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創業80年を迎える老舗の工房「中村銅器製作所」。今もなお、昔ながらの手法で「銅鍋」をひとつひとつ丁寧に作り上げる。職人の手が生み出す、美しく剛健な調理道具の数々。“一生もの”の調理道具としてファンも多い、その製作現場を訪ねた。

全国の一流料亭や寿司職人などプロたちが愛用する、中村銅器製作所の銅鍋と三代目の中村恵一さん

10代で身を投じた職人の世界。
伝統の職人技を受け継ぎ、磨きをかける

全国の一流料亭や寿司職人などプロたちが愛用する、中村銅器製作所の銅鍋。銅素材は熱伝導性と保温性に優れ、料理道具に適している。ムラなく均一に熱が通るため、焼きムラや焦げ付きが生じにくいという。「鉄やステンレス、シルバーストーンの鍋などと使い比べていただくと、違いは歴然です。『味がまろやかになるから』と銅鍋を選ぶ方もいらっしゃいます」と語るのは、三代目の中村恵一さん。
高校卒業後、ほどなくして職人の世界に飛び込む。だが、祖父や父親から特別何かを伝授されたわけではないそうだ。「先輩方の仕事を手伝いながら、見よう見まねで覚えました。“技術は教えてもらうのではなく、盗むもの”というのが職人の世界ですから」と笑う。

ひとつひとつを職人が手作業で仕上げていく中村銅器製作所の銅鍋 ほんの少しの力加減が商品の出来・不出来を左右する繊細さも持ち合わせている中村銅器製作所の銅鍋

日々を支える道具を作る
という、職人の指針と矜持

銅板を折り曲げ、四角を溶接でつなげ、内側に錫(すず)をひく。こうした制作過程のひとつひとつを職人が手作業で仕上げていく。銅板は金属の中では柔らかい部類に属し、加工しやすい反面、ほんの少しの力加減が商品の出来・不出来を左右する繊細さも持ち合わせている。だが、中村さんに作る上でのこだわりを尋ねると思いがけない答えが返ってきた。「こだわりは特にないんです。むしろ、職人はこだわっていたら仕事にならない(笑)。これまでと同じように、ひとつひとつの仕事を丁寧に確実にやっていくことくらいですかね」(中村氏)。自己表現ではなく、日々を支える道具を作る。それは職人としての指針であり、矜持でもある。

玉子焼き器は錫を焼き付けているのも特徴。中村銅器製作所の玉子焼き器 三代目が手ずから錫を焼きつける中村銅器製作所の玉子焼き器

三代目が手ずから錫を焼きつける。
熟練の技とスピードに圧倒される

ずっしりと重厚感のある中村銅器製作所の玉子焼き器。銅に厚みを持たせることで、さらに保温性が良くなる。銅版に蓄熱された余熱で調理できるため、玉子はふんわり、肉は肉汁を逃すことなくジューシーに仕上がるのだ。また、同社の玉子焼き器は錫メッキではなく、錫を焼き付けているのも特徴。この“錫引き”の工程は中村さんが手ずから行う。ガスコンロの上で熱した銅鍋の内側に、薄いプレート状になった錫をこすりつけると、一瞬にして錫が溶け出す。それをすかさず、真綿でなでるように伸ばし、均一に広げる。すべてが一瞬の作業。中村さんはいとも簡単にやってのけるが、傍で見るよりずっと難しく、熟練の技を要することは想像に難くない。

「美味しい玉子焼きを作りたい」と購入される方が多い中村銅器製作所の玉子焼き器

プロ愛用の道具がもたらす、
一味違う旨さと育てる愉悦

こうして作られたのが、プロも愛用する銅製玉子焼き器。錫が焼き付けてあるため、油がなじみやすく、使いこむほどに鍋の状態が良くなり、さらに使いやすくなるとか。「『美味しい玉子焼きを作りたい』と購入される方がほとんどですが、じつは玉子焼き以外にも、ちょっとした炒め物などにもお使いいただけます。むしろ、頻繁に使っていただいたほうが焦げつきにくく、どんどん使いやすくなります」(中村氏)。使った後は洗剤を使わず、スポンジなどで水洗いし、油をなじませて保管する。「洗剤で洗ってしまうと、せっかく鍋になじんだ油分も一緒に洗い流してしまいます。また、鍋の中に料理を入れっぱなしにしておくと鍋を傷めるため、避けてください」(中村氏)。

“プロ御用達”中村銅器製作所の玉子焼き器

ふっくらとして中はしっとり
お弁当にも夕食の“あと一品”にも

実際に玉子焼きを焼いてみると、いつもと同じ材料・作り方なのに、これまでとは違うふっくらとした美しい焼き上がり! 外はふっくら中はしっとりで、熱々はもちろんのこと、冷めてもおいしく頂ける。玉子焼きの角がきっちりと出るので、弁当箱へ詰めた時に見栄えがいいのもこの玉子焼き器ならではだ。さらに、鰻や穴子などを巻き込めば、立派な夕飯の一品になるだろう。“プロ御用達”と聞くと、使いこなすのが難しそうにも思えるかもしれないが、実は料理初心者にこそオススメ!道具が料理の腕を上げてくれるし、使うほど自分の手になじんでいく。テフロン加工の安価な玉子焼き器を度々買い換えるより、一生モノの道具として銅製を使い込むほうが、毎日の食事作りもグッと楽しくなるはずだ。妻への贈り物にはもちろんのこと、“男の手料理”を振る舞うにもうってつけだ。

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