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東京の伝統工芸を代表する江戸切子の中でも、ほかとはちょっと違う印象を受けるのが「haku硝子」だ。伝統を継承しつつ自らの表現を追求する姿に、江戸切子の新たな風を感じた。

伝統工芸に新たな風をその大胆な表現方法

伝統工芸に新たな風を
その大胆な表現方法

伝統的な江戸切子の世界で、大胆に自らの世界を表現する作家。「haku硝子」の作品群を目にすると、そう評したくなる独特な感性を確信する。しかしよく見ると確かに江戸切子には違いない。その両極がhaku硝子の魅力だ。カットの表現にしても、「菊繋ぎ文」に代表されるような縦横斜めの細かい装飾は多用せず、むしろグワっとした深く力強い線を入れてその個性を発揮する。作家・三田村義広さんの作り出す江戸切子に魅了される人が多いのは、そのような「いい意味で江戸切子らしくない作品」を発表し続けているからに違いない。

作風の根元にはあるのは奇をてらわない実直な姿勢

作風の根元にはあるのは
奇をてらわない実直な姿勢

三田村さんは2010年に独立して「haku硝子」を興した、業界でも若手の作家。家業を継承することが多い伝統工芸の世界で、全く関わりのないところから江戸切子の魅力に惹きつけられた人物だ。「自分の手でものを作り出したい」と、大学を卒業してから職人の世界へ。他とは違うものを感じたという根本硝子を修業先に選んだ。そこで最も学んだことは、作家性に重きを置きすぎないことだったという。「オリジナリティを発揮することが第一ではなくて、まずものとしていいものを作るということ。独特だけどヘンなものというのは本末転倒で、いいと思ったものは取り入れる柔軟な姿勢は今も忘れてはいない」と自身のスタンスを語る。その上で、どうしても出現してくるもの。それが三田村さんのオリジナリティだ。

革新性を決定づける「動き」のあるデザイン

革新性を決定づける
「動き」のあるデザイン

自らのインスピレーションによる変幻自在の作風を是とする「haku硝子」だが、初期の頃は「動き」のある表現を心がけていたという。それは「uzu」や「火華(ひばな)」といった作品に見てとれる。とある日本画との出会いで、視線よって止まっているものが動いているように錯覚することに気づき、それを江戸切子に応用したシリーズだ。「uzu」は周囲に螺旋を描くカットを施すことによって、杯を傾けたときにめまいのような効果が起こる。「火華」は炎の動きをカットでとらえた。いまにも動き出しそうな臨場感がある切子表現は、見ているだけで高揚してくる。

抽象を具象に伝統美の新たな一手

抽象を具象に
伝統美の新たな一手

「homura」は、その言葉によって得た感覚をそのままカットにし、「crack」はひび割れたような表情で光線が透過する。そんな風に、自身の描く線のほか、外からもたらされる言葉やイメージから作品に発展させることが多いという。インテリア雑誌を見て、そこに置かれるにふさわしい切子は? という題目で考えたりも。外部からの刺激を取り入れ、自分の中にあるものをミックスさせて、「haku硝子」の表現は完成する。もちろんときには江戸切子の伝統文様を刻むが、そこに伝統だけではない革新性を付与することも忘れない。かくして、眺めても使っても楽しくなる酒器ができあがるのだ。「haku」とは余白のこと、転じて「間」や「空間」を意味する。使い手の空間とともにある「haku硝子」を使って、江戸切子の新風を感じながら一献を楽しみたい。

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