【12周年】600年超の歴史を持つ伝統染色を継承! 名だたるブランドにも起用された沖縄の「琉球藍染」
沖縄の“青”を想起させる「琉球藍染」のTシャツが登場
澄み切った空と、深く吸い込まれそうな海——。そんな沖縄の“青”を髣髴とさせる藍染めTシャツが誕生した! 本企画専用に開発したCENTENAの新型ホワイトTシャツをスケッチブックに、10年に及ぶ研究を経て琉球藍をファッションの世界に復権させた“琉球藍研究所”が描き出したのは、美しいネイビーの「グラデーション」と躍動感あふれる「荒絞り染め」の2種類だ。琉球王朝時代からの歴史を誇りながらも、継承する人の少なさから途絶えかけていた琉球藍染に真っ向から取り組み、普及に努める研究所の代表・嘉数義成さん。今ここに、見る者を魅了してやまない唯一無二の藍染めTシャツをお届けする!
繰り出されるのは2つの藍染めT。白と青のマジック!
完成した2つの柄は、どちらも藍染めの魅力にあふれたモデルだ。
「グラデーション」は、上から下に向かうにつれて藍の色が段階的に濃くなっていく。普通にブルーのTシャツとして使えるのに、よく見ると下のほうが濃いぞ、という気づきがあるのが楽しいしおしゃれだ。夏の青Tとして非常に頼れる存在になった。
「荒絞り染め」は、まだらに散った濃い青の模様がポイント。絞り染めのTシャツといえどサイケデリックな印象ではなく、白と青のコントラストがむしろ葛飾北斎の描く海の波を連想させる。濃色のシンプルなショートパンツと合わせ、柄を思いっきり主張して出かけたくなる!
琉球だけの藍染めをフィーチャー! 他とは全然違う驚きの手法
しかし「琉球藍」とは何だろう? 藍染めと言うと、徳島県や北海道が産地として有名だが全国各地で行われているから、そのひとつだろうか。そんなふうに考えていたところに、琉球藍研究所代表の嘉数義成さんが「他の藍染めとは根本的に異なるもの」とズバリ答えてくれた。
そもそも植物が違うという。原料の琉球藍はキツネノマゴ科イセハナビ属の植物であり、日本で一般的に行われている藍染めに使う蓼藍はタデ科イヌタデ属の植物だ。前者は東南アジアや台湾に分布し、気候が近い沖縄で栽培されているのも頷ける。嘉数さんは自分たちで琉球藍を栽培・収穫をして量を確保する。Tシャツを1枚染めるのに、およそ1kgもの琉球藍を使用しているため、アイテムを必要量作るためには当時の琉球藍の生産量ではまったく足りず、他に頼めなかった。ならば、自分たちですべてやるしかない…! と農業から始めたのだ。
そして染料を作る過程も違う。通常の藍染めは、藍葉を刻んで乾燥させ、そのまま寝かせて発酵させる「すくも」を作る。一方で琉球藍は、葉や茎を水に漬け込んで青い色素を抽出し、水に溶かした消石灰を入れて沈殿・攪拌を繰り返した後に抜水。残った泥状の色素「泥藍」をもとに染色槽を作る。琉球藍にはすくもは向いておらず、「沈殿法」と呼ばれるこのやり方しかできない。当然、この作業も自分たちでしている。栽培から泥藍づくり、染色まで一貫して行うのは非常に珍しく、思いのままに製品を作り出せるのが強みだ。
いざ染色! 技術が試される繊細な工程
藍が溶けるアルカリ性にph値を整えた液に泥藍を溶かし込み、毎日攪拌して少しずつ発酵させていく。これが完成したら、いよいよ染色だ。藍は空気に触れることで化学変化により発色する。琉球藍は他の藍染めよりもややグレイッシュな色味になるという話もあるが、色の違いについてはまだまだ研究段階。とはいえこの深みに満ちた青をどう表現していくのか、腕が試される!
グラデーションは、全体を染色槽に浸した後に引き上げ、何度も染めることで段階的に濃くしていく手法だ。染める回数は13回にも及ぶ。しかも一気に行うと色落ちしやすくなってしまうため、1日に染められるのは4〜5回まで。浸けて揉み込んで色をしっかり定着させ、2~3日かけて染め重ねていく根気のいる工程だ。なだらかなグラデーションを作るためには、境界線ができないように吊るした状態で上下に揺らして染める。かくして、藍染めの濃淡を一枚で味わえるモデルが完成!
荒絞り染めは生地を手でギュッと集めて紐で縛り、染色槽に浸け込む。生地が見えている外側は藍で染まるが、生地が触れ合っている内側には色が入っていかず、その差がまだら模様になって現れる。白をベースにパキッとした藍がのる様が鮮烈だ。このコントラストを作るために、ベストな時間を導き出して製作している。
どちらの方法も、模様や色の出方は2つと同じものが作れず、必然的に一点ものになる。手作業でしか成し得ないクラフト感を味わうなら、この琉球藍だ。
琉球藍の文化を残し、広めるために全部やる。圧倒的な行動力!
嘉数さんは東京コレクションにも参加した沖縄のファッションブランド「LEQUIO」(レキオ)のデザイナー。そんな彼がなぜここまで徹底的に琉球藍に携わるのか? そこにはこんな思いがあった。
「藍染めは伝統的なもの、例えば着物だとか昔ながらの日用品だとかのイメージが強いですよね。僕は現代のファッションの仕事をしているので、自分たちの作る洋服や身の回りで普段使っているものにこのきれいなブルーを使いたい。かねてより沖縄の青い海のイメージを服に取り入れたくて、それを沖縄の藍染めでできないかと思ったのです」。
そこで先述の背景のもと、自分たちで原材料から作り始めたのが2014年のこと。農業未経験ながら、土地を探すことから始め、ようやく山原(やんばる)で貸してくれる所を見つけた。だが、冬でも植物が生き生きとしている沖縄では放置された土地はジャングル化する。なので、まずはチェンソーで木を切り草を刈ることからスタート。太陽光の紫外線に弱い琉球藍の性質にベストな環境を整えるため苗はハウスで栽培し、台風の時期が終わる10〜11月に露地に植え、次の年の台風が始まる7月までに刈り取る。今では約1万坪の畑で年間に15トンほど栽培する、沖縄で最も大きな生産者となった。
琉球の藍染めは1400年代の史料に既に登場し、琉球王朝時代には御用布として薩摩に上納していた上布等にも重用された、古来から伝わる技法だ。今でも琉球絣や紅型などに使われているものの、合成インディゴが普及してからは手間がかかる藍の仕事に従事する人が少なくなった。この文化を残していかなければならないと感じたことも、嘉数さんが継承し、実践する理由だ。
生産量を上げた現在は最終製品のみならず素材も提供しており、名だたるファッションブランドに取り入れられている。色の濃度調整で染料はもちろん、顔料も作れるようになって、表現の幅は広がるばかりだ。嘉数さんの取り組みは今、ファッション界で非常に注目が集まっている。
職人の共創D2Cブランド、CENTENAとは?
「CENTENA」は、強い絆で結ばれた職人・クリエイターと共に「共創プロダクト」を提案するブランドだ。 それぞれの職人の強みや、技術力を知りつくしたスタッフが、一流の職人・クリエイターと共に、10年間培ってきた顧客データをかけ合わせ、「斬新な発想力」×「日本の職人技」で世の中で永く愛され続ける確かなものを提供。 「最高品質×洗練デザイン×真の心地よさ」を追求しながら、スタイリッシュかつ機能的なアイテムで、大人の“欲しい”をカタチにする。
生み出されたアイテムは毎回大きな注目を集め、素材・モノづくり・デザインにこだわり尽くした逸品たちは感度の高い大人たちから高い評価を得ている。
ベースのTシャツを手がけたのは老舗ニットファクトリー「丸和ニット」
今回のベースとなったホワイトTシャツを作ったのは知る人ぞ知るニット産地である和歌山県にて生地生産を行う1934年創業の老舗ニットファクトリー「丸和ニット」。有名な海外ブランドにも多数、生地が採用され、その品質は折り紙付きだ。
■世界にここだけの編み機「バランサーキュラー®」
この染めTシャツの生地は「丸和ニット」が誇るオリジナル編み機「バランサーキュラー®」によるもの。通常は横糸のみで編んでいく「丸編み」に縦糸を組み込むことで生地にハリとコシを与え、最高の肌触りを実現している。
デザインはCENTENA「LUXARY Tシャツ」でも担当してくれたデザイナー・佐藤奈央子さんによるもの。プロジェクト担当の山上秀久さん、佐藤さん、CENTENAプロデューサー 中村の三者が何度も打ち合わせやサンプル制作を繰り返した末に、デザイン、サイズ感、着心地にこだわり抜いた“染めTシャツに最適なTシャツ”を完成させた。
■ベースとなったTシャツの形
一般的なTシャツと比べて着丈や身巾、裾巾は大きめ。また、アームホールを広く取り、手を降ろした時に脇の辺りがクシャっとしないように工夫している。こうしてできあがったのは風通しも着心地もいい夏に涼しいモデル。生地はLUXARY Tシャツと同じなので肌触りが抜群にいい!
沖縄の悠久の文化をファッショナブルに着る愉しみがここに
化学染料では表現することのできない独特の風合いと一枚一枚違った深みのある表情は、見る者を惹きつける。そして沖縄独自の藍染めを現代に広めるための研究所のストーリーもまた、想いの込もったアイテムとして応援したくなる。琉球藍染のTシャツを着るロマンを手に入れてみてはいかがだろうか。
伝統技術を復活させ、普及や次世代への継承に力を入れる琉球藍研究所。その実力を、ぜひあなたの目で、肌で感じていただきたい!
カラーバリエーション
使用イメージ
-
男性 182cm70kg
グラデーション
Lサイズ着用
ちょうどいいオーバーサイズ -
男性 174cm60kg
荒絞り染め
Mサイズ着用
ちょうどいいオーバーサイズ -
(左) 男性 182cm70kg
グラデーション
Lサイズ着用
(右) 男性 174cm67kg
荒絞り染め
Mサイズ着用
-
女性 167cm
荒絞り染め
Mサイズ着用
やや大きめのサイズ感
アイテム詳細
素材:綿95%、ナイロン5% 製造国:日本
※手染めにて染色しているため、個体差がございます。いずれも天然染色の風合いとして不均一な色の移り変わりをお愉しみください。独特のムラ感は化学染料では表現できない最大の特徴です。
※天然染色である藍染商品の注意点として、初めの数回の着用時は肌移りしたり、他の生地(トップスやバッグ)などに色移りしたりする可能性があります。それらの防止のため、色止めは行っていますが、天然染色の特性上あらかじめご了承ください。
※製品到着時、藍染特有のアク成分が表面に浮き、匂いや黄茶色が出る場合があります。その場合は、一度下記のとおりお手入れをしてからご着用ください。アクが抜け、天然藍染特有の鮮やかな色味が増していきます。
普段のお手入れ
・水洗いで、可能なら手洗いで優しく洗ってください。
・日焼け防止のため、陰干してください。
・ドライクリーニングは避けてください。
・初めの数回は他の衣類と分けて洗ってください。色移りの可能性があります。
・その後は色の濃いものと一緒に洗うか、分けて洗ってください。
・洗剤は中性洗剤を使用し、漂白剤、蛍光増白剤が入っていないものを使用していただくことが望ましいです。もしくは、専用の色落ちしにくい洗剤などをご使用ください。
初回のお手入れ(アク抜き方法)
1カ月〜3カ月に一度はアク抜きのためお湯につけ込みをおすすめします。
①製品を40度程度のお湯にしっかり20〜30分置く。
②アクが出ると黄茶色になる。余分な藍が残っていた場合は青色が出る。
③水を変えながら2〜3回水洗いする。
④1〜3の工程を2回繰り返す。
⑤十分に脱水し乾燥させる。
※アク抜きとは藍に含まれるインディゴ以外の不純物を取り除くことです。藍染本来の藍色が映え、紫外線による退色変化を軽減する効果があります。
※水洗いに使用したボウルやシンクの表面に青い染料がつくことがありますが、スポンジ等でこすれば落ちます。
アイテムサイズ
サイズ(単位:cm) | 着丈 | 肩巾 | 身巾 | 裾巾 | 袖巾 | アームホール |
---|---|---|---|---|---|---|
M | 71 | 63 | 57 | 57 | 21.5 | 27 |
L | 73 | 64 | 59 | 59 | 22.5 | 28 |
XL | 75 | 66 | 61 | 61 | 23.5 | 29 |