ミニバッグ×ヴィンテージ感を服装のスパイスに
「軽やかな日常」のためのマストアイテム
■オトナな顔つきのミニバッグが、日常を軽やかに変える
できれば大きな荷物は持ちたくない、でも手ぶらじゃ不安がある。そんな「荷物はちょっとだけ」派の人にぴったりなミニバッグという存在は、手ぶらの身軽さの延長で持てるバッグとして近年人気が高い。ARTS&CRAFTS(アーツアンドクラフツ)から登場するミニバッグはまず、ブランドの顔ともいえる「エイジングキャンバス」の独特の風合いがたまらない。この年代を経たような表情がファッションにほんの少しの「重し」かけ、安定感を生むのだ。ざっくりとしたシンプルな作りで、軽やかに持ち歩けるのに、ほのかに格調高い。#9 CANVAS BUCKET SHOULDERはそんな不思議なバランスで成り立っているアイテムといえる。普段使いはもちろん、旅行のサブバッグとしても活躍させてみたくなる。
■デザイナーと職人の両輪がこの世界観を作り上げる
ブランド名の「ARTS&CRAFTS」とは、英国のウィリアム・モリスによる「アーツアンドクラフツ運動」に由来する。これは19世紀の産業革命によりモノの大量生産が可能になったのち、手工芸の良さへの回帰を提唱したもので、「それが海外に生産の拠点が移った現代と重なって見えたんです」と代表の藤本孝夫氏。氏は30年来のバッグデザイナーでもある。「一方で私が駆け出しの頃はデザイナーと職人が直接やり取りをしてバッグが作られていました。自分が発信するならそういう気持ちが入ったものづくりがしたい。ARTS=デザイナー、CRAFTS=職人という意味を込めているんです」。そうして2006年にブランドを始めてから約10年、じっくり対話して生まれる、メイドインジャパンのものづくりを現在も貫いている。
■エイジングキャンバス、その風合いの理由とは
帆布を見慣れている人ほど、エイジングキャンバスがいかに通常と異なる表情をしているか気づくだろう。ウォッシュをかけた自然なシワ感と色あせたような白いムラが見た目の特徴。これらはパラフィン加工した帆布にも見られるが、エイジングキャンバスは主に革のなめしに使われるベジタブルタンニンで帆布を染める「天然草木染め」手法で作られる。タンはミモザとチェストナット(栗の木)のタンニン(渋)を、オリーブはミモザのタンニンを使い、染め鉄と銅を金属反応(鉄媒染)させて色を定着させる。ブラックは泥染め。普通、帆布は使い続けると色が褪せていくのだが、こちらは少し濃く変化する。「ヌメ革だったら、使うことで飴色に変わっていきますよね。あの変化がキャンバスでもできないかなと思っていたんですよ」(藤本氏)。
■「これで十分」な人がハマる、デザインとサイズの妙
もっと大きなショルダーのモデルをベースに小さく作り変えたこのデザインは、開口部に付けられたホーウィン・クロムエクセルレザーのベルトにその名残がある。ほんの小さなポイントだがこれが見た目のアクセントとなり、どこかクラシカルで威厳のある表情に。ベルトを外して中を開ければ、ポケットがひとつだけのシンプルな袋といったたたずまいで、iPad miniなどの小さめのタブレット、携帯、手帳、財布などが収められる。それで十分という人は、これ以上ないベストなバッグのチョイスとなるはず。ぜひ手に取って、この素材とざっくり感を味わっていただきたい。荷物が多い人も、一度使ってみれば「意外とこれで十分かも」と気づき、持ち歩くものを減らすきっかけになるかも?
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