「熊弥商店」の吉野杉の割り箸

香りがよく、割りやすくて丈夫。軽くて滑りにくいので使う人を問わない。吉野杉の国産割り箸を、高級料理店だけでなく家庭にも届けたい――。そんな思いを載せた斬新な商品を割り箸発祥の地・下市から発信し続けるのが、吉野杉割り箸を扱って130余年の「熊弥商店」だ。

奈良の大地が育む吉野杉が下市を割り箸発祥の地に

奈良の大地が育む吉野杉が
下市を割り箸発祥の地に

ブランド木材として知られ、日本三大人工美林のひとつでもある吉野杉で、割り箸を作り続ける町がある。奈良県吉野郡下市町。割り箸発祥の地だ。200年ほど前、吉野杉で酒樽を作るようになったが、木材に余剰が出てしまっていた。その部分で作られたのが割り箸で、下市の割り箸は200年の歴史を背負っているともいえよう。熊弥商店は、下市で割り箸を扱って130年余り。箸は古来より神事や通過儀礼に使われてきたが、中でも割り箸には“一度限りの使用”という原則がある。そのため国産など高品質の割り箸は飲食店やおもてなしの席でお客様用に出されることが多いが、熊弥商店の四代目・熊谷禎彌代表は「“毎日が幸せでありますように”という思いで、家族が日々使える商品を企画しています」と言う。

200年の歴史をヒントに吉野杉割り箸を家庭の食卓へ

200年の歴史をヒントに
吉野杉割り箸を家庭の食卓へ

現在市場に出回っている割り箸の9割以上は、外食産業で消費される。国内で消費される割り箸の9割以上が輸入品だというデータもあるため、家庭で国産の割り箸を使うことは大変希少だ。その実現を支えるのが、割り箸200年の歴史の中で培われた知恵。「酒樽の余剰で割り箸を作ってきたように、間伐材や、山に放置され自然災害を招きかねない杉材を活用しています。また、本来割り箸は白いものが好まれるため杉の外側だけを使用することが多いのですが、中央の赤みがかった部分でも割り箸に適している部分は選り分けて使います」。こうして杉の中央部分で作られた割り箸はやさしいピンク色で、芳醇な杉の香りも長続き。含まれる油分が多いため水をはじきやすく、清潔感あふれる食卓にも一役買う。

ふくよかな香りと扱いやすさで誰にも均一なおもてなしを

ふくよかな香りと扱いやすさで
誰にも均一なおもてなしを

吉野杉の割り箸を手にした時、なんといっても驚かされるのは、そのふくよかな香りだろう。食事を口に運ぶたびほんのり漂う香りは癒しをもたらすほど。食洗機にかけても約2カ月続くそうで、塗り箸のように洗って繰り返し使うのがおすすめだ。割りやすさや強度の高さも格別。これは吉野杉の木目が均一で節がないためで、割り箸に加工した時の木目の出方たるや、他に類を見ない美しさである。「軽さにも驚かれます」とは熊谷代表。一般的な塗り箸よりもはるかに軽量で誰の手にも余計な負荷をかけることがなく、さらには塗装が施されていないため、つかんだ食べ物や手元も滑りにくい。使う人を問わず分け隔てのないおもてなしができるので、特別なゲストや初対面の相手を招いた席での使用も安心だ。

手土産に、自分自身に。日常を豊かにする幸せなサイクル

手土産に、自分自身に。
日常を豊かにする幸せなサイクル

見た目に美しく、特別感があり、安心できる割り箸をお客様に出す。お祝いの席など人を招いて食事をする場で、これ以上さりげなくて小粋な演出があるだろうか。また藤巻百貨店としては、パーティー参加や帰省の際にひねりの利いた手土産として吉野杉の割り箸を持参することを提案したい。準備するものの多いホストの負担を軽減する手土産は大人のたしなみであり、話のネタとして場を盛り上げるのにもうってつけだ。そして、この割り箸を自分自身へのギフトとするなら、躊躇せず毎日使うこと。切り出した吉野杉材を山に放置せず割り箸に加工するように、吉野杉の割り箸はしまいこまず日常生活へ取り込む。このサイクルが、杉の芳香とともに、ささやかな幸せを運んでくれるに違いない。

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