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元公立中学校校長、プロデューサー 藤原和博

藤巻幸大が各界で活躍する方々をゲストに招き、“モノとのつきあいかた”を語り合う「ゲストインタビュー」。今回のゲストは、リクルートのトップ営業マンから公立中学の校長に転身、さらに腕時計のプロデュースも手がけるという、異色の経歴の持ち主である藤原和博さん。大人の男のモノ選びについて大いに語り合いました。(前編)
後編はこちら>

女が宝石を愛するように
男も腕時計を愛したい

藤巻 僕ね、アクセサリー類は苦手でほとんどつけないんです。でも、腕時計と眼鏡は中学の頃から大好き。我ながら、ませていたと思うんですが、よく見ていたのはロレックス。あと、骨董屋でヴィンテージの時計を見るのも好きでした。
藤原 早熟ですね(笑)
藤巻 周囲が皆、同じような眼鏡をかけて、同じような時計をしているのがつまらなかったんですよね。僕にとって時計はただ時間を見るためのものではなかった。一日の大半の時間を一緒に過ごすモノだからこそ、気に入ったモノを身につけたいという想いが強くて。
藤原 僕はまったく逆ですね。時計は時間を見るためのアイテムで、それ以上でもそれ以下でもなかった。

藤巻 えっ、そうなんですか!?
藤原 中学に入学するときに父親に買ってもらったSEIKOの腕時計をずっと使っていました。子供だからしょっちゅうなくすんだけれど、不思議と見つかって手元に戻ってくる。結局、和田中学の校長を務めた最後の年まで40年近く使い続けましたね。
藤巻 それは凄いですね。
藤原 1万5000円くらいのごく普通の腕時計なんですよ。ただ、途中、何度も壊れては修理し、壊れては修理……を繰り返しているので、トータル10~15万円くらいかかっているんじゃないかな。それでも愛着があるから手放せなかった。
藤巻 いいなあ。ファッショナブルなものをあれこれ身につけるのも楽しいけれど、一つのモノとじっくり長くつきあえるのは、ホント理想的な関係だと思います。
藤原 でも、とうとう寿命が尽きてしまったのか、「さすがに、これは無理です」と時計屋に匙を投げられてしまい、初めて自分で腕時計を買ってみようと思いたったんです。ところが、困ったことに一向に、“欲しい腕時計”が見つからない(笑)。

制作期間わずか半年
理想の時計を世に送り出す

藤原 時計の雑誌を10冊以上買い込んできて、調べたんだけれど、これぞと思うものに出会えない。ネット検索もしまくって、2000~3000個は見たんじゃないかな。
藤巻 いざ探し始めると見つからないことって案外多いんですよね。

藤原 SEIKOからフランク・ミューラーまで洗いざらい見ても、納得いかない。そうこうしているうちに、『時計企画室コスタンテ』の清水社長が手がけた腕時計に出会ったんです。
藤巻 偶然ですか?
藤原 まったくの偶然ですね。素直でシンプルなデザインに好感を覚えて、試しに一つ買ってみた。ただ、そのとき購入した腕時計は、ベルトの革がやや厚めで、僕の細い腕には合わなかった(笑)。他にもいくつか気に入らないところがあって、文句を言ったら、ものすごく丁寧な返事が返ってきた。それで、僕はこの人に会うべきだと思って、アポをとったんです。

藤巻 そこで「会おう!」と即断即決する藤原さんも凄いですけど、会ってくれる社長も凄い。
藤原 初めてお会いしたときにね、欲しい時計が見つからないという状況をお伝えしつつ、ある程度お金を出せば、OEM(=発注元企業のブランドで販売される製品を製造してもらうこと)で1つだけ時計を作るということをお願いできるものなのか聞いてみたんです。
藤巻 また、無茶なことを!(笑)
藤原 普通だったら、「できるわけないでしょう」と言われますよね。ところが、清水社長は「いくつかの条件をクリアしていただければ、できます」って答えたんです。
藤巻 ホンモノですね。


藤原 できない理由を並べる人はいっぱいいます。でも、より良いものを生み出すのは「YES,But」の精神。リクルート出身の人間は会社で、そう叩き込まれている。清水社長の答えを聞いて、俺はこの人と組めると確信しました。
藤巻 そんないきさつがあっての腕時計プロデュースだったんですね。
藤原 帰ってさっそく、思い描いていた理想の腕時計を絵に描いて…といっても、落書きのようなものですよ。送ったのは2日後ぐらいでしょうか。そこからすべては始まったわけですが。驚くべきことに、そこから半年で完成・販売にこぎつけるんです。 藤巻 それって、とんでもないスピードですよね。
藤原 時計メーカーで同じことをやろうとしたら、5年かかると言われました。

“日本らしさ”を体現する
モノに対する尽きせぬ想い

藤巻 藤原さんがプロデュースを手がける腕時計は飛ぶように売れているそうですね
藤原 ファーストモデルはネットで進捗状況を公開しながら、予約販売というスタイルをとったところ、製品が完成していないにも関わらず、1カ月で完売しました。
藤巻 その人気の理由はどこにあると思いますか。
藤原 大量にモノがあふれているように見えて、“日本らしさ”を体現できるアイテムはまだまだ少ないというのが一因でしょうね。僕はロンドンとパリに2年半暮らしていたこともあって、向こうに友人がたくさんいる。下手に欧州のブランドを買うと、バカにされるんですよ。「2000年も歴史がある日本から来て、どうして俺たちのマネをするの?」って(笑)。
藤巻 もっと日本を大事にしたいし、日本を知る必要がありますね。

藤原 欧州の歴史やデザイン、ブランドに対するリスペクトはある。でも、モノマネをしてもつまらない。海外に目を向ければ、数十万、数百万する腕時計がごく当たり前に売られているのに、メイドインジャパンでは手頃な値段にとどまっている。日本のものづくり全般に言えることですが、世界に類を見ない素晴らしい技術を持ちながら、ブランドを育て上げられていないのがもったいない。
藤巻 もっともっと日本のデザインを国内外に発信していきたいですね。
藤原 建築もファッションも世界的な評価を得られるようになってきているんだから、他のアイテムだって、もっともっと頑張れるはずなんです。
藤巻 藤原さんの “japan”シリーズなんて、名前からしてぴったりですよね(笑)
藤原 僕がライフワークにしている“ネオ・ジャパネスク”と、英語で“漆”の意味、両方をかけています。
藤巻 これこそが、ホントのクール・ジャパンでしょう!

【藤原和博】ハードシェル型リュック「EMU」
「arita」-文字盤と竜頭に有田焼を採用-
「urushi-kiso」-木曽漆の文字盤と竜頭に匠の技が光る逸品-
手巻パワーリザーブ
手巻付自動巻パワーリザーブ
手巻付自動巻機械式

藤原和博
1955年東京生まれ。リクルート東京営業統括部長、新規事業担当部長などを歴任後、1993年よりヨーロッパ駐在、1996年同社フェローとなる。2003年より5年間、都内では義務教育初の民間校長として杉並区立和田中学校校長を務める。『リクルートという奇跡』(文春文庫)、『校長先生になろう!』(日経BP)、『つなげる力』(文芸春秋社)など著書多数。日本の技術と職人芸の結晶であるブランドを超えた腕時計「japan」シリーズやハードシェル型リュック・emu“大人のランドセル”のプロデュースも手がける。

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