月の光に魅せられて——。人気陶芸家の手による渋好みのメタリックな世界。コーヒー党待望! 金城有美子さんのマグカップ
■メタリックな「月光」シリーズからカップ&リム皿が登場
沖縄の海の色を思わせる鮮やかな「サンゴブルー」シリーズで人気を博した金城有美子さん。今回は打って変わって、シックな印象の器が登場する。独特の渋い表情がたまらない「月光」シリーズのマグカップ&リム皿は、金城さんのやちむんワールドにさらに深くハマっていくことを決定づけるアイテムとなるだろう。
「月光」シリーズは実は、金城さんが古くから手がけているカラーリングの一つだ。ポップな色合いのイメージが強い金城さんの器の中で、とびきり渋い表情が異彩を放っている。「かわいいの対極にありそうな、カッコいい系の器も大好物なんです。20代の頃はツートーンのシリーズや灰釉だけの器など、要は『茶室』で使われるような渋好みの茶碗を作っていました。月光シリーズもそのひとつで、見る環境や光の角度で表情を変えるメタリックな質感が特徴です」。つまりは月光シリーズもまた金城さんの本流。サンゴブルーと比べると、土の“焼きもの”らしさが際立っている。めくるめく金属質の表情を、目と手で愛でたくなってしまうアイテムだ。
■世界に一つだけ! 一点ものならではの“味”を愉しんで
金属を含む釉薬は、温度や濃度の微妙な差で、表情に光沢が出なかったり、色が変わってしまったりと、非常にきめ細やかな作業が必要になり、扱いが難しい。サンゴブルーよりも釉薬のかかり具合の個体差が大きいが、逆にそれはすべてが“一点もの”ということを示す。それぞれが異なる個性を持った器との一期一会の出会いを楽しんでいただきたい。
■毎日使い続けてもらうために。使い手を想い、創作に向かう
マグカップは一見重そうに思えるが、持ってみると意外なほど軽い。それは、ドリンクを入れた時にちょうどいい重さになるように作っているから。また通常のマグカップよりも大きめの取っ手にしているのも、持った時のフィットのしやすさ、握りの安定感、手が疲れにくいバランスなどのポイントを探ってたどりついたもの。それらを気にするのは、金城さんが日常で使い続けられる器を志向しているからだ。
金城さんは、いつも使う人の環境やライフスタイルなどをイメージしながら器を製作している。「ある時、お客さんに『このコップ、食器棚に入るの?』と聞かれて気づいたんです。日々の器には、ふさわしいサイズや心地いい使用感というものが存在していて、それに寄り添ったものでないと使いにくい。器はあくまでも使う人がいるから成り立っていて、使い続けてもらってこそ、好きになってもらえるんだろうなって」。
そんな意識がマグカップの重さや取っ手にも息づいている。軽めだから年配の方でも使いやすいと好評で、リピートして買われていくのだとか。
カップに入れるドリンクは、ダークな器に映えるカフェオレやカフェラテがおすすめ。またはシティロースト以上のどっしりとした深煎りコーヒーも合いそうだ。
■ソーサーにも、ケーキ皿にも◎! マグカップと相性抜群の17cmリム皿
一方17cmのリム皿は、マグカップのソーサーとしてぜひペアで使っていただきたい逸品。とはいえ普通のお皿でもあるので、コーヒーのお供にケーキ皿として、はたまた食事の取り皿としても使える。
気にしてほしいのは、フードとの色のペアリング。月光シリーズはダークな色合いだけに、パンやチーズ、生クリーム系のスイーツなど、ライトなカラーのフードと好相性。
サラダやスモークサーモン、カルパッチョなど、ちょっとしたおもてなし料理を乗せるのにも重宝する。
■こだわりのやちむんで、至福の時を過ごす
見た目が映えるだけではなく、使いやすい器というだけでもない。グッドなカラー、グッドなデザイン、グッドなバランスを求めた審美眼と、それを実現できる技術が込められたマグカップ&リム皿だ。そんなアイテムを日常の傍らに置いて、グッドな毎日を送ろう。テーブルを囲む時間、コーヒーをいれる時間をより豊かにしてくれそうだ。
※手づくりの陶器のため、作品には個体差が生じることがございます。 なるべく均一のものをお届けしますが、気になる場合は店頭にてご確認いただくことをお勧めします。
金城有美子 プロフィール
沖縄県立芸術大学で陶磁器を学び、その後国内、アジア各国にて数々の展示やインスタレーションを行う。沖縄の自然を感じる力強く繊細な造形、強い太陽に照らされたような色彩は『金城有美子』を見事に体現しており、各方面より大きな評価を得ている。精力的に制作を続け、現在さまざまな場所で作品を見ることができる。
1997年
沖縄県立芸術大学大学院陶磁器科修了
1997年〜
個展/沖縄、京都、大阪、宮崎にて開催
グループ展・国内/東京、茨城、高知、名古屋にて開催
2011年〜
グループ展・海外/釜山、ソウル、台北、台中、香港にて開催