揺らぐラインが新鮮な江戸切子
ウィスキーのおともにソリッドな黒を
■江戸切子×よろけ縞×「黒」!
丸や直線を主として構成される江戸切子において、歪んだ線でカットする伝統文様「よろけ縞」は特異な存在だ。だからこそ、おもしろい。一本のラインでは不安な印象だが、集まるとなぜか全体にまとまりが出てビシッと決まる。それを縦・横のそれぞれで表現したのが彩鳳(さいほう)の「よろけ縞文様 オールド 黒」である。どっしりとした大きさのオールドグラスをキャンバスに、ゆらゆらとした線が踊るように連なる。そして何より、この黒のカラー。江戸切子全体では黒はとても希少な色であり、カットするにも技術が問われる。黒とよろけ縞の組み合わせたるや、他ではなかなか見つからないのではないだろうか。
■二人の凄腕伝統工芸士を擁する江戸切子工房
「彩鳳(さいほう)」の名で江戸切子を生み出すのは、埼玉県草加市で活動するミツワ硝子工芸。1970年代から製作を開始、下請けとして黒子役を果たしつつ、平成の時代になってから自社のブランドを展開し始めた。現在ではその美しさと手仕事の確かさで江戸切子ファンの間で人気を確立している。ミツワ硝子工芸には約10名ほどの江戸切子職人が在籍しているが、その中でチームを牽引するリーダーとして活躍するのが、石塚春樹氏(写真右)と細小路圭氏(写真左)。両名とも伝統工芸士であり、作品の受賞歴も多数。特に、毎年春に行われる「江戸切子新作展」では並みいる名人たちに引けをとらない作品で大きな賞を獲得し、業界でも一目置かれている。その作品に価格を付ければ、数十万円になるというから驚きだ。主にこの二人がデザインを考え、作品制作で培ったアイデアや技術を普段のアイテムにも注ぎ込み、独自の江戸切子が世に放たれる。
■揺らぐカットが新鮮なデザイン
縦縞は、縦方向に流れる動きにより全体的にどこかシャープな印象に。横縞は、波がうねるような躍動があり、単なるボーダーとは違うファニーな様子を携えている。どちらも透明部分をのぞいてみれば、反対側の黒い線が映り込んで、また違った印象をもたらしてくれる。専用の治具を使うことで、一定の法則で揺らぐカットを与えているのだ「普通のストライプやボーダーじゃつまらない」と石塚氏が考案したデザインだ。アクセントとして、ランダムに丸い点が穿たれる。中にジュースなど色のついた液体を入れれば明かりがともったように見えるのだ。
■隙のある温かみが好きになる黒
希少性のみならず、ソリッドなブラックカラーは他の色にはないかっこよさをたたえていて人気の高い黒の江戸切子。通常は何者も寄せ付けないような風格を感じるが、こちらのよろけ縞はそれを備えつつもどこか隙のある親しみやすさも。恐い動物である熊が時折見せるかわいい仕草を見ているような気持ちになる。ウィスキーや焼酎をロックで飲むときに、または冷えた日本酒をたっぷりと注いで、温度が上がることで変化する味わいを楽しんだり。そんな使い方でこのオールドグラスを堪能してほしい。
カラーバリエーション
「横縞(M-8246BK)」は現在お取り扱いしておりません
アイテム詳細
素材:ソーダガラス
サイズ:Φ86mm×H96mm
容量:300ml
重量:約320g
日本製
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