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江戸時代に島津藩内で海外交易品として誕生した「薩摩切子」。一度は衰退したその美と技に再び息を吹き込み、今や鹿児島の伝統的工芸品の一つとなっている。その意匠を継承しながらも薩摩切子の新たな魅力を開花させている「美の匠 ガラス工房 弟子丸」。そこにある思いとは--

薩摩切子の伝統を受け継ぎながら弾くように光輝く「霧島切子」

薩摩切子の伝統を受け継ぎながら
弾くように光輝く「霧島切子」

「美の匠 ガラス工房 弟子丸」は、幕末に一度途絶えた「薩摩(さつま)切子」の復元に携わったメンバーの一人、弟子丸努氏が代表を務める薩摩切子の工房だ。復元から30年以上経った現在は、薩摩切子の新潮流として注目を集める「霧島(きりしま)切子」などを中心に作品作りを行っている。とその前にまずは薩摩切子の話を少し。かの篤姫の養父だった島津家28代藩主・島津斉彬が江戸時代に海外交易品として開発させた薩摩切子。彫りの深さを変えることで生まれる独特のグラデーション「ぼかし」や、「薩摩の紅硝子」と呼ばれた日本初の紅色ガラスなどが話題となり当時諸外国でも珍重されたという。ところが斉彬の急逝や幕末の動乱によりわずか20年足らずでその歴史は終焉。その100年後の1985年、数人の職人の手によって研究、制作され、一度は幻となった薩摩生まれの切子が見事復元したのだった。

伝統の美の復元を経て故郷で新たな歴史を刻んでゆく

伝統の美の復元を経て
故郷で新たな歴史を刻んでゆく

復元後、弟子丸氏は当時勤めていた工房から別の工房への移籍を経て、故郷の霧島市内に自身の工房を設立。以来、薩摩切子の未知なる可能性を求め、伝統を守りながらも従来の素材や技法に捉われない切子を制作している。件の霧島切子もそうした作品の一つ。霧島市市制10周年であった2015年。それは奇しくも弟子丸氏が切子職人になって30年目、工房設立から5年目という節目の年でもあった。そこで霧島連山やその麓の温泉をはじめとする霧島の美しい自然への想いを込めて「霧島切子」と名付けた切子を考案。切削の美しさを際立たせるためあえてクリアのガラスを採用した。また、砂を吹き付ける技法サンドブラストで一部を乳白色にしてニュアンスのある質感もプラス。素材にはカリクリスタルを使い、カットの美しさや輝きはそのままに価格を抑えることにも成功した。

クリスタルガラスの煌めきと厚みが切子模様を引き立てる

クリスタルガラスの煌めきと
厚みが切子模様を引き立てる

素材や技法ももちろんだが、霧島切子で何よりも目を惹くのはやはり「無色透明」であること。色がないからこそカットが美しく映えるのはもちろんのこと、注ぐ酒の色によってその表情を変えるのも大きな魅力だ。ダイナミックさと繊細さを併せ持つ模様。それを引き立てるコントラストの強い陰影。一つ一つはシンプルなのに思わず見入ってしまう美しいカットは切子師・弟子丸氏の真骨頂だ。厚い部分を削り取って飲み口を作っているのであたりが柔らかく心地よい。上部は伝統的なモチーフであるトライバルをベースに、独自に考案した模様がぐるりと彩る。随所に施されたどこかモダンで遊び心のある意匠が新鮮。また、薩摩切子ではサインが入ることは少ないが、トライバルと共に頭文字のDをさりげなく配し、弟子丸氏の職人としての矜持も刻んでいる。

豊かな表情を魅せる無色透明の品格を4種のグラスで愉しむ

豊かな表情を魅せる無色透明の
品格を4種のグラスで愉しむ

藤巻百貨店では「天開タンブラー」「8オンスタンブラー」「猪口」「冷酒グラス」の4種類を販売。好みに左右されないデザインと色は、自宅用だけでなく酒を愛する人へのプレゼントにもぴったりだ。注目は「天開タンブラー」。お酒を美味しく飲めることに特化し、元バーテンダーの吹き師の協力を元に開発に取り組んだ。天に向かって開くようなシルエットは酒の香りを広げる効果があるそう。弟子丸氏の信条は「炉火純青」。炉の火炎が純青になると温度も最高に達するように、技芸が最高の域に達することを表すという。30余年に渡る職人人生に驕ることなく技と感性を磨き続けるからこそ描き出せる美。嬉しいことがあった夜、大切な人を思い出した夜……一人静かにその想いを噛みしめたいひとときに、そっと寄り添ってくれる特別な夜のためのグラスだ。

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