力強いカットと、生まれる余白の美
7周年記念、超希少な「黒」が登場!
■大人気のcrack、黒の特別仕様が届いた!
藤巻百貨店の江戸切子ラインナップの中でも屈指の人気を誇るのが「haku硝子」の切子だ。他の作家とはどこか違う印象を受けるのは、アプローチの違いだろうか、デザインを見るだけでhaku硝子だとわかる瞬間がある。このたび、藤巻百貨店の7周年を記念して、「黒」の切子を取り扱い開始! こちらは複雑なカットで人気の高い「crack」の黒バージョンであり、オファーしてから約1年後にようやく入荷してきた待望の切子。もちろん生産数は少ないので、この機会をお見逃しなく!
■気鋭の若手、その独特の切子の表現
haku硝子の三田村義広さんは2010年に独立、業界でも若手の作家。家業を継承することが多い伝統工芸の世界で、全く関わりのないところから江戸切子の魅力に惹きつけられた人物だ。「自分の手でものを作り出したい」と、大学を卒業してから職人の世界へ。他とは違うものを感じたという根本硝子工芸を修業先に選んだ。そこで最も学んだことは、作家性に重きを置きすぎないことだったという。「オリジナリティを発揮することが第一ではなくて、まずものとしていいものを作るということ。独特だけどヘンなものというのは本末転倒で、いいと思ったものは取り入れる柔軟な姿勢は今も忘れてはいない」と自身のスタンスを語る。その上で、どうしても出現してくるもの。それが三田村さんのオリジナリティだ。
■ひび割れたような姿に光をたたえる
そんな三田村さんの独創をいかんなく発揮したのが、この「crack」だ。縦横無尽にカットが入るその姿をひび割れに例えてこの名前にした。着想はまず、木漏れ日。木々をカットに、ガラス地を陽光にとらえ、光あふれる風景を写した。そこからブラッシュアップさせ、ひび割れたような表情を印象深くガラスに刻み、ザクザクとしたかっこよさをあらわに。細かいカットも施して、光を通すとキラキラと輝きを放つ江戸切子が完成する。落ち着いた室内のあかりをたたえた様、または昼下がりにダイニングに差すやわらかな光を反射する様子を想像してほしい。伝統のカットガラスに「haku硝子の」独特のエッセンスを加えた美が、きっとそこにある。
■他に切子にない「黒」の魅力をその手に
「瑠璃」は清冽なブルーのボディで、爽やかな見た目と高級感がある。江戸切子といえばこの瑠璃色、という方もいるほど定番のカラーであり、クリスタルガラスの透明感が存分に味わえる。そして、藤巻百貨店7周年を記念して登場する「黒」は、とても重厚な印象に。色が違うだけでこんなにも雰囲気が変わるのかと驚くほど、瑠璃との対比が鮮烈だ。江戸切子の黒はそもそもガラスの生産が難しく、またカットも困難を極めることから非常に高級なアイテムとなる。だが難産の末に生まれた黒の切子は、それに見合う存在感をたたえた逸品に仕上がった。ウィスキーを入れてみれば、琥珀色の液体と黒い切子の表情が混ざり合った美しい表情をのぞかせる。いつもの酒の味がさらにおいしく感じるかも? そんな錯覚を起こすほど、持つ者に優越感を抱かせるアイテムだ。