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江戸切子の作家の中で、「堀口切子」の表現は独特だ。カットを減らしていく、真っすぐな線を引かない、などなど、他とは異なるアイデアで新しい江戸切子を提案している。その造形の魅力に迫った。

一目で他との違いがわかる 個性的な江戸切子作家

一目で他との違いがわかる
個性的な江戸切子作家

仕事場に入ると、ホワイトを基調とした空間が目に飛び込んでくる。整然とものが置かれている様は、インダストリアルのファクトリーといったイメージだ。しかしそこで作られているのはまぎれもなく伝統工芸・江戸切子。キリリと引き締まったシャープな空間とは対照的に、職人の手技によってひとつひとつ手作りされている。そこは「堀口切子」の仕事場、伝統工芸士・堀口徹さんが作り上げた「ホワイトベース」と名付けた空間。「シンプリシティ」や「ミニマル」と評される自身の作品は、こんな場所から生み出されている。仕事場も、そして作風も、他の江戸切子作家とは誰とも異なる「一目で見る者を引き込む個性」が堀口切子にはある。

江戸切子の世界を飛び出す シンプル&ミニマルな表現

江戸切子の世界を飛び出す
シンプル&ミニマルな表現

堀口さんは大正時代に創業した「堀口硝子」に生まれ、大学を卒業後に入社し修行を始めた。2008年に祖父の号であった「秀石」を拝命、その後独立して「堀口切子」を興し、、伝統的な江戸切子とはやや趣の異なるシンプルな造形で注目を集めている。その作風の根元には「伝えたいもののためにそぎ落とす」という考えがある。カットがものをいう江戸切子の世界において、あえてカットを減らしたアイテムが多いのはそのため。「わかりやすい派手さではなくて、表は無地だけど裏地で遊ぶとか、そういう表現のほうが自分は洒落ていると思っています」(堀口さん)。有名ホテルの内装やアーティストのPVへの作品提供、アウトドアブランドとのコラボなど、他分野での活躍が多いのは、伝統的な江戸切子にとらわれない堀口さんのスタンスが評価されているということかもしれない。

使ったときに真価を発揮する 奇をてらわない造形

使ったときに真価を発揮する
奇をてらわない造形

もうひとつ、堀口さんの切子で特徴的なのは、使ったときにどう見えるのかを意識していること。例えば、日本が誇るべき優れた地方産品「The Wonder 500™」のひとつに選ばれた「黒被万華様切立盃(くろぎせまんげようきったてはい)」は、外から見ると非常にシンプルなカットだが、飲む際に底をのぞきこむとガラス面の写りこみがまるで万華鏡のようで、驚きの印象を受ける。外見と使ったときで表情が変わるのが、堀口切子の真骨頂。料理を盛り付けたときの相性を考え抜かれた陶芸作品のように、そこには「使うことで完成する美意識」がうかがえる。だからこそ、ベースの形はベーシックなものだけを選ぶ。ほぼすべて、堀口さんが型から起こしたオリジナルの形。堀口さんの造形への深いこだわりが見えてこよう。

印象的な1杯を堀口切子とともに

印象的な1杯を
堀口切子とともに

そもそもの形がベーシックなうえ、シンプルなカットなので場になじみやすいのが堀口さんの切子。前述の切立盃は伝統文様の「「籠目ニ菊繋文切立盃(かごめにきくつなぎもんきったてはい)」と対になっており、それぞれ江戸切子の今と昔を表現している。そんな話を肴に旧知の友と一杯やるのもなんだか楽しい。「よろけ縞」は、いかに段をなくし均一にしていくかという江戸切子の基本を逸脱したシリーズ。通常は真っすぐに削る線を絶妙にジグザグさせ、おどけた味わいのあるグラスに仕上げた。カット時の感覚によりよろけ具合や余白が変わるという、規則性のある柄が一般的な江戸切子の中で新鮮なアイテムだ。江戸切子の魅力をさら引き出しつつも、軽やかに飛び越えていくような堀口切子の表現に、今後も目を離せない。

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