高松張子のとびきりカワイイ招き猫。
三毛、黒、白、トラの4匹が福を呼ぶ!
■高松張子の独特な「カワイイ」にやられた!
田舎の祖父母の家に行くと置いてあった張子人形はいま、昔懐かしいものから一周回って、新鮮な味わい深さを感じる。つまり「カワイイ」のだ。香川県指定の伝統工芸「高松張子」の伝統工芸士、臼井融さんの作る猫は、まさにカワイイのど真ん中直球。もともと展開していた三毛猫に加えて、新たに3匹の猫を別注で製作していただいた。これすなわち、「日本猫」シリーズの完成!
■黒、白、トラを別注。「日本猫」4匹の招き猫
別注したのは、路地からひょこっと出てきそうな日本らしい黒猫、白猫、トラ猫。三毛も合わせた4匹は、体の色に合わせて首輪や前掛けも変えて、オシャレな装いの招き猫となっている。起き上がり小法師だからゆらゆら揺れる姿が超キュートで、自宅に置けば来福の象徴となってくれそうな招き猫だ。好みの色の猫を、あるいは4匹すべてを、招き入れてみて。
■玩具や縁起物として庶民のよりどころだった高松張子
江戸時代、松平頼重が初代藩主として讃岐高松藩に入る際に技法が伝えられたとされる高松張子。粘土や木の型に和紙を張り重ね、白い胡粉(ごふん)を塗り、絵付けしたもので、お守りや縁起物として古くから親しまれてきた人形だ。特に有名なのは「奉公さん」。おまきという娘が、仕えていたお姫様の身代わりに病気を自分に移し、離れ小島で世を去った。おまきは“奉公さん”とほめたたえられ、その姿は人形にして愛でるようになったという言い伝えがあり、嫁入り人形や、子どもの病気を治すものとして重宝された。
■名匠の技を受け継ぐ伝統工芸士
昭和の高松張子作家、宮内フサ氏によって奉公さんは全国的に知られるようになった。臼井さんも宮内氏の張子に惹かれた一人で、学生の頃はよく仕事場を覗きに行っていたのだそうだ。その経験もあって、玩具会社に勤めたのち、自身も高松張子の職人となり、「張子工房ウスイ」を立ち上げ、現在は数少ない伝統工芸士として活躍している。臼井さんの張子には、宮内氏から学んだ張子のイロハが根底に流れていると言えよう。
■ひとつひとつが手作り。人形に命を宿らせる
張子工房ウスイは臼井さんと妻の春代さんが二人三脚で張子人形を製作している。型に和紙を貼り、乾燥させて張子の生地を作るのは主に春代さんの仕事。その後臼井さんがニカワと胡粉を混ぜた液を温め、生地をチャプンと入れてまとわせていき、いよいよ彩色へ。アクリル絵の具を使って、臼井さんが筆でひとつひとつ丁寧に鮮やかな色を描き、張子に命を吹き込んでいく。
■子どもが喜ぶための愛らしいデフォルメが秀逸
臼井さんの張子の特徴は、愛くるしさ満点の表情にある。春代さんと相談しながら、動物の形や柄、動きや表情をデフォルメし、デザイン画に。「張子は子どもが遊ぶおもちゃが原点。だから子どもに親しまれる面立ちや色合いを意識して作っています」と臼井さん。かつて児童文学を学んでいたことも影響しているという。なるほど、張子工房ウスイ独特のかわいさの秘密はここにあった。
■ずんぐり猫ちゃんのフォルムが、ああカワイイ!
今回の招き猫は、そのウスイ流カワイイの極地。見ているこっちが笑みを浮かべてしまうような柔和な表情と仕草が愛らしい。首や脚、胴体のでこぼこを極力排してずんぐりさせた形も太っちょ猫のようでかわいいし、三毛とトラの目は丸く、白と黒の目は楕円形の猫目と描き分けているのも芸が細かい。
■自宅のお守りに、プレゼントに。とびきりキュートな招き猫を
福を呼ぶ招き猫は、自宅のお守りやコレクションの対象として人気の高いもの。幸運が訪れますように、豊かな生活が送れますように等々の願いを、伝統の技に根ざした高松張子の、それもとびきりカワイイ張子工房ウスイの招き猫が受け止めてくれる。4匹それぞれに個性がある猫の起き上がり小法師をぜひ迎え入れてほしい。左手を上げた招き猫は人の縁を招くと言われており、商売繁盛や開店祝いなどの願掛けの用途も。猫アイテムが好きな方へのプレゼントにもおすすめだ。