インポートカジュアルショップの商品企画に長く携わり、アメリカの空気感とものづくりを知り尽くす山本一之さんは、自身のブランド「MONT LIVRE」でパッチワークアイテムを数多く手がける。山本さんの得意とするアメリカンカジュアルとパッチワークを融合させ、レトロな印象と味わいをよりソリッドに際立たせたシリーズがいま、藤巻百貨店に登場する!
ファッション好きを魅了する
レトロなパッチワークアイテム
古くから知る人には、どちらかといえばインテリアや手芸のイメージが強いのかもしれない。しかしながら近年、ファッションの分野で再び脚光を浴びているのが「パッチワーク」アイテムだ。アメリカへの移民に端を発するとされ、トレンドが巡る中で幾度となく注目を集めてきたが、多様化する現代ファッションでは常に一定のファンがいる素材でもある。モードのブランドも採用するなどまた波がやってきているようだ。その魅力はといえば、ミックスされた生地から生まれる遊び心ある表情。老若男女を問わず、シンプルな装いに程よくいろどりを与えることができる。そんな力を秘めるパッチワークトートがこのたび藤巻百貨店に初登場する。このトートを作り出したのは「MONT LIVRE」の山本一之さん。古着やインポートカジュアルを知り尽くし、モノに宿る空気感やたたずまい表現に抜群のうまさを発揮する人物だ。
インポートカジュアルの伴走者
山本一之さんの「MONT LIVRE」
山本さんが20代の頃に封切りされたのが「サタデーナイトフィーバー」や「ビッグウェンズデー」などアメリカンカルチャーを映し出した名画たち。当時の若者はこれに影響を受け、アメリカの空気をはらんだアイテムの数々に夢中になった。そのような背景の中で、アメカジショップの商品企画に携わっていた山本さんは「時代のストーリーに合った素材を追求してきました」と自身のモノ選びについて振り返る。そして、それはパッチワークのリユース性や独特のかわいらしさへの目利きとしても働き、不用品の形を変えて価値を高める「アップサイクル」の意識や、ファッショントレンドともマッチしていると考えたという。山本さんの作り出すパッチワークアイテムは、ディティールが他とは異なる。トートは約30ものパーツで構成しており、これは一般的なパッチワークアイテムに比べて群を抜いた数の多さを誇る。本物のインポートカジュアルに触れ、ノウハウを積み重ねてきたことで「パッチワークの方程式」ともいえるパターンを編み出した。
デザインチームによる手作業で
織りなすのはパターンの面白さ
山本さんのパッチワークのイメージを具現化する部隊が、神戸のデザインチーム「アイボリー・デザインワークス」だ。パッチワークのようにサイズがバラバラで工程がかかるものは縫製工場では作りにくく、全行程をほぼ手作業でベテランのデザイナーが仕上げている。今回のトートはその時代時代で活躍したデニム・チノ・ミリタリー素材を使いパッチワークに。例えばデニムならばその色落ちの微妙な違いが楽しめる。と同時に大人びたシックな印象も。パッチワークでシックとはなかなか珍しく、つぎはぎの面白さはありつつもだらしなさはない。そこで思い浮かぶのはクレイジーパターンのシャツ。シャツをパーツごとに生地を変え、色や柄がミックスされてもなぜか違和感がないそんなシャツのように、このパッチワークもまたすっきりとなじみ、持ち主を引き立てる。
いつだって人をワクワクさせる
パッチワークの世界へようこそ
かつてのアメカジブームの時代からタイムスリップしてきたかの様な、どこかに懐かしさを感じる今回のパッチワークトート。リユース性や手作りのたたずまいが現代のスタイルにも合致し、「温故知新」という言葉が浮かんでくる。これだけ多くの時代の生地や質感を同時に楽しめるのはこのバックならではだ。裏地にはデッドストックのシーツ生地を使い、ボタンに目を向けてみれば、スマイルマークの水牛の角やNYメトロのトークンなど、ここにもストーリーを予感させるディティールが潜んでいる。すべてはこの雰囲気のために。山本さんが自信を持って送り出すパッチワークは、かつてアメカジに熱狂した人たちにも、またはパッチワークが新鮮に映る現代人にも、どちらにも納得してもらえる圧巻のクオリティだ。同じものをひとつとして作ることができない魅力的なパッチワークの世界に、そろそろ足を踏み入れてみては?
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