木の弁当箱に踏み切れない方へ
お手入れ簡単! 木のぬくもりのあるお昼時を
■上質なランチは、木の弁当箱から
木の弁当箱に憧れを抱いたことはないだろうか。江戸時代に端を発する伝統工芸「曲げわっぱ」が特に有名で、木の質感がやさしく、さわやかな香りが楽しめるのが特徴だ。何より「毎日の暮らしを少しでも良いものにする」印象が、木の弁当箱にはなぜだかあるのだ。それはプラスチックの弁当箱ではどうしても実感できない木の素材ならではのもの。しかし実際に使うとなると、ご飯を詰める前に濡らさなくてはいけなかったり、洗い方・乾かし方にも作法があったりと、実は結構気を使わなくてはならないアイテムという側面もある。今回登場するのは、石川県を代表する木材である「ヒノキアスナロ」を使った弁当箱で、白木の肌合いが楽しめつつも水に強いという性質を持った優れもの。漆製品の名産地・輪島にて独自の日用品を作り続ける「輪島キリモト」によるアイテムだ。
■江戸時代より続く担い手。7代目の革新性
輪島キリモトの歴史は古く、江戸時代までさかのぼる。1700年代後半に初代が漆塗りを生業としてから連綿と続き、5代目で漆製品のベースとなる木地の作り手に変わり、現在で7代目。当代の桐本泰一氏はプロダクトデザインを学んだ人物であり、企業で内装設計もしてきた経験を生かして、木地作りから漆塗り、そして木材を使った内装のプランまで請け負う。モットーとするのは「暮らしの中で使う漆製品」を作ること。クオリティが高く、工芸品としての美しさへの評価が上がるにつれ「ハレの日」にだけ使うようになってしまった漆製品を、日常的に使ってもらうにはどうしたらいいか? そんな問いを立て、木の素材そのものの価値を伝えるものや、価格は抑えつつも特徴を十二分に発揮した漆器を発信している。
■石川県独特の「水に強い木」とは
桐本氏が木材そのものにフォーカスし、特徴を最大限生かしたものが今回の「あすなろのBENTO-BAKO」だ。アテとも呼ばれる「ヒノキアスナロ」は青森ヒバの一種であり、県木にも指定されている石川県を代表する木。水や湿度、風雨に強いという性質を持つので建材にも使われている。そして何より、輪島塗の木地の主要な素材がこの木なのだ。この弁当箱を木地から作り、指物として組み上げるまですべてを輪島キリモトで行っている。曲げわっぱとも木をくり抜いた弁当箱とも異なる、人間の手で組んでいる弁当箱というのは珍しい。3~5年ほど寝かせた木は狂いもなく、ぴっちりと隙間なく作られており、水分が漏れてしまうということはない。プロダクトデザイナー・大治 将典氏によるデザインは長方形のシャープな形。キレイに面取りされた蓋の角や段々と重ねられる形状などは、使いやすく、見た目も美しく、バランスが良い。
■木でしか出せない味わいを食べたい、食べさせたい
白木の弁当箱に色とりどりの食材を詰めた姿は、なんと美しいことだろう。実際、木の風合いというのは食べ物の色を映えさせる効果もあり、よりおいしそうに感じるという。子どもや家族に、ぬくもりのある楽しいランチタイムを過ごしてもらいたい。そして自分も楽しみたい。そんな方ぴったりのアイテムだ。通常、木の弁当箱では一度水で濡らしてからご飯を詰めたりしなくてはならないが、こちらは水気に強いヒノキアスナロの性質上その必要はなく、他の洗い物と一緒に中性洗剤&スポンジで洗うこともでき、あまり気を使うことなく使い続けられるのが魅力だ。内側は使っていくうちに飴色に変化する反面、外側はガラス質の木に浸み込む塗料で強化しているため、あまり変わらない。この塗料も特殊で、木の呼吸を妨げず、白木の風合いを損なわないものだ。
お弁当が楽しみでお昼の時間が待ちきれなくなる経験は誰しもあるもの。そんな心躍る瞬間をこの弁当箱でもう一度体験してみたい。
ディティール
アイテム詳細
素材:木地/あすなろ材、塗装/ガラス塗料塗装
サイズ:縦21cm×横8.59cm×高さ5.8cm
重量:約190g
生産国:日本
※使用後、水、お湯どちらでも構いませんので、中性洗剤を用いてスポンジを使い洗って下さい。
※長時間水に浸すことは避けてください。
※水道水のカルキのこびりつきを防ぐために、タオルなどで水道水を拭き取って下さい。
※落下、殴打などで傷ついた場合は有償にて修理可能です(不可能な場合もあります)。
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