
非対称な自然美。咲き誇れ、大輪の花

鍋谷グラス工芸社は1949年(昭和24年)に東京都大田区で創業、三代目であり伝統工芸士の鍋谷淳一氏が率いる江戸切子の工房だ。クリスタルの大皿に大輪の花弁を描いた本作は、職人歴3年の藤田洸氏によるもの。「この花のように大きく咲けるよう、日々研鑽に励みたい」と自身の未来の姿を重ねた意欲作だ。金赤のカラーを花弁の縁取りに残し、中を菊繋ぎで埋め尽くした豪華な文様が目を引く。その花弁や中心の3つの菊花をあえてアシンメトリーにし、動きのあるカットで自然の造形を描写している。周囲にびっしりと施した槌目や、やはり不均一に点々と置かれた菊の文様など、カットの入れ方と色の抜き差しのリズムが独特で、見ていて飽きることがない。

プロフィール

藤田 洸
- 鍋谷グラス工芸社の切子職人
- 2021年 鍋谷グラス工芸社 入社
- 職人歴 3年
アイテム詳細
作品のカテゴリ:
サイズ(最大Ф×Hmm):250×55
素材:クリスタルガラス