香川の桶屋の革新アイテム、おひつ&弁当箱。
まさかの「レンジ対応」、あったかご飯がウマイ!
■日本の桶屋の逆襲。革新的アイテムの次なる一手は
今よりももっと「木」と人間の生活が近かった時代、桶は日常的に使うものだった。今では海外産や代替製品にとって代わられ、日本の桶屋は激減している。そんな中で奮闘しているのが香川県の谷川木工芸。木桶や風呂桶など従来の製品にとどまらず、革新的なアイテムを次々に送り出している。このたび登場するのは、なんとレンジが使えるおひつ&弁当箱だ。
■木の弁当箱が、まさかレンジで使えるなんて!
レンジを使えるようにすると、おひつに入れたままご飯が温められる。弁当箱も同様に、ホカホカのランチが食べられるのが最大の利点だ。曲げわっぱに代表される木製弁当箱が人気だが、谷川木工芸の桶アイテムもそれらに負けない魅力が詰まっている!
■伝統工芸「讃岐桶樽」の技を現代に残すわずかな担い手
谷川木工芸は現在の代表の谷川雅則さんの父・正男さんがすし桶製造所として1955年に創業。すし桶以外にも神社の神事に使う担い桶や風呂桶など、ありとあらゆる桶製品を製作し、修理の相談も舞い込む。香川の桶は「讃岐桶樽」として県の伝統工芸に指定されているものの、その担い手は現在、谷川木工芸ともう一軒を残すのみで存続が危ぶまれている。ここに3代目の谷川清さんが加わり、新たな視点で桶の可能性を見つめていくことになる。
■香川の桶型弁当箱「讃岐弁」が空前の大ヒット!
そもそも桶とは、細長い板を枠を使って円筒形に並べ、底板とたがで成形したもの。この形に沿っていればどんなものでも作っていい。そこで清さんはユーザーからの問い合わせをきっかけに桶の弁当箱、その名も「讃岐弁」を2018年に製作。讃岐の方言を名前につけたこの弁当箱はメディアにも取り上げられて大ヒットを果たす。そして、ここからさらに進化したのが今回の「ぬくいん」と「もらん」だ。
■接着部分の課題をクリアし、いざレンジ対応に進化
レンジで桶が使えるようにならないか——。思いもよらないアイデアを形にするべく、まずたがを外して接着のみで成形を試みる。だがもう一つ、レンジを使うと接着部分から壊れてしまう問題が持ち上がった。他の木製弁当箱も同じ理由でレンジが使えないのだ。そこで登場するのが、レンジに対応した接着剤。強度があって水も漏れない、世にも不思議な「レンジが使える桶型弁当箱」が誕生した。
■ご飯を冷ます→温めるだけでうまいメシになる!
たがのない「ぬくいん」と「もらん」はまるで木をくり抜いたかのよう。素材の吉野杉は、杉の香りが強すぎず、脂が少なくて食材を痛めないという理由から外側の白木部分だけを使う。杉の柾目は見た目に優しい印象があり、持った質感も柔らかだ。清さんおすすめの使い方を聞けば「ご飯を入れていったん冷ました後にレンジで加熱すると、桶の調湿が奏功しているのか炊き立てとはまた違った味わいでものすごくおいしいですよ」と返ってきた。ユーザーからは「これは温めご飯ではなく、もはや調理のレベル」と大きな反響が寄せられているそうだ。
■釜揚げうどんもできるおひつ。サイズ感もちょうどいい
おひつの「ぬくいん」で、ぜひそんな温めご飯を試していただきたい。ご飯が入る量は1.5合程度で、一人〜二人暮らしの保存にはちょうどいいサイズ。そもそも「おひつに入れたご飯は冷めてもおいしい」と言われているように、温めずにそのまま食べてもOK。炊き込みご飯や豆ご飯などもご賞味あれ。香川のうどんを釜揚げにして食べるのもおすすめだ。
■弁当好きの腕が鳴る! 気軽に使える木製弁当箱
「もらん」は650ccサイズの弁当箱。小さいように見えて高さがあるので「盛れる」入れ方ができ、レイアウトフリーな丸型だから自由に盛り付けていただきたい。曲げわっぱのように濡らさなくてよく、レンジで温めても、そのまま食べてもどちらでもおいしく食べられるのがうれしい。揚げ物を入れるとシミにはなるが、なんとなくなじんでくるので気にしない人も多いという。気になる方はオイルペーパーなどで仕切って対応を。
バリエーション
アイテム詳細
素材:吉野杉、国産樅(底蓋)
サイズ:
[ぬくいん(大)]直径18cm×高さ7cm
[もらん(小)]直径15cm×高さ6.5cm(650ccサイズ)
重量:
[ぬくいん(大)]約320g(蓋含む)
[もらん(小)]約226g(蓋含む)
生産国:日本
[ご注意]
・使用後は薄めた食器用中性洗剤で、スポンジ等柔らかいものを使い洗ってください。乾いた布で水気をふき取り、風通しの良い日陰で乾燥させてください。
・レンジでご飯を温める際は、600W2分を目安にお使い下さい。