洗練されたデザインとカラフルな配色で知られる、BROOKLYN(ブルックリン)。「使って楽しい、身につけて嬉しい、ひとつ上の心地良さ」をコンセプトとするメイド イン ジャパンの革小物たちはどのように生まれたのか。同社の代表であり、皮革職人兼デザイナーでもある草ヶ谷昌彦氏に伺った。
思わず誰かに見せたくなる
楽しさが溢れる革小物の数々
まず、華やかな色使いに目を奪われ、細部にまで行き届いた丹念な工夫と匠の技に驚かされる。心地良さと楽しさにこだわって作られたというBROOKLYN(ブルックリン)の革小物の数々。男のレザーアイテムと言えば、黒や茶という先入観を軽やかに覆す。「目覚めてから寝るまでの時間を1日の2/3と考えると、人生のおよそ2/3を何かしらのモノと一緒に過ごすことになります。だからこそ、良いモノであって欲しいし、ウキウキと楽しい気分になるようなモノであってほしいと考えています」(BROOKLYN代表・草ヶ谷昌彦氏)。思わず誰かに見せて自慢したくなるようなワクワク感。その楽しさは持つ人はもちろん、周囲の人々にまで伝播する。
セレクトショップ向けの
革小物メーカーからの転身
創業当初はSHIPSやBEAMSといった日本有数のセレクトショップのアイテムを手がけていたBROOKLYNに転機が訪れたのは2000年頃のこと。大量生産・価格破壊が席巻し、同社も進退を迫られることに。「コストを抑えるため、海外に生産拠点を移した時期もありましたが、スタッフとの意志の疎通を含め、うまくいきませんでした。ならば、自分たちで店をやろう、“いいモノ”を作り、その良さを自分たちで伝えようと決めたんです」(草ヶ谷氏)。 それはブランドの運命を左右する大きな賭けだった。2002年に東京・青山に直営店をオープン。高い品質と美しさは海外でも高く評価され、イタリアやイギリス、アメリカにも販売網を広げている。
長年愛用するという喜びを支える
高度な職人技
「ヘリ返し」という言葉をご存知だろうか。表革を内側に返し、ミシンで縫う手法で、革の切り口を処理するためによく使われる。しかし、BROOKLYNの革小物の場合、革本来の厚みを残したまま、革同士を張り合わせ、ミシンをかけ、最後に職人自らの手で革の切り口を磨きあげる<切り目コバ磨き>という手法で仕上げられている。「一般的な仕上げ方法である“ヘリ返し”に比べて、時間も手間もかかりますが、この方法だと角が擦り切れにくく、長期間の使用にも耐えられます。また、糸をほどいて縫い直すといった修理もできるんです」(草ヶ谷氏)。気に入ったアイテムを長年使い込むという喜びが味わえるのも“いいモノ”だからこそ、である。
遊び心溢れるアイテムが
男の人生にもたらす効用
欧州を代表する有名ブランドも使用する皮革を使い、多彩なカラーバリエーションを展開。個性溢れるステッチワークもBROOKLYNの革製品の特徴だ。「表の革とステッチの色を変えるのは想像以上に大変です。同色ステッチと異なり、縫い目が目立つため、高度な縫製技術が必要ですし、かなりの職人泣かせ(笑)。でも、財布や名刺入れといったアイテムはどんな人にも必要なものであり、かつ日常的に持ち歩くものです。頻繁に人目に触れるものでもありますから、なおさら“いいモノ”であってほしいし、使っていて楽しいモノであってほしいと思っています」(同)。スタイルを感じさせる革小物が生み出す驚きと感動は、男の人生をより豊かに彩ってくれそうだ。
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