国内最大規模の江戸切子イベント「江戸切子桜祭り」!
2024/3/29(金)~31(土)の期間中、会場となる東急プラザ銀座には、伝統工芸士から若手作家まで30人超の切子職人の商品が大集結。なんと全300種以上の切子を取り揃え展示販売します。
なかには”一点モノ”や”数量限定品”もあるとか!
希少な切子を「買えなかった…!」と嘆く方が一人でも減るように、このページでは直売会の見どころを徹底ナビゲート。お目当ての職人や切子を事前にチェックして、イベントを10倍も100倍楽しんでください。
<目次>
江戸切子職人にとって一つの到達地点ともいえる“日本の伝統工芸士”。その称号を手にするためには、12年以上の実務経験だけでなく、実技審査を含む厳しい試験に合格しなければなりません。2024年2月現在、江戸切子の伝統工芸士はたったの22名。
今回の直売会にはそんな伝統工芸士22名のうち、驚異の18名が出品!
技術も表現もお墨付きの職人の作品を、一挙に見て回ることができます。
注目は、"レジェンド”と呼んでも遜色のない5名のベテラン職人。いずれも江戸切子協同組合 副理事長以上経験者です。
1人目は、林 克美さん。2020年秋の叙勲受章。日本伝統工芸士会 副会長も務めるレジェンド。会場では、平切子の技術を駆使した「ぐい呑み」を販売します。
2人目は、渡邉 隆三さん。職人歴は49年。江戸切子協同組合の前理事長にして、平切子のベテラン伝統工芸士です。会場では、「帯留め」「イヤリング」などのアクセサリーを販売します。
3人目は、篠崎 英明さん。江戸切子協同組合の現理事長にして現代の名匠の一人。目を見張るような緻密な菊繋ぎを得意としています。会場では、新色オールド「花紡ぎ」を販売します。こちらは初回限定3点!
4人目は、根本 達也さん。根本硝子工芸の代表にして、江戸切子協同組合の副理事長も務めています。大胆かつ繊細な曲線のカットに、虜になる人多数。(会場販売商品は未定)
そして最後は、鍋谷 淳一さん。鍋谷グラス工芸社の代表と、江戸切子協同組合の副理事長を務めています。厚く、ゴツく、エッジの効いたデザインで人気を博す「男のロック」を手掛けています。(会場販売商品は未定)
伝統工芸士から若手作家まで、職人が魂を込めて切り出した渾身の一作が集う「江戸切子新作展」。秀でた作品には「経済産業省製造産業局長賞」などの名誉ある賞が与えられる由緒正しきコンテストです。
江戸切子桜祭りでは、新作展の最新大物作品(第36回全出品作)の実物が“入場料無料”で見られるだけでなく、過去に新作展で1位を獲った経験のある職人の商品を、見て・触って・手に入れることができます!
第35回 江戸切子新作展 経済産業省 製造産業局長賞「火炎」渡部 聖也さん作
前回大会(2023年第35回)の1位は、渡部 聖也さん。2021年第33回に続き2度目の受賞で、今まさにノリに乗っている職人の一人です。光と色のグラデーション表現が絶妙。会場では、第35回の1位受賞作「火炎」の展示販売を行う他、人気のタンブラー「Blue Rose」を販売します。
2022年第34回、2018年第30回の1位は、細小路 圭さん。枠に囚われない現代の江戸切子を考案し続けています。会場では、咲き誇る桜が華やかなオールド「桜花」などを販売します。
2020年第32回の1位は、吉川 太郎さん。伝統と革新を融合させた、力強いカットと華やかなカットの対比が魅力の職人です。会場では、金紫カラーの新作グラス2種を販売。各3点限りとなります。
2015年第27回の1位は、石塚 春樹さん。石塚さんは、昨年9月にミツワ硝子工芸から独立し自らの名を冠した「切子工房 石塚」を設立したばかり。いま勢いにのる伝統工芸士の一人です。会場では、人気の「ビアグラス 黒」を販売します。
2011年第23回の1位は、高野 秀徳さん。モダンで斬新な表現に釘付けになる人、多数。深く彫ることで生まれるシャープな輝きがたまりません。会場では、ロックグラス「星に矢来(Ⅱ)」「うず潮」などを販売します。
2010年第22回、2009年第21回の1位は、堀口 徹さん。グッドデザイン賞を受賞したこともある職人で、見る者を引き込むその個性は海外からも熱視線を浴びています。会場では、「ROCKシリーズ」や「グラス 縦糸」などを販売します。
ちなみに、2016年第28回、2014年第26回、2013年第25回の1位は、レジェンド伝統工芸士の一人として紹介した鍋谷 淳一さん。2012年第24回の1位も、同じく先に紹介した篠﨑 英明さんでした。
江戸時代から190年に渡って発展を遂げてきた日本の伝統工芸・江戸切子は、その煌びやかな見た目も相まってテレビを始めとしたメディアで取り上げられることも多数。
2020年8月25日放送のフジテレビ「セブンルール」に出演したのは、三澤 世奈さん。ミシュランの名店や一流ホテルでも重宝される職人として紹介されました。イベント会場では、三澤さんの人気グラス「Daily」を販売します。
2020年7月9日放送のフジテレビ「めざましテレビ」をはじめ、数々のテレビ番組で紹介されているのが、椎名 隆行さんが代表を務めるGLASS-LAB。椎名さんは平切子とサンドブラストを掛け合わせた「砂切子」を開発、江戸切子界にイノベーションを起こしました。会場では、お酒を注ぐと反射が美しい砂切子「サクラサク~舞う~」を販売します。
コカコーラ社「綾鷹」のCMで採用されたグラスを手掛けたのが、山田 真照さん。職人歴32年目のベテランで、 新たな試みを続ける名工房の3代目です。会場では、人気の「CROSS」を販売。各色限定1点です!
実は若手の台頭がめざましい近年の江戸切子界。新作展の受賞作の中にも、職人歴10~20年程度の若手職人が名を連ねています。
数ある工房の中には、親方を務める父のもとで、着実に力をつけつつある子の姿も。近い将来、工房の屋台骨を支えることになるであろう、4人の若手作家を紹介します。
1人目は、篠崎 翔太さん。江戸切子界で初めて“親子で伝統工芸士に認定”された篠崎 清一さんと篠崎 英明さんが祖父と父。孫にあたる翔太さんは篠崎硝子工芸所の3代目で、職人歴は11年目。2021年に江戸切子新作展で入賞して以降、着実に受賞歴を重ねています。会場では、新作シャンパングラス「風月」を販売。初回限定3点です!
2人目は、鍋谷 海斗さん。父はレジェンド伝統工芸士として紹介した鍋谷 淳一さんで、海斗さんは鍋谷グラス工芸社の4代目で職人歴は8年目。藤巻百貨店が主催するテーブルウェア新作展では、なんと3連覇中(!)という、デザインセンス爆発の若手職人です。(会場販売商品は未定)
3人目は、根本 幸昇さん。「黄綬褒章」を受けた初代・根本 幸雄さんを祖父に、レジェンド伝統工芸士として紹介した根本 達也さんを父に持つ、根本硝子工芸の3代目。職人歴の10年目の江戸切子界のサラブレッドで、独自の世界観を確立しています。会場では、普段は受注生産でしか入手できない「僥倖」「蝴蝶-Hu Die-」を販売。各1点限りです!
4人目は、林 涼太さん。ミツワ硝子工芸3代目にして、工房の強みを自ら体現する継承者。幼少のころから常に「江戸切子」が共にある生活を送ってきたがゆえに、修業中の身にして工房の強みが自らの血肉となっています。(会場販売商品は未定)
第30回 江戸切子新作展から実施されている「WEB投票」。皆様からの投票をもとに、大物新作やテーブルウェア作品の中から人気No.1作品を決定してきました。そんなWEB投票で人気を集めてきた職人を紹介します。
第35回 江戸切子新作展 藤巻百貨店賞「Blizzard」浅野 真吾さん作
2023年第35回 江戸切子新作展でWEB投票1位に輝き「藤巻百貨店賞」を受賞したのが、浅野 真吾さん。職人歴は8年目。シンプルなカットで自然美を描く様は、まさに硝子の"線画家”。会場では、話題作「蛇影」の新型タンブラーを販売します。
2022年第34回のWEB投票1位は、中宮 涼子さん。光の反射や屈折、陰影を楽しむ多彩なカットが魅力の伝統工芸士です。会場では、「旋風-麻の葉」を販売。各色限定1点です!
ちなみに2021年第33回は澤口 智樹さん、2020年第32回は椎名 隆行さん、2019年第31回は高野 秀徳さんがそれぞれ受賞しました。
よそのイベントでは逆になかなかお目にかかれないのが、デビューしてまだまだ日が浅い新人職人たちの品物。目利きに自信のある方はぜひ、その審美眼で将来有望な若手職人の商品を”青田買い”してみてはいかがでしょうか。
松井 文孝さんは、職人歴2年目。今回出品職人の中でダントツの若手です。しかし侮るなかれ。その実力は師匠・根本 達也さんのお墨付き。美大卒の生まれ持ったセンスと、師から学んだ伝統の技が光る新星です。会場では、新作「祈想-誠-」を販売。各色限定3点です!
石原 圭悟さんは、職人歴5年目。所属は東亜硝子工芸。若手ながら受賞歴は多数で、伝統の世界に新風を吹き込む個性派職人の一人です。会場では、覗き込んだときの眺めがまさに絶景の新作「純」と、人気の酒グラス「洒楽」の新色を販売。限定各2点です!
山崎 祥さんは、職人歴7年目。『魅せる星群、宇宙を駆けるカット』で人気を博す「スターダスト」で2022年のテーブルウェア新作展 ブロンズ賞を果たしました。会場では、そんな「スターダスト」の希少カラーと新モデル・ぐい呑みを販売。各3~6点です!
ここからは、会場で販売される「商品」を軸にご紹介します。
酒好きのあの人へ、など贈答品に選ばれることも多い江戸切子。花をモチーフにした江戸切子を、花言葉などと紐づけてプレゼントするのも粋ですよね。
キヨヒデガラス工房・清水 秀高さんの最新作は「炎桜」。咲き誇り舞い上がる“桜の炎”がなんとも美しい一客。桜や炎の“力強くも儚い”美しさを見事に表現しています。会場ではこちらの炎桜の他、人気作「風渦」も販売します。
関 尚子さんのぐいのみ「白露」は、「秋ちかう 野はなりにけり 白露の おける草葉も 色かはりゆく」古今和歌集 紀友則の和歌をイメージして制作。読み込まれた「桔梗」のイメージをグラスに展開しています。 催事に出品するたび人気のお品で、会場での販売は各色わずかとなります。
東亜硝子工芸代表・鍋谷 聰さんが会場で販売するのは、人気シリーズ「向日葵」のグラス。多数の受賞歴を持つ伝統工芸士である鍋谷さんは、まさに曲線で描く“自然の美の表現者”。本作にもその美しさが存分に表れています。
「これぞ江戸切子!」といった印象を受けるのが、目を見張るような細かいカットが施された商品。ひと目見て心を奪われるような、緻密カットが施された江戸切子をご紹介します。
1つ目は、澤口 智樹さんのぐい吞み「絢輝」。『緻密カットといえば』でまず名前が挙がる篠崎硝子工芸所に所属する職人で、職人歴は22年目。これが直径わずか6cmのガラス生地の中に描かれているというだから驚かされます。ぜひ会場で実物を手にしてみてほしい一客。
2つ目は、門脇 裕二さんの「HIKARI」。数々の賞を獲得している伝統工芸士の門脇さん。特徴は「これでもか!」と溢れんばかりのカットの、その正確さ。素地の美しさも活かす、独自の世界感を展開しています。会場ではそんな「HIKARI」の新色、限定色を販売します。
3つ目は、大場 和十志さんの「カーテンコール」。金赤と瑠璃という名の“舞台”に江戸切子の文様を刻み、豪華絢爛な緞帳を描いています。緻密な菊繋ぎと下部のざっくりとしたかまぼこカットのコントラストがたまりません。
最後にご紹介するのは柳生明さん。柳生さんは職人歴15年目、緻密カットで折り紙付き・篠崎硝子工芸所に所属する職人の一人です。江戸切子界に異業種から飛び込んで職人の道をゆきはじめた猛者で、斬新なデザインに加えクラシックなデザインも取り入れ、様々な表現を探求しています。(会場販売商品は未定)
近年は、若手作家や女性作家の台頭からか、洋風なテーブルコーデにも難なくハマりそうな、モダンでオシャレなデザインの切子も増えてきました。
山王丸 まゆみさんの「霞珠」と「陽だまり」は、溢れるような透明感が魅力のグラス。山王丸さんは職人歴10年目で、最近メキメキと頭角を表す若手の一人です。フワフワ、ツヤツヤなどの質感を、生命力溢れる花切子が描いています。
青山 弥生さんの「透」は、スッとした縦カットがなんともスタイリッシュ。青山さんは美大を卒業後、清水硝子に入社して職人歴は17年目。物事の変化・変容を捉え、硝子に刻むことを得意とした、数多くの受賞歴を持つ日本の伝統工芸士です。
ひときわ異彩を放つのは、山田 のゆりさんが手掛ける「黒切子」。山田さんは職人歴17年目。江戸切子新作展で数多くの賞を受賞するだけでなく、2020年には最年少で伝統工芸士に認定された才気あふれる若手職人です。
ここからは、本ページでご紹介した商品を価格帯別にリストアップします。
会場では、このページで紹介した切子を含む“全300品以上”のアイテムを販売予定! 3/29~31の3日間、東急プラザ銀座でみなさまのご来場を心よりお待ち申し上げております。
※本ページに記載の内容は、予告なく変更となる場合がございます。
[主催]江戸切子協同組合 [特別協力]藤巻百貨店