子に
藤巻百貨店オリジナルの「黒」切子が誕生
■ここでしか手に入らない珠玉の「黒オールド」
細かいカットを全面に施し、見るからに豪華絢爛な姿を愛でるのが江戸切子の楽しみ方のひとつ。しかし、江戸切子の魅力はそれだけではない。技法に思いを馳せ、文様の組み合わせに感心し、かつそれを使っておいしいお酒を飲むという酒器ならではの遊び方もまた面白いもの。それにふさわしい江戸切子がまたひとつ藤巻百貨店のラインナップに加わった。今回はカットから磨きの工程まですべて自らの手で行う「清秀硝子工房」にオリジナルアイテムの製作を依頼し、人気の「黒」をベースにマス目がずれながら連なるというユニークなデザインのオールドグラスが登場する。時間をかけた「手磨き」によって生み出される表情は他の切子とはまた違う魅力があり、滑らかな質感にハッとさせられるほど。藤巻百貨店限定の江戸切子をどうぞご覧あれ。
■新世代の伝統工芸士・清秀硝子工房
清秀硝子工房は代表の清水秀高氏が一人で切り盛りする。江戸切子との出会いは中学生のとき。ものづくりが得意で将来はそういう道に進みたいと考えていた清水少年はある日、百貨店の催事に来ていた江戸切子職人と知り合う。そのまま何日も続けて通い、江戸切子の製作工程を見続けたそうだ。「見ていて、その場でものが完成していく様子が面白かったんでしょうね。そのときに自分も江戸切子の職人になろうと決めました」と清水氏は振り返る。高校卒業と同時に硝子工房に勤め、2007年に独立。2010年には(財)伝統的工芸品産業振興協会が定める伝統工芸士の認定を受けている。
■つるりと滑らかな光沢と触り心地が新鮮!
清水氏の江戸切子を語る上で欠かせないことは、まず「ソーダガラス」を使うこと。一般的なガラス素材ではあるが、きちんと手をかけてあげることで非常にきらびやかな輝きが生まれる。その際に清水氏が腕を発揮するのがもうひとつの特徴である江戸切子の「手磨き」だ。カットの後に回転する砥石やブラシなどに切子を当てていき、カットの一筋一筋を丁寧に磨き上げていく。こうすることでエッジが立っていながらもどこか滑らかな、とろりとした質感が生まれ、清水氏ならではの江戸切子になる。ここに価値を見出し、ソーダガラス・手磨き専門の作家として活躍しているのが清水氏なのだ。
■自宅バータイムを黒の切子で変化をつけて
市松模様の変奏か、はたまたボードゲームか。藤巻百貨店オリジナルデザインのオールドグラスはそんな印象をはじめに持つ。和の四角形が続き、魚子文や槌目のようなカットがあるのでしっかり和の様相があるのだが、ルーレットやボードゲームのようなゲームを連想させる意匠でもあるのが面白い。それを引き立てているのが江戸切子では珍しい「黒」のカラー。加工が難しいが、他の色にはない非常にクールな表情をもたらしてくれる色なのだ。ここにウィスキーを注げば琥珀色と黒の饗宴が美しく、モザイクのような効果のあるカット部分から透けて見える液体もユニーク。自宅でのバータイムに「器を楽しむ」という娯楽をプレゼントしてくれるような、そんな体験ができる江戸切子だ。
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