根岸産業の銅製如雨露

日本で唯一の盆栽用銅製如雨露メーカー、根岸産業有限会社。同社の商品は、世界の〝BONSAI愛好家〟が欲しがる垂涎の名品。しかし、大量生産はせず、あくまでも手仕事にこだわり、愛着の持てる如雨露作りを目指す。

“BONSAI愛好家”を虜にする世界が注目する銅製如雨露

“BONSAI愛好家”を虜にする
世界が注目する銅製如雨露

日本国内で唯一、盆栽用の銅製如雨露を製造している根岸産業。その如雨露は、国内はもとより、イギリス、アメリカ、フランス、イタリア、ドイツ、オランダなどに輸出され、国内外を問わずBONSAI愛好家で知らない者はいない。神社仏閣の屋根職人であった初代が、その技術を生かしてトタンで園芸金物を製造する会社として創業。二代目が、先代からの技術を応用した手づくの園芸用如雨露を作り始めた。繊細な盆栽の枝や、苔などを傷めないよう、水を均一にまくために最適な形状や重さを研究し尽くしたその様は、まさに如雨露の極みといえよう。

亡き父の思いを継いだ愛着が持てる商品づくり

亡き父の思いを継いだ
愛着が持てる商品づくり

根岸産業では、全ての工程を手作業で行っている。銅の溶接に使うハンダゴテは、温度が高ければ高いほど、しっかりと溶接できる。そのため、同社では一般的な電気ゴテではなく、1300度以上にもなるコークスを使ってコテを熱している。せっかく温めたコテを冷やさないよう、夏でもエアコンをつけない工房内は、40度を超えることもあるという。しかし、お客様に長く愛される商品を作りたいという思いから、あえてこの製造スタイルを貫いている。二代目亡き後、母親の絹江さんと共に工房を守り続けている三代目の根岸洋一氏のもとには、先代が作った如雨露の修理の依頼が舞い込む。「使う人が長きに渡って愛着が持てる如雨露をつくる」という先代の教えは、世代を超えて生き続けている。

美しいフォルムにはすべて合理的な意味がある

美しいフォルムには
すべて合理的な意味がある

この如雨露の独特なフォルムには全て意味がある。たとえば、長い竿部分は水圧をコントロールし安定した散水を可能に。また、取っ手部分にも工夫がある。本来植物には、雨水か汲み置きしてカルキを抜いた水道水が適している。だが水を溜めた甕から直接水を汲むには通常の取手は邪魔になる。そこで一般的なアーチ型ではなく、側面に手をひっかけるような作りになった。おまけに水を入れて重くなっても、きちんと支えられるような重量とのバランスも考慮されている。また、素材の銅も単に「ブロンズの美しい輝き」のためだけに使用しているわけではない。銅には殺菌力があるため、水が腐りにくい上、水に溶け出した銅イオンが盆栽の苔の生育を助ける。まさに全てにおいて考え抜かれた究極の如雨露なのだ。

男のロマンに欠かせない職人が生みだすこだわりの道具

男のロマンに欠かせない
職人が生みだすこだわりの道具

小さな鉢植えの中に無限の宇宙を創造する「盆栽」は、男のロマンを体現する、今や世界中から注目されるアートだ。この小さな宇宙に、自然の恵みである雨の如く水を降り注がせるには、「雨の如し露」と書く如雨露ほど最適な道具はない。ブロンズ独特の輝きは、使うにつれ味わい深い質感に変化していく。その変化を楽しむのもまた一興。クールジャパンを代表する職人の手が生み出す道具は、入荷待ちになるほどの人気アイテム。毎日の水やりが楽しくなるだけでなく、シャープなフォルムで美術品のような風格のある如雨露は持っているだけで、羨望の的となることだろう。

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